「「アンダーソン・パレット」」ザ・ザ・コルダのフェニキア計画 neonrgさんの映画レビュー(感想・評価)
「アンダーソン・パレット」
『フェニキア計画』は、豪華キャストと大規模なセット・CGで描かれる風刺的な寓話劇です。主人公は大富豪として巨大公共事業を推し進めますが、暗殺未遂を経て「金から信仰へ」と向かうように見えます。ただし、それは純粋な宗教的回心ではなく、どこか「リベラル化した信仰」ともいえる曖昧なものに留まっているのが特徴です。
特に印象的なのは修道女の娘の存在です。最初は清貧と信仰を象徴するような姿で登場しますが、物語が進むにつれて世俗化し、タバコやナイフを手にし、ロザリオまでも宝飾的に変質させていきます。それでも彼女は信仰を完全に捨てることはなく、むしろ主人公の変化と対照的に描かれているようでした。
コメディタッチの場面もありましたが、劇場では笑いが起きることはほとんどなく、観客を「これは笑うべきか、考えるべきか」と揺さぶる不思議なトーンの映画でした。テーマ性を強く訴えるというより、社会風刺を抽象的に示す寓話として楽しむのがよいかもしれません。
鑑賞方法: ユナイテッド・シネマとしまえん スクリーン6
評価: 62点
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