旅と日々のレビュー・感想・評価
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何も響きませんでした
スイマセン🙇絶賛評価されている方々の理由が全くわかりませんでした😭
河合優実ちゃんが出演してなかったら絶対観ない作品でした。悪しからず!
仕事中の時間調整にて鑑賞しましたがそのぐらいの感じでも限界😭でした。途中で帰ろうか何度も!
⭐️2は頑張っている河合優実ちゃんへ
勘弁してください。
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気持ちの良いしてやられた感を感じました
夏の海辺と雪の山国。
それぞれの舞台で交わされる男女の会話。
物語と現実が溶けあった不思議な光景がスクリーンに映し出されます。
登場人物たちの心が読めない言葉は不穏な空気を漂わせながらも、その表情と仕草には何故か幸福感も感じられる。
「ユーモアがある話がいいな」
「でも笑いだけではな」
「人間の悲しさが書かれていないとな」
作中人物の一人が語る言葉通りのシーンが、美しい風景と単調な音楽をバックに淡々と描きだされます。
単調といえば単調なのに不思議と惹きつけられる。
画面に釘付けの90分間が突然終わり、エンドロールを見ると原作者はつげ義春。
あゝそういうことだったのかと、気持ちの良いしてやられた感を感じました。
あの独特の世界を見事に映像化した監督の手腕に感服しました。
ちょっと不思議な現実的非日常
観終わった後、直ぐに湯治の旅に出たくなった。
特別心を動かされることもなく、淡々と流れる映像を眺めていた、という鑑賞体験だったが突然、湯治に行きたいなどという妙な欲求が出てきたのは、随分この映画に感化されたというか、癒やされた(癒やされたい)のだと思った。
スタンダードサイズで撮られたこの映像からは、観客の視点を縦方向に向け、手前と奥という意識を強める効果が感じられた。人間の普通の視野は横に広がっているものだ。最初は違和感があったが、自然とスクリーンに集中することができたし、撮られた画も、遠近、奥行きというものを意識していたように感じられた。
それから、音。夏の島の風、波、雨という自然の音。冬山の「しん」とした降雪の音。かんじきを履いて雪を踏みしめる音。そういう自然がつくる音がしっかり聞こえるように、変に脚色せずに録音されているように感じた。
「ケイコ 目を澄ませて」でも三宅監督は音を巧みに使って映画の雰囲気や登場人物の心象風景を表しているように感じたが、この作品にもそれが感じられた。
河合優実の佇まいはなんとも言えない雰囲気があって、一歩一歩揺れるように海辺へ近づく足取りから、渚の心の中で渦巻くモヤモヤした感情、ゴツゴツした岩場や暗いコンクリートの排水溝を慎重に足を運んで海へ近づいていく様に、一種の危うさを感じた。台詞なし、顔の表情の変化なしでも何か伝わってくるものがあった。
冬の李(シム・ウンギョン)の佇まいも、趣がある。帽子を被り、ロングコートにマフラーをした姿は凜々しいのだけど、どこか頼りなささが漂う。金田一耕助のように見えた。
彼女の旅は、観光地を巡る物見遊山の旅ではない。宿も決めず、何となく雪国へ行き、あてどもなく、なんとなく歩く。心を解放しようという意思と時間が無いとできない、ある種贅沢な旅だと思った。
べん造(堤真一)との会話がほっこりしていて少し可笑しい。
