「浮遊感のある映像美を楽しむ」ザ・ザ・コルダのフェニキア計画 鶏さんの映画レビュー(感想・評価)
浮遊感のある映像美を楽しむ
「アステロイド・シティ」以来のウェス・アンダーソン監督作品でした。前作ではあまりに難解で玉砕しましたが、本作はそれなりにストーリーが掴みやすかったので、玉砕することはありませんでした。
何となく黄色掛った映像の見た目、登場人物の人形っぽい感じ、パラレルワールドにいる浮遊感などは前作同様で、意味不明だけど何となく惹かれる世界観に、魅力すら感じるようになりました。
お話としては、ヨーロッパの大富豪であるザ・ザ・コルダ(ベニチオ・デル・トロ)が、中東にあるっぽい架空の国・フェニキアでインフラ整備の一大プロジェクトに着手するというものでした。しかしながら度重なる妨害に遭いプロジェクトが危機に陥る中、後継者に指名した娘であり修道女のリーズル(ミア・スレアプレトン)を連れて、フェニキアに赴き、父娘が危機に立ち向かうというもので、まあ難しい話ではありませんでした。
動きや展開が漫画チック、コメディチックではあるものの、爆笑を誘うというたぐいのものではなく、その辺はチト退屈ではありました。ただザ・ザ・コルダとリーズルのキャラクターは中々魅力的で、この2人を中心に、コルダの弟のヌバルおじさん(ベネティクト・カンバーバッチ)など、有名どころがおかしな役をおかしく演じていて、その辺も面白かったです。
そんな訳で、本作の評価は★3.8とします。
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