劇場公開日 2025年11月7日

旅と日々のレビュー・感想・評価

全223件中、1~20件目を表示

3.0言葉の向こう側にあるもの

2025年11月15日
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鑑賞方法:映画館

脚本家の主人公が、言葉で表現することの限界を感じ、自分には才能が無いと自信喪失するまでの、夏の海パート。

亡くなった恩師からもらったカメラをきっかけに旅に出て、言葉の向こうにある美しさや豊かさを知り、その力を信じることができたことで心を再生させていく、冬の旅パート。

自然の音と美しい景色、人との交流、その時の表情が、言葉に頼らなくても雄弁に語りかけてくると気付いた時、主人公は言葉だけの力で何かを作ったり、組み立てたりするのではなく、ありのままを見せることで伝わることがあると知ることができた。

この作品は、同じ気付きを主人公を通して、私たちにも気付かせてくれる作品になっているのが、観る側のコンディションによっては、退屈でつまらないと感じてしまうかもしれない。

ストーリーを楽しむというより、繊細な物語の奥にあるメッセージを受け取り、こちら側から汲み取ろうとする気持ちで観る作品だと思った。

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AZU

3.5言葉を離れて、旅せよ人よ

2025年11月9日
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鑑賞方法:映画館
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ニコ

4.0ガンギマリした画の迫力と奥行き

2025年11月30日
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村山章

4.5旅や人生の本質をとらえた宝物のような映画

2025年11月27日
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鑑賞方法:試写会

率直に思った。なんと豊かで、自由で、私たちを普段とは違う思考の場にいざなってくれる作品なのかと。小難しいことなど何もない。しかし構造は驚きに満ち、無駄がなく研ぎ澄まされている。つげ義春の原作をベースにこれほど奥深い旅の本質に触れられるとは。旅、それはもしかすると「人生」とも言い換え可能なものかもしれない。加えて、シム・ウンギョンという人はどうしてこれほど面白いのだろう。彼女が物思いに耽るたび、熟考の末に脚本を書き出すたびに我々の心は静かにふるえる。そして、何気ない表情とセリフを通じてこの脚本家とにわかに重なっていく。まるで私たち、脚本家、彼女の劇中劇という3つの世界が並存して繋がっているかのよう。言葉から遠く離れてもすぐに追いつかれる世の中で、私たちはそれを振り切るように旅を続け、その果てに各々にとっての秘密の場所を見つける。あの入江や雪国の宿のように、私にとってこの映画こそがその場所だ。

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牛津厚信

4.0旅は染みるね

2025年12月19日
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鑑賞方法:映画館

「言葉とは遠いところに身をおきたい。」
この映画の本質はこのセリフにとどめをさす。何でも言語化して、意味を持たせてしまいがちな日々の営みの中で、あてのない旅が見せてくれるもの。
そこに人生の本質があるのかもしれない。南の島と冬の豪雪地帯。つげ義春の世界の映像化にとどまらず、映画の魅力に溢れている。昨今珍しい4対3比率の画面が一役買っている。それにしてもシム・ウンギョン、いいな。しんしんと降る雪のように染みてくる存在感だ。

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どーも

5.0私でも楽しめる良さ

2025年12月17日
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笑える

幸せ

癒される

冒頭のシークエンス。
硬質な文芸作品の空気感に「ついていけるか?」と不安になる。お目当ての河合優実は変わらず「この世の物ならぬ普通の子」で心を鷲掴みしてくるが、なんともインディーズな作風が私を弾き出そうとする(実はそこに意味があった)。

中盤から引き込まれる。
テーマはタイトルどおり。
韓国生まれの主人公は、東京での生活自体が旅であるが、思い立って雪国に向かい、そこで江戸時代の農家のような宿屋に滞在するはめになる。

堤真一が宿の主人を演じる。彼の日常と主人公の非日常が融合する、ここからが面白い。

こうした中規模な邦画らしく、日常に漂う「ユーモア」と「哀しみ」をほんのりと味わせてくれる。なぜ「 」を付けたかは見てのお楽しみ。

観賞後はなんとも瑞々しい気持ちで劇場を後にした。私のようなミーハーでも「今年のベストかな」と思える。もう一度見たい!