個人的には、李が寝転びながらふっと漏らした「さようですか」という台詞がナチュラルさとユーモアを併せ持つキャラクターが表現されていて気に入った。この台詞はアドリブだったという。彼女本来の持ち味と現場の空気がシンクロして出た言葉なのだろう。
べん造は、現実世界から断絶された世界で生きる仙人のような存在かと思ったら、夜の雪道の向こうに街の明かりや車のヘッドライトが見え、さらには警察官がやってきて病院に連れて行くなど、ちゃんと現実世界で生きているということが示される。
非日常だけども現実的である。
ちょっと癖のある登場人物たちが醸し出す雰囲気とちょっと不思議な会話が、空間を非日常的にしているように思われる。そしてそこに何か得体のしれない癒やしがある。この空間に入っていって、しばらくたゆたっていたいような気分になる。
あとからジワジワ効いてくる不思議な映画だった。
つげ義春の世界を三宅唱が静かに描き出す、“何も起きない”ことの美しさ。
この映画を観ようと思ったのは、やはり漫画家・つげ義春(88)の原作という点に惹かれたからである。
それに、私自身も一人でふらりと旅や散策をするのが好きなので、タイトルの「旅と日々」という響きに心を動かされた。
そしてもう一つの理由……河合優実さんの出演。これも外せない。。。
本作は、つげ義春の世界観を現代に蘇らせた静かな旅の物語。
「自分には才能がない」と思い悩む脚本家の孤独と再生を、三宅監督らしい繊細なタッチで描いている。
映画は90分構成で、前半が「海辺の叙景」(李さんの脚本で撮影した映画として劇中劇として描かれる)、後半が「ほんやら洞のべんさん」。
ロケ地は前半が伊豆諸島・神津島、後半が雪の山形・鶴岡と庄内地方。どちらも作品の雰囲気にぴったりであった。
前半の「海辺の叙景」では、渚(河合優実さん)と夏男(髙田万作さん)が登場。つげ作品らしい“影”と“間”を体現していて、特に展望台での夜景の会話シーンが美しい。
そして河合優実さん、高田万作さんの二人が、つげ作品の住人のように二人の雰囲気が作品にフィットしていた。
そして荒れ狂う海を泳ぐ夏央に向って渚が、「あなたすてきよ」「いい感じよ」というあの有名なセリフも再現されていた。
後半の「ほんやら洞のべんさん」は、打ちひしがれた脚本家・李(シム・ウンギョン)が、山奥のさびれた宿に泊まるエピソード。宿主のべん造(堤真一)とのやり取りはユーモアもあり、どこか人間くさい。
「宿を映画にしてくれたら客が来る」と提案するべん造に、「この宿に客が来ても対応できるのか?」と思わず笑ってしまった。
また、ウサギの“ぴょんちゃん”の名前の由来をめぐる会話も秀逸。
「なぜ子どもがいないのにそんな名前を?」という李の観察に、べん造が「もうええ、お前は人のことを勘繰るヤツだ」と返す場面も笑える。また、脚本家という職業の本質を見たような気がした。
そして、佐野史郎さんが演じる魚沼教授。原作にはないキャラクターだが、前半と後半をつなぐ“橋”のような存在で印象に残った。
令和の現代において、ここまでつげ義春の世界を丁寧に再現した作品は貴重だと思った。
前半の真夏と後半の真冬という季節の対比が、現実と非現実の境界をぼかし、観客を“つげワールド”へと誘う。
ただし、原作を知らずに観ると「何も起きない映画」と感じる人も多いはず。
でも、その“何も起きない時間”こそがつげ義春の真髄。
静けさの中にあるユーモアと、人間の哀しみを感じ取れる人にとって、本作は忘れがたい一本になると思われる。
ぜひ、原作漫画を読んでから映画を観ることをおすすめする。
以上
薄味
つげ義春の漫画2篇を原作にして、どう繋ぐのかと不思議に思っていましたが、アクロバティック!
