劇場公開日 2025年6月27日

フォーチュンクッキーのレビュー・感想・評価

全52件中、21~40件目を表示

4.0ドニヤの"Thank you."

2025年7月12日
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鑑賞方法:映画館

笑える

知的

幸せ

映画に備えてたっぷり眠ったのに、ドニヤが必要とする睡眠薬を自分が服用したかのように、真ん中あたりの大事な箇所で寝入ってしまった。多分もっと大事な所では目が覚めていたと思いたい。

相手をまっすぐ見て、無表情で寡黙で動じないドニヤは清々しい。必要最低限のことを述べ、余計なことを聞かれたら無視するか、なぜそのようなことを言うのか質す。ドニヤはぐっすり眠れない。睡眠薬を処方してもらうために赴いた医師は、ジャック・ロンドンの『白い牙』の話をする。次のセッションでは本を手にその小説の一部の朗読までする。ビックリした。ずっと離れていた母親との再会シーンを読み終えたところで、医師はドニヤに見られないようデスクの上に置いた鞄で顔を隠して何度も何度も鼻をかむ。あれは泣いてたんだ。最初は横柄だった医師は、顔つきや服装が良くなりドニヤに丁寧に対応するようになった。

犬と狼の血が混じった存在が、犬から疎まれ仲間に入れてもらえなかった「白い牙」にドニヤは共感する。アフガニスタンの米軍基地で通訳として働いていたドニヤは、「女である」為に他の通訳達の輪に入れてもらえなかった、とドニヤは言う。

ドニヤは思いがけず自動車整備士のダニエルに出会う。彼はドニヤの英語がFremont訛りでないと言った。この映画の原題はFREMONTだ。アフガニスタンの人達が集まって住んでいる所でもあるんだろう。でも彼はアフガニスタンの人に今まで会った事がないと言っていた。

自分一人故郷から離れ、アフガニスタンでは殺されている同胞がたくさんいる。自分も眠れない。大学を出て英語通訳として働いていたドニヤが今、アメリカで携わっているのは単純作業。笑ったり泣いたり、恋をして幸せになることも後ろめたい。でもドニヤ、工場の雇い主の妻がケチでよかった。自分の勘と勇気が、話相手を求めているダニエルのもとへ足を運ばせてくれた。訳わからない「鹿」を、彼は欲しかったと言ってくれた。ドニヤの丁寧で美しく響く"Thank you"が、幸運をゆっくり引き寄せた。

新宿シネマカリテで見た

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talisman

4.5ほのぼの哀愁

2025年7月12日
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鑑賞方法:映画館

予告編の雰囲気から、勝手にA24作品だと思ってたら全然関係なかった。
どことなく漂う哀愁は、ちょっとカウリスマキっぽくもあるかな。
こういう不器用な人間模様は好き。

フォーチュンクッキーってああやって作ってるんだ。
大量生産してるメーカーもあるんだろうけど、手作りを見れるのは少し嬉しい。ても電話番号入ってても胡散臭くてかけないよ、怖い。

全体的にゆるカワ映画なのだけど、精神科医とのカウンセリングではセリフがちょいちょい哲学的。
あまり良い出会い方ではなかったお医者さんも、なんじゃかんじゃ言いながら付き合ってくれんのね。

出会いを求めて出かけたものの、
想像していた結末とは違ったけど結果オーライというか、ほ〜ん、なるほどねぇ。とちょっとニヤッとさせるエンディングも可愛らしくて良い。

あの整備士の彼、『アイアンクロー』の四男だとは気づかなかった。

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コビトカバ

4.0なんか、いい感じ 主人公のちょっと勝手な感じとかに最初はイライラさ...

