劇場公開日 2025年11月7日

「つげ義春を知らなくても、不思議な力に引き込まれてしまう。」旅と日々 お茶と同情さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 つげ義春を知らなくても、不思議な力に引き込まれてしまう。

2025年12月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

知的

つげ義春の「旅」や「喪失」の世界を知らないと、少し置いていかれる感じもあるけれど、それでも映像の不思議な力で最後まで引き込まれてしまう作品でした。

旅の映画というより、海に沈んだ人が海藻に絡め取られていくような、ちょっと怖くて、でも自然の流れとして妙に納得してしまう感覚が強く残ります。

環境が変われば姿も変えて増えていく――そんな自然の摂理を、静かに見せつけられたような印象です。

プロローグで、ハングル文字を鉛筆で書く手つきに「なるほど、こう持つのか」と妙に感心してしまったり、そんな細部の面白さも含めて、じわじわと後を引く映画でした。

Ezu お茶と同情