「グダグダ野郎の極み」マスターマインド regencyさんの映画レビュー(感想・評価)
グダグダ野郎の極み
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ベトナム反戦運動やウーマンリブに揺れる1970年代アメリカで、絵画窃盗を企てた男の顛末を描く。
主人公である窃盗団の主犯(マスターマインド)がとにかくグダグダで、計画もガバガバで仲間運にも恵まれない。絵を盗んだ理由を家族の為と言っておきながら、「そのうちの4分の3はだけど」と変な注釈を入れたりと、観る者が感情移入できる余地すら与えない。ケリー・ライカートはこうした観る者の感情を揺さぶる演出を極力排除する手法をよく取るが(まあ主人公をぶん殴りたい衝動に搔き立てられたけど)、本作は行き着くとこまで行き着いた感。70年代アメリカの時代背景の再現に腐心したという狙いや、劇的演出を避けるという意図は分かるものの終始退屈。TIFFの上映終了後の観客の拍手も何となく微妙な気がしたのは気のせいか。
微妙に笑えるシーンがあったのと、逃走中の主人公の恰好がボブ・ディランっぽくなっていくのが個人的なツボだったぐらいで、トータル的には全く刺さらなかった。
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