ハオトのレビュー・感想・評価
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個人的に全く好みではなかった
昭和的失敗自主映画の典型
太平洋戦争末期の精神病院を装った特殊機密施設を舞台に「外と中のどちらが狂気か?」というテーマで2005年に下北沢・本多劇場で初上演した創作劇を映画にしたくて20年間温めて続けてきたという丈監督が自らプロデユースし脚本と演出、出演もした。池袋のシネマ・ロサでしか上映していないインディーズ系で、友人に「感想を聞かせて欲しい」と言われなければ知ることも観ることもなかったが、なんでも自分でやりたがってしまう自主映画にありがちな仲間内スタッフ&キャスティング、小劇団的自己満足的仕上げることを優先した失敗作となっており残念。アイデアがすごく面白くて物語りもぼちぼち良いのだから企画をアスミックあたりに持ち込んできっちり予算を掛けて藤井道人か吉田大八に撮らせていれば超傑作が出来たのにと思うと悔やまれる、というか今からでも誰かにリメイクして欲しいくらい。これだけのアイデアとテーマを持ちながらそもそも軍人(=戦場で死ぬこと)から逃げている主人公の原田龍二がミスキャストなのか演出できていないのかあまりにもくったくが無く、特攻に行く弟との手垢のついたお涙頂戴お別れシーンの凡庸さったらなくて自身の変心にいたるアンビバレンツな感情の揺れ葛藤が全く描けておらずあきれる。演劇的せりふ回しの違和感には目を瞑るとしても2ショットアップの意味の無いあおりや俯瞰カットにそそらない銃撃戦、どの部屋に隠れているのかハラハラさせる無駄な演出を映画だと考えているのならお門違いでそれよりおままごとで済ませられる舞台美術と違って細部まで高精細で写る映画のリアリティを考慮してもらいたい、外の空を見上げる木造校舎の窓枠サッシがばればれで一気に萎えるのだ。
最大の失敗の真っ最中
甥の勤める警察署にやって来た爺さんが、戦時中のとある精神病院の皮を被った特殊施設で巻き起こった騒動を語る話。
突然ふらっとやって来て、刑事の甥を呼び
「人を殺した」とか言って、1945年3月からの出来事を語り出すストーリー。
カモフラージュの為か?普通の女性もいたけれど、病んでいるフリをしている元海軍兵や、原爆を開発していた解離性同一障害の博士、戦局について言ったことが何故か的中し陸軍中将も訪ねてくる自称閣下という患者に、医師や看護婦はもちろん、二重スパイを申し出てきた日系人兵士やその友人、そこに駐在したり訪問してきたりする軍人他と登場人物がまあ多いこと。
そんな施設で巻き起こる出来事を、少々ドタバタとみせていく展開で、そんなアホなっ!なフィクションですね。
で、登場人物が少ないシーンのこともその場にいて見て聞いていた様な口ぶりで語っているけど、あんた誰?とか思っていたら、ちゃんとそこにも触れてくれるんですねwまあ案の定その場にいなくて知らないことも語ってますけどw
戦時中の出来事をみせる作品としてはだいぶ軽くてあり得ないフィクションだけれど、そういうものとしてみたらそれなりには楽しめるのかなという感じ。
久しぶりに観た失敗作
「初日舞台挨拶」
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