「【"失敗が許される国、南で幸せになる!"今作品は或る北の兵士が韓国との軍事境界線(DMZ)を越えようと必死に走る姿等ハラハラシーン満載だが、自由を求める姿がムネアツな、脱走映画の新たなる逸品である。】」脱走 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【"失敗が許される国、南で幸せになる!"今作品は或る北の兵士が韓国との軍事境界線(DMZ)を越えようと必死に走る姿等ハラハラシーン満載だが、自由を求める姿がムネアツな、脱走映画の新たなる逸品である。】
◼️軍事境界線の警護にあたるギュナム軍曹(イ・ジェウン)は、毎夜、地雷地帯に出掛け脱走ルートを探っていた。だが、部下のドンヒョクに先を越され彼の脱走が失敗に終わった事により計画はゼロリセットになる。
そこに、ギュナムの父が運転手をしていた彼の幼馴染でもある保衛部上級少佐ヒョンサン(ク・ギョハン)が軍事境界線警護に活を入れるために現れるのである。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・序盤のギュナム軍曹が夜な夜な脱走ルートを探すために、地雷地帯を進むハラハラシーンからの、予想の左斜め上方を行く巧みなストーリー展開に、一気に引き込まれる。
・ヒョンサン自身も北の独裁体制の中、高い軍事的地位にありながら、自分が打ち込んでいたピアノを自由に弾けない北の現実の映し方や、常に周囲の目を気にしながら生きる姿が、ラストのギョナムとの対峙シーンに効いてくる構成の巧さも秀逸である。
・ギュナム軍曹が、一時的に保衛部上級少佐ヒョンサンの庇護がある中で、それを隠れ蓑にして脱走計画を実行に移す様や、母に会いたい想いを持ちながら、母に送るネックレスを拾おうとして、ヒョンサンの銃弾に斃れるドンヒョクの姿は哀しい。
■だが、ギュナム軍曹が執念で北の追っ手を振り切り、韓国との軍事境界線(DMZ)にヒョンサン少佐の銃弾を2発受けながら這いながら必死に腕を伸ばすギュナムの姿と、その背後に立ち銃口を向けながらも、彼自身が重い責任を取らされることが分かっているのに、止めを刺さない決断をする姿が、ムネアツなのである。
<今作品は、ラスト、韓国で帰順者として新たに生きる道を見つけたギュナム軍曹が、ヒョンサン少佐の銃弾に斃れたドンヒョクの家族である母と妹に会うシーンでの彼の母から問われた”元気なんでしょ、ドンヒョクは。”という言葉に彼が付いた優しい嘘”元気でやってますよ!”と笑顔で答えるシーンなども、沁みる作品なのである。>
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