「【”小さな諍いがドンドン拡大して・・、そして因果応報。”今作はニューメキシコの架空の町エディントンで繰り広げられる反人種差別運動や陰謀論を背景にした、アリアスター節全開のシニカルコメディなのである。】」エディントンへようこそ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”小さな諍いがドンドン拡大して・・、そして因果応報。”今作はニューメキシコの架空の町エディントンで繰り広げられる反人種差別運動や陰謀論を背景にした、アリアスター節全開のシニカルコメディなのである。】
■コロナ禍の中、マスクをしないことをテッド市長(ペドロ・パスカル)にパトロール中に窘められた保安官のジョー(ホアキン・フェニックス)は、昔、妻ルイーズ(エマ・ストーン)がテッドと付き合うも、直ぐに捨てられた噂を信じており、部下のマイケル(マイケル・ウオード)を巻き込み、市長選に出馬する事を決意する。
市境の土地にIT企業誘致を進めるテッドに対抗し、ジョーは誘致反対派を巻き込み、交流サイトでの誹謗中傷合戦に持ち込もうとするが、テッド優性の状況には変わらず、焦ったジョーはナント!妻ルイーズとテッドの噂を交流サイトに上げてしまうのである。
それに激怒したルイーズが母ドーン(ディードル・オコンネル)の影響も有り、愛想をつかして家を出て、カルト教団の教祖バーノン(オースティン・バトラー)の下に去った事にジョーは逆上し、ナント!テッド市長と息子エリックが家にいる時に、ライフルで射殺するのである。ナントマア。
だが、彼はその凶行の犯人を、マイケルにしようとするのである。
◆感想<Caution!内容に触れているかな?>
・序盤は、コロナ禍の中、マスクをしないことで揉めていたテッド市長と保安官のジョーの関係性の悪化していく様が、悪魔的ですらある展開である。
テッドは、妻ルイーズの事も有り、テッド憎し!の思いで突っ走って行く姿は、狂気すら感じさせるのである。
ー 狂気じみたオカシナ人を演じさせたら、笑顔一つ見せないホアキン・フェニックスが、ピッタリなのである。-
・物語は、ニューメキシコの架空の町エディントンで繰り広げられる反人種差別運動(BLM)や陰謀論を背景にして、ドンドンエスカレートしていくのであるが、その様が”ノンストップ・クルエルムービー”なのである。
テロ組織はやってくるは、マイケルは何者かにより逃亡しているし、ジョーの犯行を隣町のネイティブアメリカンの警察官バタフライ(ウィリアム・ペルー)に、ホワイトボードに書いた”E"の文字と犯行現場に残された”正義なくして、平和なし。”と赤いペンキで書かれた綴りの”E”と同じであると気付かれたり・・。
・”どう考えたらあのような恐ろしき展開になって行くのか、ホント、アリ・アスターの頭の中を叩き割って見てやろうか!”と思っていたら、ナント、保安官のジョーは”ゲホゲホ”と咳き込みだし、ナント、謎のテロ組織の連中に、本当に頭に刃を突き立てられるのである。
■そして、ラストシーンは、シニカル過ぎるのである。
ジョーは車椅子生活になり、物も言えない生ける屍になっているのである。そして、ジョーが”表向き”反対していたIT企業誘致を祝う会場には、新市長であるジョーが車椅子で座っているのである。彼は義母ドーンの操り人形であり、テッドの選挙参謀であったウォーレンの操り人形でもあるのである。
そして、その状況をスマホで撮影しているのは、死んだと思われていた顔中に怪我をしているマイケルなのである。
ー 生ける屍のジョーをベッドに寝かせた義母ドーンがそのベッドに入った後に、男が入って来てそのベッドにドーンと寝る中、仰向けに寝るジョーの姿を映すショットも、相当にシニカルなのである。凄いなあ、嫌だなあ、因果応報だなあ・・。ー
<今作はニューメキシコの架空の町エディントンで繰り広げられる反人種差別運動や陰謀論を背景にした、アリアスター節全開のシニカルコメディなのである。>
■今作には、様々な要素が盛り込まれているようで、もう一回観ようかなあ、と思っているのだが、マア観ないかなあ。
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