劇場公開日 2025年6月28日

「なんやかんや、多くの人に観てもらいたいのは間違いないっ!」選挙と鬱 スー(ジェーンじゃない方)さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0なんやかんや、多くの人に観てもらいたいのは間違いないっ!

2025年7月25日
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鑑賞方法:映画館

知的

驚く

ずっと観たかった映画だったが、今日上映されていることに気づき、急遽鑑賞した。

前半では、まったくの素人集団で選挙に挑むれいわ新選組の姿に、ある程度予想はしていたとはいえ、やはり驚かされた。

終演後のトークイベントには、監督や水道橋博士とともに、今回の参議院選挙で当選したゲスト・ラサール石井氏も登壇。彼は「社民党には、しっかりした選挙の専門家がいる」と明言した。自民党の新人候補を追ったドキュメンタリー映画『選挙』でも、手厚くサポートするプロの姿が描かれていたことを思い出す。

なんと69歳のラサール氏は、「選挙カーにいればマイクを握って手を振り続け、降りれば演説の連続。休む暇もなく、しかもサウナのような暑さで本当に過酷だった」と振り返り、それに博士も大きく頷いていた。

ラサール氏も博士も、そして山本太郎氏も、それぞれの本業をキャンセルしてまで、バッシングを受けやすい「タレント議員」という立場になるのは、相当な覚悟と志が必要だったに違いない。

つまり、「桃鉄でいうところのキングボンビーが25年間つきまとっていたのを、もう追い払わざるを得ない」という強い気持ちが、彼らを突き動かしたのだろう。

れいわや社民党の政策に共感できない人でも、その覚悟と姿勢には敬意を払ってほしいと思った。

山本太郎氏の男気には驚かされたし、博士の一本気なところも素晴らしく思えた。

また、他の人も書いていたように、「大人の青春映画」であり、「見事な伏線回収」がある作品でもあった。

ただ、なぜかは自分でもよくわからないが、私はこの映画にあまり「感情を揺さぶられ、熱くなる」ことはできなかった。

もう少し、鬱(正確には双極性障害、いわゆる躁うつ病)の苦しみに踏み込んでほしかった。その点が、少しもどかしくもある。

なお、登壇はしなかったものの、会場には東国原英夫氏の姿もあった。なんだか“得した回”だった気がする。

そして──本当にどうでもいい余談だが、もし相方が出馬したら、立候補名はどうなるのだろう? NHK方式でいくと、「知恵袋賢太郎」か?(笑)

スー(ジェーンじゃない方)