脱走のレビュー・感想・評価
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上司との過去を観たい
絶対に脱北したいマンの話!
よくある話だし、最後は脱北するんだけど、上司との関係性が良かった。
良かったんだけど、徐々に明らかになる展開だったのが良かったのか悪かったのか。
上司側にいた意味深キャラも微妙な扱いのままだったので、ガッツリ過去の話をしてもよかったのでは?
イ・ジェフンの全力疾走
韓国に脱走しようと夜な夜なみんなが寝静まった後に抜け出して経路を探索し地図を作っていたギュナム。そろそろ実行って時に下級兵士のドンヒョクに先を越される。でもドンヒョクひどいよね。ギュナムの地図を勝手に持ち出すんだから、、、挙句失敗。ギュナムも銃殺の危機。ギュナムがひとりで実行していたらきっと成功してたんだろう。
幼馴染のヒョンサンに助けられて銃殺を免れたが、退役どころか出世させられそうになりやはり脱走を試みる。でもこのヒョンサン、なかなか手強い。ちょっと強烈な性格なんだが仕事が出来る。部下にテキパキと指示ができ、ギュナムを追い込む。
きっと逃げ切れるんだろうと想像はついたけど、沼に沈みかけた時はひょっとして意表をついて失敗?とちょっとハラハラした。
上官として脱走兵は捕まえなければいけないが、ヒョンサンは幼馴染としてギュナムを助けたい思いもあったかも。最後は、なんか三苫の1ミリ、、だね。北朝鮮側に引き返すヒョンサンの後ろ姿が印象的。
幼馴染で上官のヒョンサンが独特な、強烈な個性で、昔話をする時は昔を懐かしんでもいたりと、キャラクターが良く、この映画をさらに面白くしている。
2人が昔話をする時に、ギュナムのお父さんがタクシー運転手?「復讐代行人模範タクシー」ってドラマを観ているので、なんかクスッとした。
ラストの(話の中でも流れたが)歌がとてもお話に合っていて良かった。
本日鑑賞した
夢を捨てた「ピアノ兄貴」の行く末は?
脱北する兵士の覚悟を!
語る言葉に重みがあった
失敗するために脱走する
主人公は北朝鮮の兵役軍人であるが、韓国への脱北を目論んでいた。同僚の軍人が逃走を試みたところでストーリーは進展していく。
ストーリー自体は至ってシンプルであり、逃走者と捕獲者という構図。脱走のアイデア的にはこれといって新しいものは出てこない。むしろ、定番どころをすべて使いまわしている感がある。
本作の最も重要なシーンは最終盤に訪れる。それは、主人公が地雷を踏みかけたシーンでの少佐との会話である。少佐は、なぜ脱北などするのか、韓国で成功することなどどうせできないだろう、と言う。それに対する主人公の言葉こそ、本作の伝えたいメッセージそのものになっている。これは、他国から見る北朝鮮の息苦しさの正体を端的に言い表しているように感じる。
本作を、北朝鮮の方々が気兼ねなく鑑賞できる日は来るのだろうか。その日が来るころには、本作の持つメッセージ性は希薄になっていることだが。
日本では当たり前な、「失敗」出来る事のありがたさ
【イントロダクション】
自由を求めて韓国へ脱北を試みる兵士と、彼を追う将校との追走劇を描いたアクション・スリラー。脱北を試みる兵士をイ・ジェフン、北朝鮮の将校をク・ギョファンが演じる。
監督、イ・ジョンピル。脚本にクォン・ソンヒ、キム・ウグン。
【ストーリー】
朝鮮半島の軍事境界線付近の駐屯基地。10年の兵役を終え、除隊を目前に控えていたイム・ギュナム(イ・ジェフン)軍曹は、毎晩兵士達が寝静まった後、基地を抜け出していた。彼は1日30分という時間制限を設け、地雷地帯に仕掛けられた地雷の位置を把握、手製の地図に場所を書き記しては、韓国への亡命準備を進めていたのだ。
