「未知の悪魔より身近な悪魔がいい‼️」ストレンジ・ダーリン 活動写真愛好家さんの映画レビュー(感想・評価)
未知の悪魔より身近な悪魔がいい‼️
私は近年この作品ほど映画的興奮を覚えた作品はないですね‼️ルールを無視した構成の妙がここまで映画を面白くした例は、タランティーノ監督の「パルプ・フィクション」以来でしょう‼️連続殺人鬼と、その標的(ターゲット)となった者の、息詰まる闘いを描く・・・‼️ストーリーはそれだけ‼️最初に2018年から2020年にかけて、連続殺人鬼が全米を恐怖に陥れたとの字幕が入る‼️そして6つの章の物語との説明字幕‼️するといきなり3章から物語がスタート‼️結論から言うと3→5→1→4→2→6→エピローグという構成‼️オープニングとなる3章ではカーチェイスからスタート‼️追われる女と追う男‼️この時点で男が殺人鬼、女がターゲットであると観る者は意識してしまう‼️この意識付けが今作の面白さの根源にあって、カーチェイスの果てに森の中の老夫婦が住む一軒家に逃げ込んで3章が終了‼️そして前述の通り、不規則に章が進むにつれ、1章での男と女の仲睦まじいホテルでのやりとり、3章ではブロンドだった女の髪が1章で赤毛になっていたり、3章で女が片耳を失って血まみれだったり、女が身にまとっている赤い服、熊撃退用のスプレーなど、様々な伏線や小道具が不規則な構成の中で見事に回収されていき、それがどんでん返しの連発となって見事な見せ場となるのがホントに素晴らしいですね‼️そして徐々に明らかになる男と女の真の素性‼️ホントにゾクゾクさせられる作品‼️これぞ映画ですね‼️そしてZ・バーグというアーティストによるサントラもこれまた素晴らしく、彼女の切なく哀愁のある歌声が映画を格調高くしてますね‼️ 35ミリフィルムで撮影された少しザラついた画面‼️そして「あなたはシリアル・キラーなの?」と女が男に尋ねるオープニング・カット、女が車中で静かに息絶えるラスト・カットをモノクロで描く演出も、同じく映画の格調を高めていて素晴らしい‼️海外では「秘密を知る前に観よう」とか言われてますが、今作は秘密というよりは、その構成の妙に唸らされ、楽しまされる作品だと思います‼️
