オステンデ

劇場公開日:2025年4月26日

解説・あらすじ

4時間を超えるミステリー長編「トレンケ・ラウケン」がフランスのカイエ・デュ・シネマ誌で2023年の年間ベストテン第1位に選ばれるなど、国際的にも注目の高まるアルゼンチンの女性監督ラウラ・シタレラが、2011年に発表したデビュー作。日常に潜むフィクションにのめり込む女性を描いた。

ラジオのクイズコンテストの懸賞で、ブエノスアイレス近郊オステンデのホテルに宿泊することになったラウラ。リゾートはシーズンオフで、後から合流する彼氏を待つ間、彼女は2人の若い女を連れてホテルに滞在する中年男を観察しはじめる。男の奇妙な態度に好奇心をくすぐられ、ひそかに繰り広げられているかもしれない男をめぐる物語を解き明かそうと想像をふくらませてゆくラウラだったが……。

「トレンケ・ラウケン」の劇場公開にあわせた特集上映「ラウラ・シタレラ監督特集 響きあう秘密」にて日本劇場初公開。

2021年製作/85分/アルゼンチン
原題または英題:Ostende
配給:トーデスフィルム、ユーロスペース
劇場公開日:2025年4月26日

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映画レビュー

4.5謎を生み出す力

2025年5月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

2021年。ラウラ・シタレラ監督。懸賞でアルゼンチンの海辺のまちオステンデにやってきた若い女性。彼の到着を待つ間しばらくホテルに滞在していると、怪しげな中年男と若い黒髪の女性が争う場面を見てしまう。同行している若い金髪の女性も合わせて3人の問題ありげな挙動を追っているうちに、犯罪のにおいをかぎつけて、、、という話。
目撃シーンから最悪の事態を妄想(推理)してしまうのはまさにヒッチコック的。もう少し「くしゃくしゃに丸めた手紙」にこだわっていただきたかったくらい。また、普通の生活に知らぬ間に謎が入り込み、知らぬ間に解決しているというのはロメール的でもある。冒頭でタクシーに乗るシーンとラストの波打ち際のシーンはもう少し光があったほうがいいような気がするけれども。
主人公が妄想(推理)した内容と、映画のラストシーンが当たっているようにも見えるし外れているようも見える。それなりに結末が描かれながらも謎が謎のままに残っているのはいい映画の証拠なのかもしれない。

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