「タイトルなし(ネタバレ)」フォーチュンクッキー りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルなし(ネタバレ)
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カリフォルニア州フリーモント。
アフガン女性のドニヤ(アナイタ・ワリ・ザダ)は中国人が経営するフォーチュンクッキー製造工場で働いていた。
彼女は、母国アフガニスタンでは、米軍基地の通訳として働いていた。
戦闘が激しくなり亡命してきたのだが、PTSDか、原因不明の不眠症に悩まされている・・・
といったところからはじまる物語。
モノクロスタンダードで淡々と日常を描くあたりは、ジム・ジャームッシュ監督『パターソン』と並べられることだろう。
本作の原題も地名「フリーモント」だし。
が、主人公をアフガン女性にしたことで、物語に深みや痛みが出た。
日常レベルでない、なにか別のものを。
精神分析カウンセラーとのやり取りなど、くすくすと笑わせながら、ピリッとした痛みを感じさせる。
と同時に、散りばめられた名言が心に沁みる。
終盤は意外な展開となるのだけれど、オフビート感はここぐらい。
ジャームッシュよりはるかに少ない。
愛すべき小品。
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