2025年7月10日
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なんか、いい感じ

主人公のちょっと勝手な感じとかに最初はイライラさせられたけど、

アンソニー先生が許してるなら仕方がないから私も許す

工場の経営者みたいないい人に出会えて良かったですね

カメラワーク?とか、なんとなくコミカルな感じとか、

なんか全体通していい感じの映画でした

3.5と迷ったけど、見終わった後の気分がいいから、4

みんな、お幸せに

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jung

3.0映画館が快適すぎて少し眠ってしまった…

2025年7月9日
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鑑賞方法:映画館

難しい

シネ・リーブ神戸で鑑賞。
とってもおしゃれで、快適な映画館。
60~80人程度しか入れないホールが3つある、ミニシアターなのですが、その分、ひろびろとした観客席で、ものすごく快適。快適過ぎて、難しい映画だと寝てしまいそう。

この作品は、エンタメ作品ではなく、人生の襞を丹念に描いた作品なので、しっかり、集中して見ていないと置いて行かれて、睡魔に襲われる。

いろいろと知らないことが世界にはまだまだたくさんあって、アフガニスタン人の心の動きなど、考えたこともなかった。
アフガニスタン人にとって、アメリカは、自国の混乱に、勝手に介入して、戦争をおっぱじめて、混乱をさらに深めて、さっさと去っていった、迷惑至極な国家としか思えないのかもしれない。
アメリカでは、武器産業に従事している人びとがたくさんいるので、時々戦争をして、ダブついた兵器を消費しなければならない事情があるだけのように考えてしまう。勝手な話だと思う。

そんなアメリカに、亡命せざるおえない状況に追い込まれたアフガニスタン人たちの悲喜こもごも。積極的に協力した主人公は、アメリカでのアフガニスタン人の社会の中は、異物のように扱われて、ナショナリズムの複雑さを垣間見せる。

二度と故郷をふむことはないのではと思われる主人公。
祖国と表現される国と国家と表現される国では、まったくちがう物であることをまざまざと見せられたように思う。

祖国は永遠なもの。国家は、時代の波のあぶくのようなもの。

2025.9.10 再鑑賞
遠い山なみの光をみて、

もう一度みたくなった。ちょうど、地元で上映していたので、再鑑賞した。

戦争をしらないおじさんたちには、このぐらいの表現で、勘弁してほしいと思う。

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うさぎさん

4.0映画ファンなら見ておきたい

2025年7月8日
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鑑賞方法:映画館

あえてモノクロで撮った意味がある映画。観客はこの小品を忘れがたく、自分の中にイメージを膨らましていく余地がのこるから。だんだんと主人公が愛おしくなってくる、素敵な映画です。

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ごまめ堂

2.5結局どうなる?

2025年7月8日
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鑑賞方法:映画館

フォーチュンクッキーって、おみくじクッキーだったのか。けっこう吉っぽいメッセージばかりで凶っぽいのは無さそうですな。
ドニヤがあれこれ悩んでるのはわかるけどなんか中途半端な終わり方。

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あらじん

2.0音楽もなく眠くなってしまった・・・

2025年7月8日
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鑑賞方法:映画館

アキカリマウスキという感じの映画だが、テンポが微妙で、睡眠不足の時にはおすすめしない。後半はうとうとしてしまい、残念ながらよくわからない結末に。

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みったん

3.5幸せを運ぶクッキーのメッセージ…なんていう甘い話ではなかった。 アメリカに来たアフガニスタン人の現実をビターに描く。

2025年7月6日
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「フォーチューンクッキー」=「おみくじクッキー」といえば、イーストウッドが山田康雄の声で「凶とでてるぜ」といって撃ち殺す「ダーティーハリー」を思い出す。
それはさておき…予告編や宣伝コピーからのイメージで「小さな幸せを運ぶフォーチューンクッキーのメッセージ。」なんていう、心温まるラブストーリーを想像していたら、違ってました。
そんな、甘い話ではなかった。
元米軍通訳をしていたアフガニスタン人が、家族を残して一人渡米。
PTSDにさいなまれながら暮らす現実をビターに描いていました。
こういう問題があるということを、映画として知らしめるだけでもこの映画の存在意義がある。
劇中、クッキーのメッセージを生活の中の小さな楽しみとして、読む人々の姿がある。
それだけでもクッキーの存在意義も大きい。
その辺をもっと描いてほしかった気がします。

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ITOYA

3.0アフガニスタン版カウリスマキ

2025年7月5日
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斬新

移民in USAのカウリスマキみたいでした。移民は移民同士のコミニュティの中で生きていて、アメリカ人とは全く交流が無さそうでしたが、これが現実なんですよね。現実は人々は分断されていますが、本当は他者と交流したいのかもしれない、、、と思います。移民を描いた作品は多いですが、斬新なアプローチでした。苦手な方は苦手かも。