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パンダ

5.0何度でも見たくなる映画

2025年12月11日
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鑑賞方法:映画館

余白の多い見ててとても気持ちいい映画。特別すごいことが起こってる訳でもないのに物語に入り込んでしまう魅力。少ないセリフに込められた感情。それを演技する役者陣の素晴らしさ。文句のつけ所がない良い映画。2回映画館で観たが本当はもっと見たい。度の良さ、日々の暮らしの良さ。自分にとって大切なもの。人生の豊かさ。人それぞれが感じる楽しいという感情。好きとは?とても素晴らしい映画でした✨

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映画大好き神谷さん

3.5つげ義春を知らなくても、不思議な力に引き込まれてしまう。

2025年12月8日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

知的

つげ義春の「旅」や「喪失」の世界を知らないと、少し置いていかれる感じもあるけれど、それでも映像の不思議な力で最後まで引き込まれてしまう作品でした。

旅の映画というより、海に沈んだ人が海藻に絡め取られていくような、ちょっと怖くて、でも自然の流れとして妙に納得してしまう感覚が強く残ります。

環境が変われば姿も変えて増えていく――そんな自然の摂理を、静かに見せつけられたような印象です。

プロローグで、ハングル文字を鉛筆で書く手つきに「なるほど、こう持つのか」と妙に感心してしまったり、そんな細部の面白さも含めて、じわじわと後を引く映画でした。

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Ezu お茶と同情

4.0雪国は大変です

2025年12月7日
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鑑賞方法:映画館

他の方のレビュー等を見てはじめて堤真一さんが宿の主人だったか!!と気づきました、あー恥ずかしい、、聞いたことある声だなぁと思って観てましたが。つげ義春にも詳しくないので色々わからず観てたのかもですが一人旅に出る気持ちには共感します。

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ささき

3.5海と雪の地を90分で巡れる幸せ

2025年12月7日
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鑑賞方法:映画館

単純

幸せ

各方面から評価の高い三宅唱監督の作品を初めて観た。私にとってはウェス・アンダーソンと同様キネ旬で特集されていなければおそらくスルーしていたであろう、つげ義春の旅漫画2本をつなぎ合わせて構成したかなり地味で小さな映画である。夏の離れ島と冬の豪雪地帯というそれだけで絵になる舞台設定に都会で疲れた女とスランプ韓国人脚本家が旅をしてその地で出会った人と数日関わり行動を共にし会話をするちょっとしたエピソードだけで大したドラマもない男女間の期待もあんみつを食べるだけというこんな脚本を自ら書いてロカルノ国際映画祭で最高賞を獲る映画に作り上げる三宅監督はやはりただものではないのだろう。シム・ウンギョンも堤真一も河合優実もたしかに良くてこの魅力的なロケーションに放り込み彼らがしゃべり動くだけで十分映画足りうるというべん造が言う通り「幸せな気分さなる話はどうだ?」の答えがこれなのであった。

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たあちゃん

4.0大切なのは「眼差し方」を変えてみること

2025年12月6日
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「言語化」とか、「わかる」ということに関わる思考を、とても刺激される映画だった。

自分はこれまで「自分が感じ取ったモノ」には、「自分の中を掘り返して、ピッタリとした言葉をあてていかないと、その感じとったモノ自体がいつの間にか流れていってしまう」とずっと思ってきた。(レビューを記しているのも、そうした理由による)
ただし、「ピッタリした言葉」をあてられることなんてほとんどないので、本当は「言葉をあてようとする意識をもつこと」「言葉を探し続けること」が大事だと思ってきた。

だが、今作で李は「言葉に囚われている」とか、「日常とは、周囲のモノや感情に名前を与え慣れ合うこと」と言って、「言葉から遠いところに身を置きたい」とまで言う。

彼女が使っている「言葉」とは、なんだろう。自分が考えている「言葉」とは違うのだろうかと思いながら観ていた時、ある場面で、一つの答えが見つかった思いがした。
それは、彼女が旅に出ることを決める、走ってくる電車に向かって、アパートの中からカメラのシャッターを切るシーンだ。

李の表情を変えたのは、魚沼教授のカメラのファインダー越しに視た風景。つまり、物理的に「眼差し方」が変わるという体験だった。

「言葉」とは、つまり「眼差し方」なのだと思う。「旅」をしていても、日常の「日々」を過ごしていても。

「自分の中に、いつの間にか染み付いてきたモノの見方・考え方から遠いところに身を置きたい」というのが、彼女の姿を借りた三宅監督の願いだったのかもしれない。

今作は、つげ義春の2編が原作になっているとのこと。確かに、その味わいを感じるが、ちゃんと三宅監督らしい映画にもなっている。

自分は、「(映画は)ユーモアがあるものを見たい。ただし、いい映画は、人間の哀しさが描けているかどうか」というセリフを、とぼけた風情の堤真一に言わせたところが面白かった。

ちゃんと、ユーモアがあって、人間の哀しさが描けている映画でした。

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sow_miya

3.0らしくない

2025年12月4日
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つげ義春は大好物なのでワクワクして劇場に赴いたが、自分にはつげ義春らしさが伝わらなかった。

