「唐突に追われてみるのはいかが。」ストレンジ・ダーリン かもしださんの映画レビュー(感想・評価)
唐突に追われてみるのはいかが。
映画開始時、テロップにより35mmフィルムで撮影されている事、そしてシリアル・キラーの作品である事、タイトルと同時に6章に分割されている事が表示される本作。
物語はいきなり3章から幕開けし、観客は唐突に車で逃走する女とそれを追う男の追走劇へと放り出されてしまいます。
その後も物語は5章へと飛び、その後、ようやく1章へと物語が遡ります。
一見出鱈目に思える時系列の順番ですが、実は物語が転じる4章と2章を後回しにする事で凡庸になりかねない物語をスリリングな展開へと転じさせる事に成功している映画でした。
察しの良い人には先が読めてしまう展開ではありますが、章によって登場人物に抱くこちらの感情が大きく変化する作品ですので、イライラしたり、ハラハラしたりできた人には良品映画になったのではないでしょうか。
個人的には男優、女優、共に良かったと感じます。
両者とも観ているだけで殺意を感じる表情や不安を抱かせる表情を見せる瞬間があり、本作にとって重要な要素になってます。
彼らの顔に注目して鑑賞してみてください。
余談ですが、10年くらい前、イーストウッドの娘フランチェスカが出ているというだけで本作の監督が手掛けた「Outlaws and Angels(原題)」の輸入盤DVDを購入しました。
その時も感じた事なんですが、初監督作品にも関わらず何気にお金がかかっている作品になってました。
今回もお金のかかる35mmフィルムで撮影していますし、お金のある監督なんですかね。
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