劇場公開日 2025年11月7日

「五感を刺激される三宅ワールド」旅と日々 prishouさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5 五感を刺激される三宅ワールド

2025年11月7日
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鑑賞方法:映画館

幸せ

風の音、波の匂い、雨のしぶき、深雪の静けさ。

映画に限らず、絵画にしろ音楽にしろ、優れた芸術作品というのは、その表現方法如何を問わず、五感を刺激するものなのかもしれない。
三宅唱監督は、映画の中で五感を刺激することのできる稀有な作家だ。
私たちは、その映像世界に気持ち良く身を委ねることができる。
それが、『旅と日々』がロカルノ国際映画祭で「日本映画の最高峰」と評された所以なのだろうと思う。

シン・ウンギョンと河合優美は、本作でも感嘆する演技を見せてくれる。ちょっとした仕草や視線、台詞の間、そんな表現により、作品に引きずり込まれる。

つげ義春の世界観を表現することは、本当に難しいことだと思う。漫画だからこその描かれ方を、映画という別の媒体で表現し直すという難しさ。
三宅監督がつげ義春を描くと聞き、なるほど良い映画になりそうだな、とは思っていたけれど、本当に期待どおりだった。いや、期待以上に、新しい三宅作品を観ることができて、多幸感でいっぱいだ。感謝したい。

prishou
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