劇場公開日 2025年9月19日

「傷だらけの天使」ザ・ザ・コルダのフェニキア計画 梨剥く侍さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0 傷だらけの天使

2025年9月28日
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鑑賞方法:映画館

“おもちゃ箱をひっくり返したような”というのは、いろんな要素が次々に繰り出される作品を形容するほめ言葉だと思うが、昨今のウェス・アンダーソンの映画はひっくり返しただけにとどまらず、引っかき回して踏みつぶして手榴弾を爆発させたような混乱ぶりだ(実際手榴弾がやたら登場する)。私なんぞは途中で置いてけぼりを喰らうことが多く、しっかり楽しめたのは「ムーンライズ・キングダム」くらいまで。
ベニチオ・デル・トロはずっと顔中傷だらけだし、娘役の女優は全く表情がなくて、演技力がどうこう言うようなことをさせてもらっていない。登場人物全員が与えられたキャラクターの駒として配置されている。
俯瞰でザ・ザ・コルダの浴室をとらえた絵作りなどはすこぶる印象的だ。一方、次から次へと目まぐるしくエピソードが展開し、物語を醸成する機運に乏しい。映画と言うより長めのコント番組を見せられているようだ。
肝心のフェニキア・スキームというのは何だったのか、よくわからなかった。

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梨剥く侍