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ミカ

1.0とても期待していた映画なのだけれど

2025年7月5日
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難しい

主人公は、アフガニスタンから亡命してきた若い女性のアフガニスタン人。

とても期待していた映画なのだけれど、あまり面白いとは思わなかったし、後半はかなり寝てしまって、以降の話しの内容が分からなくなってしまいました。

原題は「FREMONT」。カリフォルニア州にある中規模の都市の名称から来ているらしい。
フリーモントは、アメリカで最もアフガニスタン系アメリカ人の人口が多い町として有名。
原題のままでは日本人には訳が分からないとは思うけれど、邦題の「フォーチュンクッキー」はどうなのかな?と思いました。

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ねこたま

4.0どうしようもなく幸せになりたい ドニヤ

2025年7月3日
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フォーチュンクッキーと聞くと一世を風靡したアイドルグループの歌のメロディーが頭をよぎる。当然この映画にはなんら関係がないが、フォーチュン=未来、と思い当れば、なるほどおみくじ菓子だから歌詞に「〽占ってよ」とあるのだなと腑に落ちる。
中華系経営者の営むクッキー工場。そのクッキーの中に入っている一枚のメッセージ。どこか東洋的なニュアンスも伝わってきて、何気ない言葉に格言めいた奥深さを感じてしまう。それは、その言葉に力があるのではなくて、言葉に縋ろうとする読み手の意志がそう思い込むのだろう。まるでTV番組の占いとか血液型占いの言葉をすっかり信じ込んでしまう人のように。でも、それでその人が前向きになるのであれば全然いいと思う。人は誰かに、または何かに頼ろうとする生き物だから。偶然さえも必然に感じてしまうのさえ、その人の力や励みとなるのであればいいと思う。少し意地の悪い用足しを言いつけられて遠出した先で出会った、ちょっとしためぐり逢いも。
そう、この映画でいい言葉はたくさんあった。いい言葉と思うかどうかは人それぞれの感性でもあり、気付きでもあるとは思う。一番可笑しいのは「お探しのメッセージは別のクッキーに」。一番思い当る節があるのは「港にいる船は安全だが、海に出なければ船ではない」。一番カッコよかったのは「あれこれ考える前にまず恋をしろ」。一番忘れられないのは、社長の言う「中庸は美徳」。そう、これを聞いた時、どこかで?と記憶をたどっていた。たしか、先日放送されていたドラマ『しあわせは食べて寝て待て』の中で司が「良質な普通に勝るものなし」と言っていた。まさにこれだ。

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栗太郎

3.0フォーチュンテラーのささやかなフォーチュン

2025年7月2日
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惹句にあるジャームッシュのような小洒落た感じやお気楽さは見当たらない。移民を描くという意味ではカウリスマキだが、シニカルさやクスッと笑えるようなコメディ色は薄い。クッキーのメッセージが爆発的にヒットするとかサプライズもない。
もっと真面目で慎ましく、淡々とした作風である。

主人公ドニヤはいつも不眠症に悩み、不意に涙が出てしまうこともある。やはりアフガニスタンを逃れてきたという背景が大きいようだ。精神科医とのやり取りもぎこちないが、母国でのつらい体験の端緒をうかがい知ることができる。

一方アメリカでのコミュニティは狭く、日々の単調な生活は閉塞感が強い。ドニヤ本人も多くは語らず、控え目で踏み込みことはしない異邦人。そんな彼女だが、時々垣間見えるのは、心内に秘めている意志の強さや不条理に対する怒りである。

ラスト20分ぐらいから、白黒画面が輝きはじめる。ひょんなことから好転するのも人生の一面だ。
小さいながらも心に残る作品。

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sugar bread

4.0愛すべき変人たちの細やかな日常

2025年7月1日
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笑える

悲しい

癒される

アフガニスタン移民、華僑の二代目、主人公が勤める工場の同僚やカウンセラーなどアメリカ人たちも皆出自をたどると移民のようです。
変人というよりは少し内気だったり、少し意地悪だったりと、人付合いに不器用な人たちと言ったほうが良いかもしれません。

