劇場公開日 2025年11月7日

旅と日々のレビュー・感想・評価

全199件中、1~20件目を表示

3.0言葉の向こう側にあるもの

2025年11月15日
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鑑賞方法:映画館

脚本家の主人公が、言葉で表現することの限界を感じ、自分には才能が無いと自信喪失するまでの、夏の海パート。

亡くなった恩師からもらったカメラをきっかけに旅に出て、言葉の向こうにある美しさや豊かさを知り、その力を信じることができたことで心を再生させていく、冬の旅パート。

自然の音と美しい景色、人との交流、その時の表情が、言葉に頼らなくても雄弁に語りかけてくると気付いた時、主人公は言葉だけの力で何かを作ったり、組み立てたりするのではなく、ありのままを見せることで伝わることがあると知ることができた。

この作品は、同じ気付きを主人公を通して、私たちにも気付かせてくれる作品になっているのが、観る側のコンディションによっては、退屈でつまらないと感じてしまうかもしれない。

ストーリーを楽しむというより、繊細な物語の奥にあるメッセージを受け取り、こちら側から汲み取ろうとする気持ちで観る作品だと思った。

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AZU

3.5言葉を離れて、旅せよ人よ

2025年11月9日
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鑑賞方法:映画館
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ニコ

4.5旅や人生の本質をとらえた宝物のような映画

2025年11月27日
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鑑賞方法:試写会

率直に思った。なんと豊かで、自由で、私たちを普段とは違う思考の場にいざなってくれる作品なのかと。小難しいことなど何もない。しかし構造は驚きに満ち、無駄がなく研ぎ澄まされている。つげ義春の原作をベースにこれほど奥深い旅の本質に触れられるとは。旅、それはもしかすると「人生」とも言い換え可能なものかもしれない。加えて、シム・ウンギョンという人はどうしてこれほど面白いのだろう。彼女が物思いに耽るたび、熟考の末に脚本を書き出すたびに我々の心は静かにふるえる。そして、何気ない表情とセリフを通じてこの脚本家とにわかに重なっていく。まるで私たち、脚本家、彼女の劇中劇という3つの世界が並存して繋がっているかのよう。言葉から遠く離れてもすぐに追いつかれる世の中で、私たちはそれを振り切るように旅を続け、その果てに各々にとっての秘密の場所を見つける。あの入江や雪国の宿のように、私にとってこの映画こそがその場所だ。

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牛津厚信

3.5劇中劇の方が印象に残る

2025年11月29日
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鑑賞方法:映画館

脚本家の話だが、
その主人公が書いた脚本の映画が前半を占める。
その主役は、映画界ではフテほどよりも以前から注目されていた河合優実さん。
このパートは『夏』の話である。
行き詰まり感のある夏独特の気怠さが何とも言えないいい味わいである。
雨もいかにもである。

一方、本編は『冬』の話をコミカルに描く。
シム•ウンギョンさんは『サニー』の頃から好きな俳優さんだが、
今回は夏パートのアンニュイな感じが好き。

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重村牧男

3.0靴下の穴

2025年11月29日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

幸せ

とある脚本家の日常のストーリー

とてつもない大きな出来事はなく

淡々とつづく映画

宿を取らず旅する脚本家
インバウンドでなかなか宿に泊まれず
最終的に
雪深い山奥の古民家な宿に泊まる

東北訛りの堤真一のおじさん役が面白い

二人が寝転んで会話するシーン好き

映画の中の台風直撃の海のシーンは
本当に大変そうでした

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アプソ

4.0言葉ではなく

2025年11月29日
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鑑賞方法:映画館

笑える

知的

癒される

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まーる

3.0こういう映画をもっとみたい

2025年11月29日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

癒される

この作品のシム・ウンギョンさんもよかったです。私は「新聞記者」ではまりましたが、堤真一さんのボロ宿で、シム・ウンギョンさんが暇そうに寝っ転がって話すシーンなんかは最高でした。画面サイズがスタンダードなのは、この映画の雰囲気に合っているように感じましたが(特に海や山の自然描写など)、私のような昔の人には違和感はないのですが、若い人は映画館でこのサイズの画面を見るのは違和感があるのではないかと気になりました。あと、河合優実さんの水着姿を見れたのももうけものでした。

