「サスペンス…? ※核心に触れるネタバレはなし。」コラテラル alalaさんの映画レビュー(感想・評価)
サスペンス…? ※核心に触れるネタバレはなし。
いや、よくわからんのですが…サスペンス?の定義とは…?ハラハラしたらサスペンス??
ストーリーとしては、ただただトム・クルーズが人殺してくだけの話。Wikiを見ると「トム・クルーズが悪役を演じたことで話題になった」とあるんですが、ほんとにそれだけ。
ただ、「それだけ」ですが結構面白い。が、凄く面白いかと言われると…
見終わって、何となく面白かったな~という感想が浮かぶけど、何が面白かったかと言われると答えられない、雰囲気で乗り切った感が強い作品でした。
地上波て見たので吹き替えでしたが、特に違和感はありませんでした。
あらすじ:
真面目で正直者のマックスは、リムジンの送迎ドライバーを夢見つつ踏ん切りがつかず、タクシー運転手を続けている。ある晩、アニーという大事な裁判を控えた検事を客として乗せたマックスは、早く着く道が良いと道路を指定するアニーに「こちらの方が早い」と別の道を提案。アニーは「そちらは渋滞が凄い」と返すが、マックスは「もし渋滞だったらタダにする」と賭けを持ちかける。賭けに負けたアニーはマックスの腕を信頼し、「何か困ったことがあれば連絡を」と名刺を渡して去っていく。そして入れ違いにヴィンセントという男を乗せたマックスは、目的地に着くなり「腕の良い運転手だから一晩貸し切りにしたい」と言われる。貸し切りは規定違反だったが、ヴィンセントの強引な態度に押し切られて頷いてしまう。しかし、ヴィンセントが入っていった建物からタクシーの上に男の死体が落下、下りてきたヴィンセントが自分は殺し屋だと白状する。知らずに殺人の手助けをしたと知ったマックスは、誰にも言わないし車はやるからと「一晩の貸し切り」を断って去ろうとする。しかしマックスの腕の良さを惜しく思ったヴィンセントは運転手を続けるよう脅し、最終的に5人の人物を殺す予定だと言う。徐々にヴィンセントから話を聞き出すマックスだったが、標的の最後の1人がアニーだと知り…
…ハイ。あらすじ書いてて思ったんですが、ヴィンセントは「プロの殺し屋」なのに初っ端から失敗してます。大丈夫かよヴィンセント。もうちょっとバレないようにやんない??何で初っ端から都合良く失敗したの!?
しかもタクシーのフロント割れて血ついたまま運転とか、ありえねーから!職質受けるに決まってんだろ!何で1回しか警察に止められないんだよ!
あと、すっげぇ遠くのビルの窓から、誰がいるか見えます??マックス、結構距離のあるビルの屋上から「あいつがいる!」みたいなこと言ってるんですが、いや見えねーだろそんなん…目に双眼鏡装備してんの???
突っ込みどころは色々ありますが、脚本家が大学生の時に書いたものだそうだからヨシ!そっから監督が大幅に書き換えちゃったらしいけどヨシ!
監督のマイケル・マンは骨太な映画を撮ることに定評があるらしいが、殺し屋役がトム・クルーズの時点でちょっとなぁ…悪役が似合わないというより、この映画に合ってないというか、「骨太」のイメージじゃないというか。骨太っていうより、裏でちゃっかり生き残るタイプじゃない?この人…笑
役作りのためか、見た目が白髪交じりのオッサンなんですけど、この時点で違和感ありました。いつも映画に出てる時みたいな容姿で冷酷な殺し屋…の方がインパクト強かったんじゃないかと思います。
もちろん演技も動きも凄く良かったんですが、その割に初っ端からヘマするし、最終的に一般人のマックスに殺されるし。何なん????
最初、ヴィンセント役はラッセル・クロウにほぼ決まっていたんだとか。正直、自分もラッセルの方がこの役に合っていた気がします。冷酷な殺し屋と言われて想像できるし、作品の雰囲気がもっと引き締まったかなと。
トムだと何となく人の好さがあって、そんなに悪い人なんかな??と最後の方まであまり悪者!って感じが飲み込めませんでした。実は良い人でした的なエンドでも違和感ないくらい、作品の雰囲気がユルい。
何かトムだと愛嬌があるんですよね。殺し屋って言っても実は優しいところもありそうな。ラッセルが後部座席に座って銃向けてきたら普通に怖くてチビりそうですが(笑)、トムだと銃向けられても「またまた~笑」ってなりそうな気がします。カット入った瞬間銃向けてた相手とエヘヘって笑い合ってそうな感じが想像できるというか…
いや、実際動きはかなり機敏で、銃の扱いも洗練されてて凄腕っぽさはちゃんと出てたんですけどね。でも、やっぱりその人の持つ雰囲気ってありますよね…
ちなみにR15+らしいけど、どの辺でR15+と判断されたのかなー。別にグロくもなく、オッサン2人がワタワタしてるだけでエロも一切ありません。
確か『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』というティム・バートン監督・ジョニー・デップ主演の血みどろ満載映画が、同じR15+だった気がするんですけど。『スウィーニー・トッド』は血がドバドバ出るわ、身内ブチ殺すわ、子供が大人殺すわ、切った首の断面まで見せてましたけど。
本作は頭撃ち抜いても出血しないし、体の断面も出ないし、子殺しや大量殺戮もない。どういう理由でR15+???
それとも地上波だからどっかカットされてただけで、ノーカットだとグロかったのか…?
「夜のLAの暗い街並みを捕らえるため、ほぼ全編をデジタルで撮影した」とのことですが、他の作品と映像の違いは(素人には)わかりませんでした。特筆すべき点は(素人には)ない気がします。
ストーリーの構成はとても良くて、飽きさせません。最初に話してたことが後になって出てきて、最初のその台詞が出てきた時点で「ラストこうなるんだろうな…」って先が見えてはいるんだけど、オシャレな感じで自分は好きです。
あっ、あとこれだけは触れておきますが、自分は マーク・ラファロ 目当てで見たのに!活躍が!ほとんど!ありませんでした!!!!(大声)
あの流れで何でマークもっと活躍しないんだよぉぉぉぉ!!!!
日本ではハルク役で知名度上げまくったマークですが、元々アメリカでは受賞も多くて、演技力は認められてたんですよね。本作では見た目がめちゃくちゃ悪役っぽい刑事役(笑)で、良い人なんですが…途中退場。
しかしマークは格好で雰囲気が全く変わるので、いつも一瞬誰だかわかりません。し、良い役なのか悪役なのかも一目でわかりません!笑
色んな映画に出演してて、演技も相当上手いのに、あまり(日本で)話題にならないのはそのせいもあるかも。わざとらしくない演技だけど舞台出身なんですよね、この人。日本で舞台出身というと、おしなべて仰々しい演技のイメージ強いですが…
もっと日本でも取り上げて欲しいなぁ。美男美女じゃないと推されない風潮何とかならんのか…
とにかく自分にはもっとマークの出番が欲しかった作品でした…あれで終わりなんて悲しすぎる…。