「キャラクター設定が絶妙。」コラテラル kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
キャラクター設定が絶妙。
アクションやサスペンスを楽しむというよりは、ヴィンセント(トム・クルーズ)とマックス(ジェイミー・フォックス)の駆け引きや彼ら二人のの性格を楽しむ映画なのかもしれない。最初は殺し屋の客の言いなりになっていたマックスは、元々客に対して自分の夢や生き方について語るというフレンドリーな性格の持ち主であった。親しみやすいが煮え切らない性格に苛立ちを覚えたのであろうか、ヴィンセントは脅かしたり詰ったり、そして実践的にと、それとなく彼にアドバイスするほどになるのだ。“仕事”という言葉がキーワードとなるくらい、殺し屋に徹する冷酷なヴィンセント。どことなく殺し屋版ターミネーターといった性格さえうかがわせるキャラクターであり、対するマックスは優柔不断ではあるが、日本人受けしそうな性格だ。
ストーリーは、一晩で5人を殺すという仕事も一つ一つが派手な展開で、証拠を残しまくっているところがちょっと興ざめ。3人目の暗殺はジャズ・バーにてマイルス・デイヴィスをモチーフにして音楽的にも面白いエピソードだったが、その後の展開がイマイチ。やりすぎ感のある銃撃戦では引いてしまうし、5人目は?・・・という展開は読まれてしまうのだ(その直後に席を立った人もいたくらいだ)。
笑いの要素も何箇所かあり、飽きさせない作り。耳を撃たれたトム・クルーズの特殊メイクも良かった。そして、ハングル文字、タイ(?)の文字などアジアン・テイストとロスの風景を上手く絡めた描写は綺麗だった。
〈2004年10月映画館にて〉
コメントする