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ならの月

2.5演者は良いのに…

2025年11月28日
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難しい

原作なのか、脚本なのか、わからないが、ストーリーがイマイチ過ぎて、面白くない。
せっかく、良い演者を起用しているのに、もったいないと感じた。残念…。

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一風♪

4.0以前にもオムニバスがあったつげ義春作品

2025年11月27日
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鑑賞方法:映画館

 つげ義春自身は自分では陸軍の軍帽を被った少年が出て来る以外は戦争を連想させる事は作品に描いていないのに、それを元に戦時下の話になったのが気に入らなかったらしい昭和51年にNHKで放送した「紅い花」のようなオムニバス作品。河合優実が出演するので見に行ったが脚本家兼2部のヒロインを演じたシム・ウンギョンが脚本を書いて大学の授業で学生相手に見せた劇中劇の演者だった。「紅い花」と違って原作を読んでいないので「紅い花」のように原作を大いにいじっているのかどうかは分からない。河合優実の役名が渚なので「ふてほど」で仲里依紗の役名と同じなので変な感じ。「かぞかぞ」のようなコミカルな演技も当方にとって河合優実という演者の名前こそ覚えなかったが強烈な印象を残した「神の子はつぶやく」のような母親にカルト教団の教義を叩き込まれたが父親の死をきっかけに家出してキャバ嬢を経てSMクラブで緊縛師に縄で縛られる(河合優実の腕に縄の跡があったので本当に縄で縛られていたのが分かる)までに至る演技も出来る人が淡々とした演技も出来るのが気に入った。シム・ウンギョンを見たのは4年前の「群青領域」だけだがエンディングロールを見るまで堤真一とは分からなかった田舎の古びた宿屋の主人との実質的に2人だけの演技もなかなかなものだ。ただし冬の温泉宿で2人が温泉宿の元妻の家にある鯉の養魚場から一匹盗むシーンで、あんな雪が積もったところなら水を入れた桶に鯉を入れたら凍ってしまうのに気が付かなかったところがイマイチ。

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大阪マフ

3.5旅をするのっていいよなぁって思った。

2025年11月27日
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楽しい

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ツネ

4.0河合優実さんのファンだったけど

2025年11月26日
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いい映画だった。ユーモアもあり謎もあり、
例えるならメジャーリーガーやスタジアムロックアーティストのような堤真一さんがこんなに深みのある役者さんだったなんて嬉しすぎます。警察と一緒に去る場面言葉は発さないけどの演技、印象に残りました。今年ベスト。河合優実さんのファンとして見たけど俳優陣全ての人が素晴らしかった

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ヨッシー

3.0「私は言葉に捉われている。 言葉から離れるのが旅かもしれない。」

2025年11月26日
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「私は言葉に捉われている。
言葉から離れるのが旅かもしれない。」

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koyas

5.0日本映画史上最高傑作

2025年11月26日
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僕は日本映画の中でいちばんお気に入りの監督は清水宏なのだが、今作は清水宏的なものを強く感じた
闊達で快活でユーモアがある。美しいという言葉の持つ堅さも、艶かしいという言葉が持つ冷たさもない。
幽かにかおる夢幻が現実と溶け合う様子がひたすらに心地よい。
しかし、多くの人が言及してるように今作は小津のように徹底された物の配置がなされており、如何に最近腑抜けた映像ばかり観ていたかを思い知らされる。
今作は本物だ。本物の映画だ。小津安二郎、清水宏のような本物の映画だ。

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悠

4.0言葉探しの旅

2025年11月25日
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知的

癒される

言葉についての映画なのだが、劇中の言葉としての物語はほぼ無いといっていい。
前半の夏の海で若い男女(高田万作、河合優美)が出会うパートは日本で仕事をする韓国人の脚本家、李(シム・ウンギョン)が脚本を描いた劇中劇。後半は脚本家の李が冬の雪国を旅するパートの2部構成となっている。
どちらの旅もセリフは少なく物語性はほぼ無く、海、風、嵐、一面の銀世界、しんしんと降る雪、鄙びた宿、偶然の出会いといった旅の情景や体験が淡々と描かれる。つげ義春の漫画が原作で、夏は「海辺の叙景」冬は「ほんやら洞のべんさん」を元にしている。そもそもつげの漫画も劇的な展開が希薄なので、原作通りといってもいい。
旅とは日常(日々)からの解放で、言葉からの解放でもあるのではないか。旅の本質とは体験であり出会いであり、醍醐味は想定外のアクシデントだ。思い出して欲しい、友人に旅の話をする時、話したくなるのは決まってアクシデントの話だ。
映画でも夏の海に行ったのに台風に遭遇してしまったり、大雪の中どこも宿が空いていなかったり、泊まれたのはとんでもない鄙びた宿でとんでもなくおかしな主人だったりとアクシデントの連続で、これこそ旅だ。
主人公の李は夏の海の映画上映会のあとのインタビューで「自分の才能に自信を持てていない」という。三宅唱監督が脚本家を韓国人にしたのは外国人からの目線で日本語という形ではなく言葉の本質を見つめるためではないか。李は自信のない言葉の本質を見つけるために旅に出る。
体験に基づかない言葉は薄っぺらい。今、日常は表層的な言葉に溢れている。そうした言葉から解放される旅に出たい。そういう感情が湧き立てられる映画だ。

