劇場公開日 2004年10月30日

「【”巻き添え運転手、悪夢の一夜。”今作は、人心を失った哀しき殺し屋を自身のタクシーに乗せてしまった人心ある男が経験する悪夢の如きスリリングな一夜を描いたクライムアクション映画である。】」コラテラル NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【”巻き添え運転手、悪夢の一夜。”今作は、人心を失った哀しき殺し屋を自身のタクシーに乗せてしまった人心ある男が経験する悪夢の如きスリリングな一夜を描いたクライムアクション映画である。】

2025年1月1日
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鑑賞方法:VOD

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■ロサンゼルスの12年の経験に基づき街の道路を知り尽くしているタクシー運転手マックス(ジェイミー・フォックス)は、ヴィンセント(トム・クルーズ)というビジネスマン風を拾い、マックスのドライバーの腕を見込んだ彼から、600ドルで一晩で5カ所を回るよう依頼される。
 だがヴィンセントの正体はプロの殺し屋で、麻薬組織から検察側の証人殺害を請け負っていた。そしてマックスは彼の運転手をさせられるのである。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・マックスは夜専門の雇われタクシー運転手。漠然と独立を考えているが、12年間同じ仕事をしている。
 最初に乗せたアニー・ファレル(ジェイダ・ビンケット=スミス)という女性検事を乗せた際に、どの道を行くのが早いか賭けをして、見事に勝利し彼女から”困った時は連絡して。”と名刺を貰う。
ー この最序盤の何気ない設定が、最後半に効いてくるのである。ー

・序盤の空港でヴィンセントが、男(ジェイソン・ステイサム!)とぶつかった後に、マックスのタクシーにスーツケースと共に、乗り込むシーン。
 マックスはご機嫌だったが、ヴィンセントの申し出を躊躇いながらも引き受ける。
ー だが、そこから悪夢の一夜が始まるのである。-

・”ちょっと待っててくれ”と言われ、一カ所目でノンビリタクシー内で待っていると、彼のタクシーの上に突如死体が落ちて来る。
ー そして、戻って来たヴィンセントが本性を出して行くのである。”地球には60億人いる。その一人が居なくなっただけだ・・。”ー

・その後、次々に証人殺害を実行していく冷酷なヴィンセント。タクシー車内でのヴィンセントとマックスの会話。”親父から虐待を受けて、里子に出されたり戻ったり。””で?””12歳で親父を殺したよ。”
ー マックスは、ヴィンセントの心に人心がない事を悟り、彼のスーツケースを奪いハイウエーの陸橋の上から投げ捨てるのである。-

・だが、ヴィンセントはマックスに対し、殺しの依頼人のフィリックス(ハビエル・バルデム)の所に行き、スーツケースの中のデータを再度貰いに行くように脅すのである。
ー このシーンの、マックスがフィリックスからデータを貰うシーンの緊迫感が凄い。マックスが胆の据わった男である事が、分かるシーンでもある。-

・そして、マックスはヴィンセントを乗せたまま、猛スピードでタクシーを走らせ大クラッシュをした際に、彼の最後の殺害対象が、アニー・ファレルという女性検事である事を知るのである。

■ここからの、マックスの人心ある行動が凄い。
 逃げれば良いのに、彼はアニー・ファレルに電話し逃げるように指示しながらも、自らもアニーのいるビルに侵入したヴィンセントを止めようと、彼を追って行くのである。
 そして、最終盤の地下鉄で逃げるマックスとアニーを追うヴィンセントのシーンは、スリリングでハラハラドキドキである。

<今作は、人心無き殺し屋を自身のタクシーに乗せてしまった、人心ある男が経験するスリリングクライムアクション映画なのである。>

NOBU