「「兄の終い」」兄を持ち運べるサイズに Qooさんの映画レビュー(感想・評価)
「兄の終い」
兄を持ち運べるサイズに
試写会にて鑑賞
ふざけたクズ男を演じさせたらNo.1のオダギリジョー様
さていかに
どんなクズ兄を演じてくださるのか
村井理子さんご本人の実体験を映画館されたもの
柴咲コウ演じる主人公の理子は
絶縁状態だった兄の訃報を
突然東北の警察署から電話で聞かされる
遺体を引き取るように促される理子だが
嘘つきでだらしがなく、身勝手で、
息子の良一をもだしにして金をせびるような兄に
恨みのようなものすら感じていた理子は
さっさと兄を持ち運べるサイズにしてしまおう
と、
兄の遺体を引き取りに遠方から向かう
そこで満島ひかり演じる兄の元嫁かなことかなこの娘麻里奈とともに、
兄のゴミ屋敷と化したアパートを片付けることに
最初こそ
兄への恨み辛みを愚痴りながら事を進めていくが、かなこや麻里奈と接しながら、兄の部屋に遺されたもの、兄を知る人の話から、自分の知らない兄を知ることとなる
やがて
ろくでなしだと思っていた兄は、嘘つきではなくいつでも最初は本気で、結果的に嘘をついたことになってしまうだけなのを気付かされ、人にはない優しさを持つ人だったことを思いだした
結果的に
あまり幸せと思えない最期を、迎えてしまったと思っていたが、そうではなく兄なりの優しさが満ちていたことを、そして家族というものがこんなにかけがえのないものだということを、思い知った理子だった
なかなかユニークで面白い映画
かなり涙腺が弱い私でも
じんわりくるぐらいで
そう泣けるような映画ではなかったなと思ったのだが、
入場特典のティッシュの裏に、原作者村井理子さんのエッセイ?が書かれていて
それを読んだらめちゃくちゃじんわり来てしまった
まさに「兄の終い」がしっくり来る
ふざけたクズ男だけど不器用な優しさを持つ男を演じさせたらNo. 1のオダギリジョー様です