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kozuka

2.0入っていけずでした。

2025年11月25日
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前半から映画の中に入っていけずにウトウト。後半はさらにリアリティがないことに馴染めずで入っていけなかった。

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khapphom

5.0温かさと寂しさと癒やしをもたらす美しき名画

2025年11月24日
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かなり評判が良くないから、恐る恐る劇場に来た。三宅監督の前二作は大好きだが、今回は眠くなるのを覚悟して観た。
見終わって、こんなに美しい映画をかつて見たことがあったろうか、と思った。最近なら自分の中では「コット、はじまりの夏」以来かな。単なる映像美というのでなく、余計なものが一切削ぎ落とされて、ピュアそのもの。心の芯のようなところに入り込んでくる作品。人の心に寄り添うことをひたすら追求した映画で、その純度が高いから、究極の美しさを感じたのだと思う。優しくて、あったかくて、そして孤独だった。さらに、夏の海と冬の銀世界が対比されていて、それも美しさを際立たせていた。すごく気に入った。温かさと寂しさで、心の中が一杯になった。最後の方は、心が満たされて脚本を書き始めた主人公にぼくの心が乗り移ったようで、ポロポロと泣いた。癒されたと感じた。
パンフレットを買ったけれどまだもの足りず、劇場内のポスターをスマホのカメラで撮ったが、まだ足りない。もっとこの映画と繋がっていたい、と思いながら劇場を出た。
自分はつげ義春のことは何も知らず、この映画が原作に近いのか遠いのかは分からないけれど、監督は、自分が表現したいものが、この原作を通すことで表現し易くなる、或いはこの原作の世界が土台若しくは下地にあれば、その上に自在に自分が描きたいものを描ける、そう思いながら作ったのではないか。その位、監督の感覚と原作の相性の良さを感じた。
シム・ウンギョンの演技が、悩める脚本家という設定にピシャリとハマり、彼女が生み出したドラマの中のキャラクターが河合優実というのも、どことなく主人公と遠からずの雰囲気で、自然に受容できた。たった一人、俳優としての器用なテクニックを求められた堤真一は、その技術でぼくらを完璧にあの雪深い世界へ連れて行ってくれた。
三宅監督がリアルさを追求すると「ケイコ、目を澄ませて」のように、ストイックで誠意の塊のようなド直球のドキュメンタリー風にもなるし、「旅と日々」のように、ちょっとぼんやりとして、孤独とユーモアに満ちたファンタジー風にもなる。そして、各映画祭での実績が物語るとおり、両作品ともに、エンターテインメントとしても一級品である。その力量や懐の深さに感服するとともに、こんなに気持ちを癒やしてもらい、心から感謝している。
最後に、今をときめく河合優実さんの水着姿(彼女は着やせするのですね!)という意外なプレゼントも用意されていて、もう、何から何まで文句のつけようがない名画だった。

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コウチャン

2.5フィールグッド映画

2025年11月24日
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三宅唱がこんなフィールグッド映画を撮るのは意外。良い雰囲気を映画にしようという試みはここ15年ぐらい静かに勃興してると思う。皮肉な言い方に丁寧な暮らしジャンルもあるので、なんだかなーと思ってしまう。そりゃ三宅唱ならこんぐらい撮れちゃうでしょという気もする。そりゃシム・ウンギョンがトボトボ歩いてるの可愛いけどさ。何気なさを描く良さみたいなのは流石に飽和して、私は飽きてしまった。この手の映画の中では「石がある」があまりにエッジーな魅力があるので、あれと比べてしまうとこんなもんかと思ってしまう。日本の映画監督はホン・サンスになるべく影響を受けないでほしい。小さな居心地の良さを描くのももういいよと思う。

