「ちょっと泣く 家族を考える映画」兄を持ち運べるサイズに にんさんの映画レビュー(感想・評価)
ちょっと泣く 家族を考える映画
試写会にて鑑賞。コメディかなと思ったらそんなにコメディでもない。兄が苦手だった妹が、4日間淡々と片づけていく話。
途中までなぜか中谷美紀さんの感じでみていた。中盤、柴咲コウさんだわ。と気づく。
柴咲コウさんの兄を見る能面みたいな演技大好き。
わかる、わかるよー。自分も兄が苦手だから。そういう顔になるよね。
何カ所かちょっと泣く。離婚経験ある人や男児育ててる人は特にちょっと泣いちゃうだろうなってシーンがある。
個人的に一番のキーパーソンは満島ひかりさんだと思う。この映画にとってすごく重要な役どころだった。満島ひかりさんの演技はすごく泣かせに来るし良かった。
家族とは、と考える映画だった。兄がいなくなったら、自分はどう思うだろうか。淡々と、片づけることができるだろうか。さみしさがあるのだろうか。虚しさが勝つんだろうか。
99%嫌いな人でも、いざ亡くなると1%のいい記憶が出てきちゃうのなんでだろうね。
また、故人が残していったものは、人それぞれ違うのだと思った。
ある人の見ている故人の顔と、ある人の見ている故人の顔は、違う。
人間は100面体のサイコロだと思う。
自分が見ている面は1面に過ぎないと思う。
自分の知らない顔がたくさんあると思う。
自分は兄とは大人になった今も仲が悪いが、兄の奥さんには私の知らない優しい顔を見せてくれているなら、兄が自分以外の人にいい顔を見せているなら、自分は救われる部分がある、その兄の自分の知らなかった顔を認めたいと思う。それが兄の人生と思う。
いや生きてるけど。
やきそば後ろから見ているシーンが好き。じゅ~って。わくわくするよね。
そんな父への思い残してもらって、よかったね。
めだって面白い!という映画じゃないけど、心のどこかに入って心のどこかにいる映画。
