「清王朝文化の再現に酔う」紅楼夢(こうろうむ) 運命に引き裂かれた愛 カール@山口三さんの映画レビュー(感想・評価)
清王朝文化の再現に酔う
紅楼夢(こうろうむ) 運命に引き裂かれた愛
ストーリーの中味より如何にも中国らしい建物、庭園、衣装、景色が素晴らしかった。
上海、蘇州、北京などの枯れ果てた景色を見て来たので、
当時の生きた景観が天然色で見事に再現され、当時の階級格差や礼儀作法などの風俗が艶やかに感じ取られたのが感動した。
でも、女性達の言葉遣いや男性に対する仕草はぞんざいではないかと、今日の中国と同一性に感心してしまう。
まあ、
よくぞ懐古趣味的となる清王朝文化の絢爛豪華を再現できたものだ。
保守の息吹き感じる。
( ^ω^ )
紅楼夢(こうろうむ) 運命に引き裂かれた愛
清朝の貴族社会で繰り広げられるな荘厳な人間ドラマをつづった中国の名作古典文学「紅楼夢」を、「孔子の教え」などの女性監督フー・メイが映画化。
運命に翻弄される3人の若き男女の美しくもはかない愛と悲劇を、壮大なスケールと映像美で描き出す。
祖先の勲功により代々高官を輩出する賈家一族に生まれた青年・賈宝玉(か・ほうぎょく)は、家長である賈母・史太君の寵愛を受け、何不自由なく遊び暮らしていた。
しかし賈家は華やかな暮らしを続ける一方で、宮廷からこれまでの債務を取り立てられ返済方法に困っていた。ある日、江南の塩政大臣・林如海が、莫大な財産とひとり娘の林黛玉(りん・たいぎょく)を残して他界する。黛玉は母方の祖母である賈母を頼り、栄国府での暮らしを始める。宝玉と黛玉は強くひかれ合いながらも素直になれず、すれ違いを繰り返す。
一方、宝玉の叔母である薛夫人一家も、訳あって賈家を頼り栄国府を訪れる。その娘・薛宝釵(せつ・ほうさ)が身につける金鎖には、宝玉の持つ「通霊宝玉」と対になる句が刻まれていた。
紅楼夢(こうろうむ) 運命に引き裂かれた愛
紅楼夢之金玉良縁 A Dream of Red Mansions
2023/中国
( ^∀^)
時代背景
『紅楼夢』(こうろうむ、原題:紅楼夢)は、中国の清朝時代(1644年~1912年)を背景に書かれた長編小説です。
具体的には、18世紀中頃の清朝中期、康熙帝や乾隆帝の治世が反映された時代が舞台と考えられています。
作者の曹雪芹(そうせっきん)は、清朝の官僚階級の家庭に生まれ、作品には当時の貴族社会や文化、風俗が詳細に描かれています。
### 時代背景のポイント:
1. **清朝(1644年~1912年)**:
- 『紅楼夢』は清朝の繁栄期に書かれました。この時期は、経済的・文化的発展が顕著で、特に江南地域(長江下流域)の都市文化が花開いていました。
- 小説の舞台である賈氏一族の大邸宅は、当時の富裕層や貴族の生活を象徴しており、豪華な暮らしや複雑な人間関係が描かれています。
2. **社会構造**:
- 清朝は満洲族による支配体制で、漢民族の伝統と満洲族の統治文化が混在していました。
『紅楼夢』には、科挙制度(官僚登用の試験)や封建的な家族制度、身分階級の影響が色濃く反映されています。
- 女性の地位や婚姻制度も物語の中心テーマで、儒教的価値観や家父長制が背景にあります。
3. **文化的特徴**:
- 当時は詩や文学、芸術が盛んで、登場人物たちが詩を詠む場面が多く登場します。これは清朝の知識階級の教養を反映しています。
- また、仏教や道教の思想も物語に影響を与えており、運命や因果応報のテーマが織り込まれています。
4. **曹雪芹の背景**:
- 曹雪芹の家は、清朝初期に繁栄した漢民族の官僚貴族でしたが、後に没落。この経験が『紅楼夢』の栄華と衰退のテーマに影響を与えたとされています。
- 作品は、作者自身の人生や当時の社会の変遷を反映した自伝的要素を含むとも解釈されます。
### 補足:
『紅楼夢』は単なる恋愛物語ではなく、清朝の社会構造や文化、哲学を深く掘り下げた作品です。その詳細な描写から、18世紀の中国社会を理解する貴重な資料ともされています。
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