「この映画のよさを表現できず、自分の文才のなさに絶望する」旅と日々 よしてさんの映画レビュー(感想・評価)
この映画のよさを表現できず、自分の文才のなさに絶望する
何と居心地よい映画だろう。
第一部というべき、海に関する物語は、ストーリーらしきものは十分に描かれないまま、唐突に終了する。ここで圧倒的なのは、河合優実さんの存在感だ。その後、幕間と言うべき、現実パートを挟み、舞台は冬の雪山へ移る。
ここからの第二部が最高である。
シムウンギョンさんと堤真一さんの何気ない素朴なやり取りがシアター内の笑いを誘い、事件は大ごとになることなく、穏やかに終わりを見せ、一つの旅路の終焉を見せる。
「ケイコ目を澄ませて」は岸井ゆきのさん目当てで見たものの、静寂の中で息づく情念のようなものに心を打たれました。
「夜明けのすべて」はウェルメイドなつくりになりながらも、他の映画では絶対に見られない柔らかな空気感と関係性が描かれております。
三作目はシュールで実験的でありながらも、独特とテンポ間と空気感、そしてユーモアさにあふれている居心地のいい映画でした。
三作とも全然違う作風ながら、三宅唱さんという監督らしさを明確に感じられるものです。
過去作も見返したいし、本作も何回か足を運びたい。
そして、次回作も楽しみにしています。
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