多少なりとも重い過去や現実を抱えて、不器用さ故に孤独で、日々の糧を得るために黙々と働く人々の日常スケッチを通して人間のそこはかとない悲しさと滑稽さを絶妙なバランスで描き出します。
そうくる?!というラストは嬉しい裏切りでした(笑)

原題のフリーモントとはアフガニスタン移民が多く暮らす地域のようですが、邦題の方がイメージにしっくりします。

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さとうきび

3.5新しいドニヤに幸あれ

2025年7月1日
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劇場でトレーラーは流れていたはずですが、記憶になくて最近までノーマークにしていた本作。ところが、RottenTomatoesで検索してみるとかなりの高評価であることを知り、慌てて上映予定を確認。と言うことで、会員サービスデイの本日、ヒューマントラストシネマ有楽町にて鑑賞です。
なお、原題(英題)である『Fremont』は、本作の主人公であるドニヤ(アナイタ・ワリ・ザダ)が現在、生活の拠点としているアメリカ・カリフォルニア州の都市名。そして、邦題に採用されている『フォーチュンクッキー』はドニヤが働く工場の製品であり、またこの物語を展開するための重要なツールです。
アフガニスタンの米軍基地で通訳として働いていたドニヤ。作品ではごく簡単に経緯として語られるだけですが、彼女はタリバンからの迫害を逃れて命辛々出国し、前バイデン政権によって発給された特別移民ビザ(SIV)でアメリカへ入国することが出来たアフガニスタン難民です。そして、ドニヤを演じるアナイタ・ワリ・ザダもまた「ドニヤと似た境遇」であることを(鑑賞後に)知ってより感慨深く、改めてトランプによる「入国禁止措置」に反感を覚えるわけですが、、、ま、日本の政策もまた他国を非難できる立場にはなく、この件は一旦置かせて頂くこととして。。。
冒頭、同僚で友人のジョアンナ(ヒルダ・シュメリング)からの「ブラインドデートの誘い」をにべもなく断るドニヤ。極力、アフガンコミュニティから出ようとせず、ただただルーティンな生活を過ごす彼女は、自分に付きまとって離れることのないバックグラウンドに苛まれて、不眠に苦しむ日々を過ごしています。ところが、いくつかの「変化をもたらす」きっかけがあって、自分とは出自や立場の違う人たちと会話を交わすことが増えていくドニヤ。初めのうちは「理解されるはずがない」という頑なさが邪魔をするのですが、そんな彼女に理解を示して諦めない存在達によって、ネガティブ一辺倒だったドニヤの心理が少しずつ変化を見せ始めます。
そして中盤以降、波風を避けるように生きていた「以前のドニヤ」からは思いもよらない「ある仕掛け」、からの「決意の行動」。予想外の展開にだって決して失意のまま終わることなく、何ならそれを自らのオポチュニティに変えられる「新しいドニヤ」はもう無敵感さえあって素敵。だからこそ、ドニヤのこれからに幸福(fortune)を願うと共に、改めて世界に蔓延る「不条理な現実」から目を逸らしてはいけないと気づかせてくれる本作。観逃さずに本当に良かったです。

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TWDera

3.575点ぐらい。いい映画だった。

2025年6月30日
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予想してたより良かった。

楽しめました。

終わった直後すぐ、もう1回観たいと思った。

オフビートな作風に、なんかクスっとするユーモア、良い音楽、観たあと少しハッピーな気持ちになれた。

最後は…ってことですよね?

自分は、そう取った(笑)

白黒は苦手だけど、この映画は白黒が正解だと思う。

カラーだったら、こんな良く思えたのかなと。

アフガン、タリバン、ってワードが出てきて、重要なポイントだったりしますが、そこまで詳しく事情を知らない自分でも楽しめた。

ここ映画.comの皆様のレビューを読んで詳しい事情を知り、さらに味わい深く感じた。

配信が始まったら、たまに観たいなと思う作品です。

PS.入場特典でフォーチュンクッキーを頂きまして、憧れだった初フォーチュンクッキーをエンジョイ♪いろんな映画に出てくるので夢だったのですよ♪

自分のクッキーの中に入ってたメッセージは…

「あなたの人生は、あなたのもの。もう迷わない。」

刺さった(笑)

