「悪役のトムクルーズ。」コラテラル きーとろさんの映画レビュー(感想・評価)
悪役のトムクルーズ。
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トムクルーズの悪役と白髪が新鮮。
暗く静かで重苦しいような雰囲気が好みな作品でした。
彼に巻き込まれてしまうマックスを演じるジェイミーフォックスの演技も光っていた。
最初は普通のタクシー運転手なのに、フェニックスと対峙した後からは印象ががらりと変わった。別人にすら見える。
トムクルーズ演じるヴィンセント。
何事にも無関心でありながら、マックスの母に花を買って行ったり、女に電話しろと言ったり、君は本気になってないと説教のようなことをしたり、ただの悪人でないような面も見せる。不思議な魅力を感じた。
しかし心がない。トランペット奏者との場面が顕著。冷徹で殺人に対しても関心がない、仕事だからやる、からっぽでどこかかわいそうな人物に思えた。
ヴィンセントは60億人の内の1人知らないやつがいなくなっても…と言う。
でも奥さんや子供が…とマックスは言う。
ものの見方が主観客観で全く対極的なのがおもしろい。
作品全体のセリフに重みというか含みがある感じで好きでした。
終盤でマックスが検事の女性と逃げるシーンでは、ヴィンセントがあまりにも正確に追って行くのでちょっと違和感があった。
マークラファロは私の中でなんとなくほんわりしたイメージだったが、今作ではイカつい見た目で出演していた。警察だとは思えないイカつさ。潜入捜査とかしてたんだろうか。でもいい役でした。
ヴィンセントの最期は彼の言葉通りで哀愁漂う。余韻の残るいい終幕だった。bgmも雰囲気に合ってて良かった。
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