いよいよ計画実行を目前に控えたある日、偶然にもギュナムの計画を察知した下級兵士のキム・ドンヒョク(ホン・サビン)は、韓国に住む母と妹の身を案じており、母の誕生日にプレゼントを渡したいとして、ギュナムに共に連れて行ってくれと懇願する。しかし、ギュナムはこれを拒否。すると、ドンヒョクはギュナムより先に脱出しようとし、それを止めようとしたギュナムと共に脱走兵として逮捕されてしまう。
脱走兵の捜査で部隊にやってきた国家保衛部のリ・ヒョンサン(ク・ギョファン)少佐は、幼なじみだったギュナムを脱走兵逮捕の英雄に仕立て上げ彼を助ける。更に、師団長直属の補佐官としてギュナムの生活をサポートしようとする。だが、ギュナムはあくまで自由を求めて脱北する意思を曲げず、囚われていたドンヒョクを救出して逃亡を企てる。
ギュナムの意思を確認したリ少佐は、部下を率いて追跡を開始する。
【感想】
予告編を観た印象では、「真夜中に脱北を試みた兵士と、彼を追う軍上層部役員との追跡劇」といったワンシチュエーションを、94分というコンパクトな尺でスリリングに描く作品かと思っていた。しかし、実際には次から次へと事態が思わぬ方へ転がって行き、「次はどうなる!?」という緊張感を保ちつつ進む作品であった。
展開に御都合主義感は否めないが、短い時間の中で絶えず状況が変化し、自由を求めて奔走するギュナムの姿に最後まで釘付けとなった。
ギュナム役のイ・ジェフンの演技が良く、漏れ出た車の油を顔に塗りたくって死亡を捏造する必死さや、自分達を保護してくれた放浪者の一団を救う為に囮になるという彼の愚直な性格には、素直に好感が持てた。ライフルのスコープで狙ってくるリ少佐を見つめるスコープ越しのシーンも印象的。脱北後の髪型よりも、兵士時代の短髪姿の方が似合っていたと思うのは私だけだろうか。
そんなギュナムを追うリ少佐は、体制に迎合せざるを得なかった冷酷なリアリストだ。かつては賞を総なめにする有望なピアニストだったが、軍人家系故に夢を諦めるしかなかった。ピアニスト時代のライバルとの間には親密な関係があった様子で、電話帳にも“かつて愛したクソ犬”と登録している。だが、この同性愛要素についてはそれ以上の掘り下げもなく、特に活かす気もないのであれば不要だったようには感じる。恐らく、北朝鮮では同性愛も認められておらず、それ故にリ少佐はピアニストとしての“未来”だけでなく、彼との“愛”も諦めざるを得なかったという事なのだろうが。
音楽の盛り上げ方が良く、絶えず変化し続ける状況を効果的に、緊張感を持たせていた。
【失敗出来るという事のありがたさ】
「挑戦して失敗して、また挑戦して失敗してー。俺は失敗しに行くんです。ここでは失敗も許されない」
ギュナムが韓国との国境付近で、リ少佐に放ったこの台詞が素晴らしい。「成功する」のではなく、「失敗する」というのが良い。そして、失敗の許される日本という国に生まれたありがたさを噛み締めた。私は失敗し続けてきたが、今日もこうして生きている。
しかし、すぐ近くの彼の国では、失敗は許されず、個人としての自由や尊厳が無視され、従う事を強要される。その苦痛を考えると、リ少佐の「諦めて受け入れるしかない」という思いも理解出来る。だが、彼もかつては夢と希望を抱き、ギュナムに贈ったアムンゼンの本に「無意味な人生を過ごすなbyピアノ兄貴」と記していた。過去の自分が贈ったその一文は、まさに今、体制に迎合せざるを得ず、あらゆる事を諦めながら生きてきるリ少佐に刺さった事だと思う。過去の自分が、今の自分に「目を覚ませ」と言っているのだ。
そして、ラストでギュナムは自由と夢を手に、新しい世界を謳歌している。まだ見ぬ「失敗」へ向けて、彼の人生は進み始めたのだ。
【総評】
コンパクトな尺でテンポ良く描かれる、自由を追う者と阻む者の追走劇。日本では当たり前の「失敗」というありがたみを噛み締め、明日を生きる背中を押してくれる作品だった。
つまらなくはないがオススメもしにくい
映画としての完成度は申し分ない上に画の切り方が面白い!
