「終盤の個人的な解釈」コラテラル ざるうどんさんの映画レビュー(感想・評価)
終盤の個人的な解釈
遺体安置所で明かされていましたが、ヴィンセントの殺し方は胸に二発と頭に一発、それも体の中心線に撃ちこむもの。
電車で対峙した際に、実はその染みついたプロの習慣が敗因の一つになった。
扉のフレームがまさにそれを防いだ訳ですね。一瞬ではありますが、ちゃんと弾痕も映ります。
一方で、「中央を狙わずにガラス越しに撃つだけで良かったじゃん?プロなのに?」と言いたくもなる気持ちも分かります。
が…実はもうその前に勝負は決していたのではないでしょうか。
よくよく考えてみると資料室での対峙で、本当ならマックスが勝てる道理はなかったはずなんですよね。ヴィンセントはマックスに銃を向けた後すぐ撃つだけで終わりだった。一言二言会話のリレーをする時間があったのですから。
ですが実際に先に引き金を引いたのはド素人のマックスだったわけです。
ヴィンセントは「行動しろ」というメッセージをしきりに投げかけていた。
いや、必要以上に投げかけてしまったからこそマックスの正義心を目覚めさせてしまった。
こいつは撃てないという慢心か、短いながらも相棒のように連れ添った情があったのか、いずれにせよ一瞬鈍ってしまったヴィンセントを、マックスの行動力が上回ったのです。
その後もマックスは自分の決断を信じて、逃走も迷いなく、検事の女性を助けるために主体的に行動しています。それらが結果的に扉を挟んでの対峙という最善に繋がったのでしょう。
プロであっても一瞬の行動の迷いが敗因に、素人でも一瞬の行動の決断が勝因に。
とにかくこの作品のメッセージは「言い訳並べる前に悩む前に行動しろ、結果はついてくる」ってことなんじゃないでしょうか。
・電車で対峙した時に「胸に二発と頭に一発、体の中心線に撃ちこむ」という習慣が仇になった。
・ヴィンセントは「行動しろ」というメッセージをしきりに投げかけていた。
・こいつは撃てないという慢心か、短いながらも相棒のように連れ添った情があったのか、いずれにせよ一瞬鈍ってしまったヴィンセントを、マックスの行動力が上回った。
ざるうどんさんの解釈で、腹落ちしました。
モヤモヤを晴らしていただきありがとうございます。
>この作品のメッセージは「言い訳並べる前に悩む前に行動しろ、結果はついてくる」ってことなんじゃないでしょうか。
これならヴィンセントが「リムジンの手付けをなぜ払わない?」としきりに行動しないマックスを詰問していたことがわかります。
願わくば、もう少しわかりやすく描いて欲しかった。笑