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RAIN DOG

4.0前半と後半で劇的に違う作品

2025年6月30日
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単純

幸せ

予告編から気になり観てきたが、なかなかユニークな映画だった。主人公のドニャはフォーチュンクッキー工場で働くが、毎日が単調で面白くない。素敵な男性との出会いを求めてクッキーにメッセージを入れたが、一つだけ電話番号のメモを入れたら会いたいと言う男性が名乗り出る。前半は単調だったが、後半は段々面白くなる。ドニャが最後男性と出会えてどこか幸せな気分にもなったし、この続きが観たかった。白黒の映像もなるほどと唸らされたし、後味もいい。地味でも味がある作品。観た後はどこか幸せな気分になった。来場者プレゼントもクッキー。これが◎。

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ナベさん

4.5鹿

2025年6月30日
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白黒で地味な展開なので途中眠たくもなるが、短編小説のような話で鑑賞後ジワジワと余韻が

主人公の過去の影響で感情が失われており(PTSD)ジャームッシュやカウリスマキ映画のような演出がそれを表現

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たれぞう

3.5港を出なければ船ではない

2025年6月30日
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アフガン紛争、ワードはよく耳にしていても、遠い地で繰り広げられていたことだし、詳しいことまでは分かりませんが、タリバンによる行いは、そこに住む女性にとっては命を奪い取られる脅威そのものだし、そこに親米と思われてもしょうがない英語通訳をしていたのであれば、いつまでも心の傷は癒えないし、まだその地に親族がいるのであれば心痛もどれほどのことか、くらいは理解できます。
そんな彼女の日常が淡々と描かれて行くので、単調な繰り返しになるのですが、そこでなんとなくワタシ的には「ああ、これは彼女の心の中のロードムービーなのだな」そんな風に悟りました。
まあ、後半には実際旅に出るのですけれど、周囲の善き人(精神科医やクッキー工場の社長など)に支えられ、前へ進む気持ちが湧いてくる一方善き人でない者(隣人の夫やクッキー工場社長夫人など)に対し、憤怒の気持ちが湧いてきて態度に表すことができるようになったり。
少しづつではあっても現状を変えようとするそんな力を感じさせてくれる作品でした。
とは言え、何かが劇的に変わる訳ではないので、気力・体力が充実している時に腰を据えて観るのがおススメですね。

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ニコラス

3.5果たして、あの鹿は「神の使い」なのか

2025年6月30日
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知的

運命の出会いを求めて、車で何時間もの移動。
貯めたお金から、食事代・ガソリン代・宿泊代を割り振り、計画的に「彼」の待つ彼の地へ・・・の筈だったが、予定外のアクシデントで自動車整備工場に立ち寄り、ダニエルと知り合えたことは「神のご加護」だったのかもしれない。
日本じゃ、鹿は神聖化されているけど、アメリカでも通じるのか?
モノクロで派手さのない作品だけど、会話が面白かった。

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ちゃ坊主

3.5コーヒーは?

2025年6月29日
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アメリカにやってきた移民の経験や葛藤を、白黒のドラメディとして描いた本作は、ジャームッシュにも通ずるようなオフビートな空気とともにババク・ジャラリ脚本監督と出演者の魅力を伝えてくれる。平気なフリしててもグラスに閉じ込められたゴキブリのように、行き場のない思いも、現実的な着地点で静かに報われる予感。
車の整備工役でandポジションのジェレミー・アレン・ホワイトも、登場シーンこそ短いものの魅力的。昨日は『The Bear/一流シェフのファミリーレストラン』シーズン4を観て、今日は本作を観て、(意図的ではあるけど)彼を浴びまくった週末になった。本当に生まれる時代を間違えたのではないかという、ジェームズ・ディーンとかと同じくらいの時代から50〜60年代頃に活躍していそうな見た目で、カルヴァン・クラインの広告モデルを務めるなど体バキバキマッチョなのに、本作・『一流シェフのファミリーレストラン』・『アイアンクロー』でも繊細な演技で魅せてくれる。だから"ボス"ことブルース・スプリングスティーン演じる伝記映画『Springsteen: Deliver Me from Nowhere』も楽しみすぎる。

P.S. 本編前の予告が、再上映ばかりだった。あと、左右から寝息の音が聞こえた

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とぽとぽ