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hanataro2

3.5こんな宿はいやだ 笑

2025年12月3日
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かばこ

3.0私にはピント来なかった。

2025年12月3日
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夏と冬のシーンが出てくるが、それは別々の話。海と冬山の世界のなかでほぼ二人の男女の会話。多くの方が絶賛された注目の映画。
私は旅で偶然出会った人とこのような話はしたことがないので、どうも中に入り込めなかった。

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MJoe

2.0どうしましょう。。。

2025年12月3日
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始まって早々、睡魔に襲われました。我に返って話に乗り遅れていたのはそのせいかと思いました。

でも後半、シム・ウンギョン、堤真一の登場後。やはり乗り遅れたまま、映画が終わりました。

よほど自分の感性が足りないのか、はたまた、、、

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のらり

3.0かっちりとした画づくりが印象的

2025年12月2日
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都会のアパートの一室で、考えをめぐらしていた主人公が鉛筆で1行書く。するとそれが映像になり、後から1本の映画になっていることがわかる入れ子構造。つげ義春の2つの漫画作品を原作にしているが、主人公を脚本家にして、前半の創作パートと、後半の実体験パートをつなぐ構成が秀逸。
その中で印象的なのは、丁寧でかっちりとした画づくり。トンネルを抜けた海岸、夕闇の中の二人の長回し、雪原を横切る二人のロングなどなど。スタンダードサイズのせいもあって、50年代のクラシカルな雰囲気も感じた。
しかし、前半と後半をつなぐのに「脚本の才能がない」と言わせるのは、それまでの映像を自己否定しているようで、どうもピンと来ない。映像の力に比べて、脚本は無力に感じたということか。「言葉にとらわれている」という独白も、その後の旅の体験につなげるためのセリフにとどまっている感じ。言葉と映像をめぐる物語になるのかと思ったが、タイトルどおり素直に、人生と旅についての作品と受け止めればいいのだろう。
シム・ウンギョンのたどたどしい感じは、起用した狙いどおりなのだろう。河合優実のほのかで妖しげな色気、堤真一の山親爺ぶりが良かった。
後味は良いが、物足りなさも残ったのは、三宅唱監督の新作という期待の高さがあったためか。

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山の手ロック

3.5何かに囚われる不安な人々を描くつげ義春の世界

2025年12月2日
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夏の海の場面から始まる。若い男女が出会い、訥々と言葉を交わしてその交流が近づく。言葉が失速したりすれ違ったり、繊細な交流を河合優実と髙田万作が見事なタッチで演じている。やがて夏は不穏な空気と共にバランスを崩し、それは映画の一片であることが明かされる。上映が終わりシム・ウンギョン演じる脚本家の李は、質疑に応じて「私には才能がない」と溢した。なるほどこれは、「言葉といかに向き合って人は生きることを前に進めていくのか」と言う映画なのだと分かる。それに、つげ義春だし。李は「旅でもしてみれば」と勧められ、場面は一転して大雪の冬の田舎に変わる。ここにマタギのような人里離れて暮らすべん造という男が登場する。かなりステレオタイプに作られていたので最初はこの章も映画の一片か、李の思索の一部かと思ったが、何と現実であった。謂わば“言葉を探す旅に出た”李ににべもなく立ちはだかったのは、言葉を拒絶するただただ人当たりの悪い男だった。言葉探しに静かに奮闘する李を演じるシム・ウンギョンの健気で真摯な姿に大きな共感を覚えるが、彼女の旅はあえなく頓挫してしまう。作中の夏の映画の場面が余りにも繊細に言葉と対峙して心を掴まれてしまったので、冬の場面は梯子を外された感が強い。でもこれもまたつげ義春かとも思う。もしこのべん造という男を言葉にガッツリと向き合う俳優が演じていたならどうなっていただろうか…。柄本明さん…松重豊さん…年齢は関係ない、黒崎皇代くん。

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flushingmainst

2.5自信のない脚本家の女性の創作世界と現実の旅。 創作の世界は息苦しか...

2025年12月1日
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自信のない脚本家の女性の創作世界と現実の旅。
創作の世界は息苦しかった。現実の世界は美しかった。
つげの世界は嫌いじゃないなと思いながら観ていたのに、後半寝てしまった…どのくらい寝たのか、ちょっとだけなのか、がっつりなのか…

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邦画好き

5.0正直、もっと優実ちゃんが出ていると思った。

2025年12月1日
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笑える

幸せ

癒される

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すけちゃん

4.0つげ義春の漫画の映画化。なかなか尖った映画。で、ちょっと癒し系で、人生を温かく見つめるような映画。

2025年12月1日
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笑える

癒される

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mac-in