「海と雪の地を90分で巡れる幸せ」旅と日々 たあちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
海と雪の地を90分で巡れる幸せ
各方面から評価の高い三宅唱監督の作品を初めて観た。私にとってはウェス・アンダーソンと同様キネ旬で特集されていなければおそらくスルーしていたであろう、つげ義春の旅漫画2本をつなぎ合わせて構成したかなり地味で小さな映画である。夏の離れ島と冬の豪雪地帯というそれだけで絵になる舞台設定に都会で疲れた女とスランプ韓国人脚本家が旅をしてその地で出会った人と数日関わり行動を共にし会話をするちょっとしたエピソードだけで大したドラマもない男女間の期待もあんみつを食べるだけというこんな脚本を自ら書いてロカルノ国際映画祭で最高賞を獲る映画に作り上げる三宅監督はやはりただものではないのだろう。シム・ウンギョンも堤真一も河合優実もたしかに良くてこの魅力的なロケーションに放り込み彼らがしゃべり動くだけで十分映画足りうるというべん造が言う通り「幸せな気分さなる話はどうだ?」の答えがこれなのであった。
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