「言葉ではなく」旅と日々 まーるさんの映画レビュー(感想・評価)
言葉ではなく
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主人公の李は悩める韓国人脚本家。
脚本を書いている。
海に不釣合いな青年とどこか影のある女性が海辺で出会う。河合優実が出てくるとどこか不安気で何か破綻のではないか?という緊迫感が出るのですね。
それが李が「海辺の叙情」をベースに脚本を書いた劇中劇であることを後から知らされます。
「気晴らしに旅でも出たらどうか」という助言にしたがい旅に出る李。
そこは闇山深い雪に埋もれそうな一軒家の宿。
その中年の宿主とのストーブもなく、息も白くなるような不便さながらもユーモラスなやりとり。鯉を盗むのはちょっと不謹慎ながらも笑ってしまった。
李は口数も多くなり「やけにベラベラ喋るなと」ツッコミを受けるほど活気に創作意欲を取り戻していく。
海は楽し居場所ではなく、荒々しい岩肌や土左衛門上がった話などどこか死の匂いが漂っている。その土左衛門の話に対して「それは怖い話じゃなくて、悲しい話だね」と言った河合優実の言葉が印象的。
冬の雪山は鎮まるというか何か人の心を洗ってくれる様な佇まいがある。
「夜明けのすべて」で社会性のある映画を作った三宅唱監督ではありますが、一転、大自然に畏怖を覚える様なプリミティブな映像体験で魅せてくれる、そんな映画になったなと思わされました。
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