「私でも楽しめる良さ」旅と日々 パンダさんの映画レビュー(感想・評価)
私でも楽しめる良さ
冒頭のシークエンス。
硬質な文芸作品の空気感に「ついていけるか?」と不安になる。お目当ての河合優実は変わらず「この世の物ならぬ普通の子」で心を鷲掴みしてくるが、なんともインディーズな作風が私を弾き出そうとする(実はそこに意味があった)。
中盤から引き込まれる。
テーマはタイトルどおり。
韓国生まれの主人公は、東京での生活自体が旅であるが、思い立って雪国に向かい、そこで江戸時代の農家のような宿屋に滞在するはめになる。
堤真一が宿の主人を演じる。彼の日常と主人公の非日常が融合する、ここからが面白い。
こうした中規模な邦画らしく、日常に漂う「ユーモア」と「哀しみ」をほんのりと味わせてくれる。なぜ「 」を付けたかは見てのお楽しみ。
観賞後はなんとも瑞々しい気持ちで劇場を後にした。私のようなミーハーでも「今年のベストかな」と思える。もう一度見たい!
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