自分は韓国映画などは一切見た事無かったのですが、この映画は予告編を見て画が何か独特な切り方をしている風に感じて見に行きました。
結果として大当たりの大満足でした。
まず前提として映画そのものの完成度は非常に高いです。後述する画の切り方の他にも脚本はまったくだれず、緩急緩急がしっかりと続いています。
引きも完璧で。長ったらしく序章をやったりはなく、もう本当にパッパッパッという形で観客に見せるという事を意識してしっかり脚本が作られているなと感じました。
音楽に関しても非常に完成度が高く、映像のテンポに合うようにしっかりと組み込まれていて作品としての一体感を感じました。
俳優陣の演技もバラエティー俳優とかじゃなくて(自分は韓国の俳優さんをあまり知らないのであくまで主観です。)没入感のある演技をしてくださった一流の方々だったと感じました。
そして、自分がこの作品を何よりも推したいのはこの映画の恐らく独特ともいえる画の切り方です!これが自分には何よりも面白かった。
あくまで主観的な感想になりますが、この映画の画の切り方は実写映画の切り方というよりは恐らく漫画やアニメといった作品の切り方に近いと感じます。
予告編を見てもらえれば分かりますが、(ネタバレではなく予告編にある映像で例えます)例えば追っ手の捜索隊が森の中で捜索するシーンで一列に並んで一斉に銃の構えを移動するといったシーンがあったりします。自分の体験だと、なかなかこういう風に実写で画を切る人はいないと感じました。
一般的な実写の切り方で言えば、追っ手を後ろから撮ったり前から撮ったりして緊迫感を演出するものだと思いますが、この映画ではそのようにあえてリアルさを捨てて(恐らくいくら北朝鮮兵士であっても森の中で一斉に整列してそのように人を探す事はないのではないかと思います)映像の一種の記号化というか、有り体に言ってしまえば漫画やアニメで多用するような伝える為の画みたいな画の切り方をしているように感じました。
主人公の脱北シーンでも、主人公のアップを多用するよりも常に広く右側から撮り続けるといった画が多用されており、これは実写映画ではなかなかみない画だと思わされるのと同時にこの映画ではそれがしっかりと活きていて作品の緊迫感や独特の雰囲気を作り出す事に成功しているように思います。
北朝鮮兵士の脱北するというある種単純で単調な話を、シナリオ、テンポ、音楽、画の切り方という映画そのものの要素を使って表現しきった「傑作!」と自分は感じました。
とてもよかったです!
韓国映画の真骨頂
脱北映画ですが、結末が読めてしまうのは仕方ないか!
かつて朝鮮半島の南北軍事境界の板門店で北朝鮮兵士が韓国側に逃げ込んで撃たれる事件が起きました。
脱北には命の危険が伴うことは昨年のビヨンドユートピアと云うドキュメンタリーでも見ました。
今回は飽くまで映画ですので現実とは乖離しているとは思いますが、ストーリーはほぼ想定していた感じでした。
兵役中の北朝鮮の軍人が脱北を試みようと奮闘する北朝鮮目線の作品。 本年度ベスト級。
国家に忠誠を誓う軍人と自由を求め脱北を試みる兵役中の軍人の熱い作品って感じだった。
ただ脱北を試みる作品と思いきや、色んな出来事が満載で楽しめた。
軍事境界線を警備する兵役中のギュナム。
脱北を計画。
脱走する準備として夜な夜な施設を抜け出し兵舎の周辺に埋め込まれた地雷の位置を地図に印し脱北のタイミングを図って行く感じ。
大雨が降ると地雷の位置がズレてしまう設定。
大雨が降る前に脱走を決行する展開。
北朝鮮の追手の人数がハンパ無い!
夜中に脱走兵を追う兵隊達が持つライトの数が凄かった。
脱走したギュナムを追う少佐のヒョンサン。
かつては幼馴染みだった2人が敵対する仲になってしまったのが泣ける。
ヒョンサンがギュナムが逃げる先を地図で先読みし、兵隊に指示を出す姿が印象に残る。
ラストの韓国との境界線のシーン。
鑑賞客を泣かせようとさせる演出が見え見えで涙が流れなかったのは残念(笑)
この手の作品であるあるだけど、主人公が銃で撃たれてもなかなか当たらなかったり、地雷原を走っても爆発しなかったりするのは想定の範囲内でした( ´∀`)
失敗したい
全39件中、1~20件目を表示
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