「愛すべき合理的ではない人たち」ザ・ザ・コルダのフェニキア計画 HKさんの映画レビュー(感想・評価)
愛すべき合理的ではない人たち
この物語の登場人物は、ほとんど合理的な判断をしない。
けれど、それで失敗することがあっても悔しがることもなく、
何事もなかったかのように清々しく状況を受け入れて
次のステップへと進んでいく。
そこにツッコミを入れまくりながら見ているが、
ふと自分自身を振り返ると、コスパやタイパなど
いかに合理的であることにふだん縛られているかに気づく。
そんな現代人の陥りがちな状況を
広い空間を生かしたユニークな構図で、
シュールな眼差しで逆説的に描いている。
映像はドライだが、キャラクターに愛着を感じるのが不思議。
ストラヴィンスキーの音楽もぴったり。
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