まさか、主人公の韓国人脚本家が、1篇を映画化する、という作中映画でまず使い。
その出来を見て、「だめだ、私才能がない」と落ち込み、自分を見つめ直す旅に出てのエピソードそのものがもう1篇という。
作中映画は、「いかにダメで出来の悪い映画に見せるか」に注力し、ほんとに酷いんですが、その作品のヒロイン(主人公)が河合優実で、実に豪華な無駄遣いというか、意味なく出てくる水着シーンが、意味なくめちゃくちゃセクシーで大笑い。
そして、行き詰まって何も書けなくなった主人公に、旅に出たら?と唆す佐野史郎の大学教授の怪しさ。
旅先の旅館が満室で、古い古民家の宿に泊まることになるが、そこの主人・べん造のやる気のなさを演じる、堤真一の朴訥さ。
この二人のあまりの「つげキャラ」っぷりには爆笑。
ただ……映画として面白かったかと言われたら、かなり微妙。
うん、微妙。
油や塩は少ないのはいいが、七味をかけて刺激だけそこそこ、出汁の旨味やコクがない薄味な料理を食ったみたいで、物足りなさが残った。
肌で感じる、映画の中の退屈さに心留まる
ところどころのシーンにモヤっと……
つげ義春さん原作の漫画なので、舞台は昭和後半なのかなぁ、だとすると新島・神津・式根島などは空前のブームが訪れた時期に近いだろうけど、それにしては海辺(今回は神津島がロケ地)に賑わいが感じられず、先ずそこでモヤっと。
それに主役の脚本家(シム・ウンギョン)さんの鉛筆の握り方にモヤ、夏男がビーチで茶色の靴から履き替えた不ぞろいのビーサンとサンダルにモヤモヤ。
なかなかストーリーに集中できません。
それでも堤真一扮する宿の主人との絡みが始まるとジワリ、面白みが出てきました。
立ち寄った食堂のメニューに「おばこラーメン」とあったので東北地方(秋田でしょうか
)なのでしょう、朴訥な語り方が染みてきます。
まあ結局、人生って特筆すべきドラマは誰もが経験するものではなくて、小さな日々の積み重ねが各々の経験となり、その人を形成していくものなのでしょうね。
「ケイコ 目を澄ませて」とは異なる作風で、幅の広い監督さんだなぁ、なんて思いました。
つげ義春は良い
脚本家の作品世界と日常と、旅のちょっとした出来事に身を浸す心地よい時間。 シム・ウンギョンが自然体でリアルで、実にチャーミング。俳優然とした色が薄まった堤真一がちょうど良くていい。短いのが残念。
期待せず、どのような映画なのか
ある程度、細かいことは気にせずに観ました。直前に、爆弾を観たので、よりのんびりとした空間にいる感じでした😀
日々の日常での言葉等から解放される緩やかな時間(旅)も必要ってことなのかな。その旅でのちょっとした出来事で、少しでも前向きな気持ちでいつもの日々に戻ることが出来る。焦らなくて良いゆっくりで良い、そんなことを感じました😀
テンポが緩やかだったので、色々考えながら観れました。
河合優実さん、高田万作さんの前半も、シム・ウンギョンさん、堤真一さんの後半も良かった😎
たまには何も考えずふらっと旅をしたいなあと思った。ただ海をみるだけとか、ただ旅館に泊まって近くの景色を見るだけとか笑笑
こいにこいする
映画から遠いところに佇む映画
『ケイコ目を澄ませて』(2022)・『夜明けのすべて』(2024) と観る者を驚かせつつ強く揺さぶり続けた三宅唱監督の新作です。
本作で一番印象的だったのは「言葉から遠い所で佇んでいたい」「私は言葉の檻に居る」と語るシム・ウンギョンさんの言葉でした。でも、その思いを伝えるには言葉がなくてはならないという自家撞着に陥ってしまいます。それが上の言葉に続く「しかし、いつも言葉に捕まってしまう」という事なのでしょう。
そうだよなぁと思います。「意味」とか「解釈」「分析」の様な物に僕も疲れ切っていると感じます。でも、だからと言ってそれを表す「言葉」のない世界に行ったら不安で堪らなくなる事でしょう。