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タカシ

3.5真っ白な雪を踏みしめて、心も白く。

2025年11月24日
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自分の脚本に自信を失くしてしまった女性の「言葉の檻に閉じ込められている」という言葉。胸に刺さった。ぼくは映画の感想を書いたり、感情を文字に起こしたりするのが好きだ。こういったことを生業としているわけではないけれど、書きたいことはこういうことじゃなくて…もっと深い部分に感情があって…ああ、言葉にできない…もっと上手く表現できたらいいのに…と苦しむことがある。

言葉の檻から出してくれたのは山奥に住むおじいさんだった。おじいさんは一人ぼっちの檻にいるみたいだった。何があったのか真相は分からないけれど、どうにもならないことで大切な存在を失ってしまって、その想い出の欠片と、日々を飽き飽きしながら過ごしているように見えた。もう何も残ってないおじいさんはある意味自由。そんな日々に触れ、脚本家の言葉の檻の鍵は開いたようだ。真っ白に降り積もった雪のなかを一歩一歩しっかりと踏みしめながら、駅へ向かう描写から前向きな気持ちをもらえた。心も真っ白く綺麗になった。

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羊

4.5いまをときめく河合優実をこう使うか、と思った作品

2025年11月24日
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笑える

幸せ

癒される

強い日差しが照りつける夏の海。海岸でぼんやりと過ごしていた夏男はどこか陰のある女・渚に出会う。何を語るでもなく、なんとなく島を散策する二人。翌日、浜辺で顔を合わせた二人は、台風が近づくなか雨に打たれながら、波打つ海で泳ぐのだった......。

海で出会った二人の姿が、大学の講義室のスクリーンに映し出されている。つげ義春の漫画「海辺の叙景」を原作に脚本家の李が脚本を書いた映画を、授業の一環で上映していたのだった。上映後、李は学生から映画の感想を問われ、「私には才能がないな、と思いました」と答える。講義を終えた廊下で、李は魚沼教授と立ち話をする。浮かない顔の李に「気晴らしに旅行にでも行くといいですよ」と飄々とした口調で声をかける教授。ほどなく、魚沼教授が急逝したという知らせが届く。李は弔問のため、教授の弟の家を訪れる。あっけない最期に戸惑う李に、弟は教授の形見のフィルムカメラを半ば押しつけるように手渡す。

長いトンネルを抜けると、そこには一面の銀世界が広がっていた。無計画のまま降り立った町で、宿も見つけられずにさまよううち、李はひとつの古びた宿にたどり着く。屋根には雪が積もり、今にも崩れそうなその宿を営むのは、ものぐさな主人・べん造。暖房もなく、まともな食事も出ず、布団すら自分で敷かなければならない。ある夜、べん造は「錦鯉のいる池を見に行くか」と李を夜の雪の原へと連れ出すのだった......(公式サイトより)。

いつもの海が、景色が、夕日が、みつ豆が、河合優実によって官能的で抒情的で、儚くて、死を思わせるほどに危うく、美しくなる。他方で、東京から電車で行き着いた雪深い里山は、堤真一や宿とは言えない宿の存在によって、衛生的に不安な台所で調理されたご飯を食べ、普通に喋っているだけで吐息が白くなる寒い部屋で過ごし、湿っぽく黴臭そうな布団に包まり、猛烈ないびきの宿主と唐突に錦鯉の池に雪を踏みしめて出かける日々が、よく分からないうちに顕現する。

どちらも旅がもたらす異化であるが、李は、脚本を書いた前者作品を観て「自分には才能がない」と項垂れる一方で、後者の日々を体験した後には創作意欲を取り戻す。一見すると対比的なアプローチだが、実は「日々の脈絡のなさ」という意味では両者ともに同じという意味において、とても愛おしく、またユーモラスな作品である。

主演のシム・ウンギョンがとても良い。アーティスティックな日本映画の脚本を手掛けるくらい日本語は流暢であるが、やはり韓国人であり、彼女がいることで、前者も後者も、異化が何段階も深くなる。要所に韓国語のナレーションが入る演出も良いし、脈拍のない里山と癖あり宿主の日々を、いったん受け入れてみるというキャラクター設定も魅力的であった。あと、いまをときめく河合優実をこう使うか、と思った作品でもある。

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えすけん

3.0オムニバスでない並べ方。

2025年11月23日
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支持。
季語の異なる二篇を
オムニバス並列でなく立体に置いた。
Wの悲劇、と言うか。
だから二篇の手触りがより強い。
言葉の説明がもう少し欲しい前篇と、
これ以上の言葉は不要の後篇。
鯉、鱒、煙草、カメラで死を漂わす
旬の三宅唱のキレの良さ。
年ベスには入れたい。

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きねまっきい
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