同じ様に三宅監督も、 感動・共感・主張といった映画がこれまで背負わされて来た物から遠い作品を撮りたかったのかもと感じました。でも、それを表すのは「映画から遠い所で佇む映画」が必要なのです。
本作は、観終えてから時間が経てば経つほど色んな思いがジワジワ滲み出て来ます。これぞ映画の最高の愉楽のひとときです。
そして本作には励ましの特別な言葉がある訳ではないのですが、観終えてから「さあ、明日もがんばるか」と、う~んと伸びをしたくなりました。
期待大きくて…追記
三宅唱監督、前2作が共に年間ベスト級にめちゃめちゃ良かったので期待値が上がりすぎてました。河合優実でつげ義春の「海辺の叙景」が映像化されたのはもちろん物凄く喜ばしいことなんだが、所詮劇中劇の位置付けで、これ、独立した短編として仕上げて欲しかったな。とにかくそれを囲む本筋側に乗り切れなかったので仕方がない。もしかしたらドルビーシネマ仕様かと思うほど暗い画面に、話す内容の高度さにマッチしないシムウンギョンの日本語(簡単な言い回しに変えても映画の質は落ちないよ。小栗旬のドラマに出てくるハンヒョジュが上手くて要求レベルが上がってます。)後半うとうとしてしまい、ミンティアが欠かせなかった。残念。
追記
マイナスの補足。「海辺の叙景」が4点なんだが入れ子構造にしてしまったことで後半の一要素として捉えるべき(李が出来ていないと思い込んでしまった要因)とするとそこすら2点に引きずられてしまうのだオイラの頭。
先ず言葉ありき
『つげ義春』の漫画、
〔海辺の叙景〕と〔ほんやら洞のべんさん〕の二作を
原作にしていると、エンドロールでクレジットされる。
〔海辺の叙景〕は劇中で上映される映画作品として使用。
『河合優実』演じる、車に乗っていた若い女性が
浜辺で若い男性に逢い親しく言葉を交わす。
嵐が迫る海の中を誘い合い泳ぐシーンは印象的。
二人の間は、言葉で埋め尽くされている。
件の映画の脚本を書いたのは主人公の『李(シム・ウンギョン)』。
大学での上映会後のティーチインで、
学生の質問に対し「自分には才能が無い」と吐露してしまう。
(おそらく)韓国人の彼女は、日本に来た当初は
何もかもが新鮮で刺激的だったハズ。
それが今は日常に埋もれてしまい。
もはや新たに言葉を紡ぎ出せないでいる。
『李』はあてどない旅に出る。
トンネルを抜けるとそこは雪国で、
夜の外が白くなる。
まさに『川端康成』が描いた情景。
彷徨った後に山奥の宿に辿り着き、
主人の『べん造(堤真一)』の厄介になる。
以降が〔ほんやら洞のべんさん〕での展開。
ここで『堤真一』がいい味を出している。
訥々とした語り口。
仙人のような暮らしぶりなのに、
それなりの世俗への欲はあり。
彼と幾日かを過ごすうちに、
次第に主人公の心は解れ開かれ、
書くべき言葉を取り戻す。
九十分ほどの小品はドラマチックな事件が起きるわけではない。
が、思わずくすりと笑いを漏らしてしまう会話が冴えている。
登場人物たちは皆良き人で、
醸し出す善意がじわじわと観る者の心に沁みて来る。
言葉と対峙していた主人公は、
やがて自家薬籠中のものとする。
とは言え、雪の積もった道を帰る彼女の足取りは、
けして軽やかでもまっすぐでもないのだが。
「第78回ロカルノ国際映画祭 インターナショナル・コンペティション部門」での
「金豹賞《グランプリ》」「ヤング審査員賞」受賞とポスターにも書かれている。
(身につまされる)書けないでいる脚本家
日本の原風景
主人公を助ける朴訥な宿の主人
体験を経ての再生
異国の審査員の琴線に触れる要素は、幾つも揃っている。
平昌じゃなくてピョンちゃん
良い意味で"無"
全204件中、121~140件目を表示
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