でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男のレビュー・感想・評価
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殺人教師ってかなりセンセーショナル。
綾野も色々あってカッコ悪い役も行けるようになって来て良い感じ、ダメオジ感素晴らしかった。
柴咲コウも「蛇の道」あたりから見開いた空虚な目がマジ怖い。
この事件の事は覚えているけど、結末までは知らなかった、、そうか冤罪だったのか。
具体的な目撃証言、物的証拠が無いのに学校と教育委員会の事なかれ主義により謝罪してしまった事が話を悪い方に導いてしまった。
マスコミに煽られどんどん悪者になり、追い詰められて行くのが怖いよね。
判決後さらに学校や教育委員会との裁判になるあたりがリアリティあるしなかなか渋い、まさに戦争だ。負けてもただじゃ済まない感じ。
あのご家庭はどうなってしまったんだろうね?
まあ崩壊したんだろうと予想するとちょい可哀想だ、、、が人を呪わば穴二つという事で。
それでもスッキリしない
はじまりが些細なことだったとしても、声高に一方的に主張する人、こと流れを優先する組織、丁寧な裏どりをサボるメディアにより、人は壊されます。
でも真実が歪められしまうことはないと願いたいし、この実話においても救いはありました。
支えてくれる伴侶がいたし、真実を求める真の弁護士がいたし、配慮ある眼を持った第三者もいて、望ましい結果に至ったのだけれど、何だかスッキリはしません。
それがこうした事案の結果としては常なのかもしれませんが、日本の裁判制度のせいなんでしょうか、あるいはそれが真実の難しさなんでしょうか。
本当の救いは、ご子息の進路選択にあったように思います。
「怪物」とのダブり感を気にしていましたが、裁判の流れが柱にあったり、親子の存在が異質なものだったり、まったく違った楽しみ方ができました。
先生になりたいと思う人がこれ以上減らないように願っています。
結局人が怖い
胸糞わりぃ。
何とも歯痒い結末が絶妙の感慨深い作品に!
セレブリティ志向の強い虚栄心の塊のようなサディスティック女が裁判の持つ魔力に取り憑かれ…… 実話に基づく社会派ホラー?
ポップ•アートの旗手と呼ばれたアンディ•ウォーホルが言ったとされる有名な言葉に「未来には、誰でも15分間は世界的な有名人になれるであろう」というのがありますが、世界的とまではいかなくても15分間よりはるかに長く、そこそこ有名になれる方法があります。社会的に注目を浴びそうな案件で誰かを訴えて法廷闘争すればいいのです。
私の知人(友人と呼べるほどではない)にある裁判で原告団に加わった経験を持つ人がいます。彼は善良で地味で物静かな四十男(当時)で強く自己主張をしたり、積極的にリーダーシップを取ったりするようなタイプではありません。そんな彼にとって裁判は一生に一度の晴れ舞台で、出廷しただけで舞い上がってしまうような素敵な出来事でした。賃金をめぐる争いでしたが原告団は被告側が提示した和解案を蹴り、一審では勝訴します。「勝訴」と墨で書かれた紙といっしょに記念写真におさまり、彼も嬉しそうでした。でも、二審では雲行きが怪しくなり、結局のところ、弁護士と相談しつつ、和解案をのんで手打ちとなり、彼の晴れ舞台は終わったのでした。この場合では、原告団は最初は裁判という状況に舞い上がりつつも結局は経済的合理性に基づいて判断して手打ちとしました。でも、世の中にはそんな合理性などこれぽっちも持ち合わせてなくて、ただ他人を貶めて優越感にひたり、おのれの虚栄心を満たすために裁判を利用する人がいるんですね。心底、怖かったです。
そう、この事実に基づく物語に、小学生の息子を持つ母親として登場する氷室律子(演: 柴咲コウ)はセレブリティ志向が非常に強く、虚栄心の塊のような女で自分についても数々の虚言で塗り固め、いいイメージを作ろうとしています。そんな女が格好の餌食を見つけてしまいます。息子 氷室拓翔(演: 三浦綺羅)の担任の教師 薮下誠一(演: 綾野剛)です。彼女は夫(演: 迫田孝也)とともに学校に怒鳴り込みに行き……
経緯を見ていてため息が出てしまったのは、薮下先生が氷室夫妻にやってもいない体罰を認めて謝罪するところです。確かにこの「でっちあげ」裁判の元凶は、自分が特別な人間であることを見せつけたいと常に考えている氷室律子にあるのは明白ですが、裁判にまでなってしまった原因のかなりの部分は、厳しい言い方になりますが、この薮下先生のトラブル対応に際しての初動ミスにあると思います。校長(演: 光石研)、教頭(演: 大倉孝二)の命令に逆らってでも「やってません。証拠はあるのですか?」と突っぱねるべきでした。私も元サラリーマンのはしくれ、上司と部下が喧嘩したら百パーセント上司が勝つくらいのことはわかっています。まあでも今回はこの上司ですからね。よくいうところの「上司が部下を見抜くには3年かかるが、部下が上司を見抜くには3日もあれば十分」で薮下先生も校長や教頭がどんな力量の持ち主かよくわかってるはず。また、薮下先生は日頃の行ないがよく人望もあるみたいな感じでしたから、"この時点なら" 自分のクラスの児童やその保護者、同僚の教師たちの多くも彼の味方になってくれたはずです(安藤玉恵演じるあの母親もこの時点なら、そんなはずはないと言ってくれたと思います。そんな彼女でも、あの時点だとあれが精一杯になりますが)。
結局、校長/教頭の命令に逆らうのは既知のリスクです。でも、体罰を認めて氷室夫妻に謝罪するというのは未知のリスクになります。あの予定も入っていなかったにもかかわらず夕食後の時間に呼びつけた家庭訪問の件で氷室律子は要注意保護者リストの筆頭になっていたはず。返す返すもこの初動のミスは痛かったと思います。私もなんとか定年まで逃げ切れましたが、トラブルもいろいろとありました。この映画を観て思ったのは、私に関して言うと、正直言って折り合いの悪い上司もいましたが、幸いなことに、この校長/教頭のような無能な上司についたことはありませんでした(まずは部下の話をよく聴き、その後に現場に行って子供たちの話を聞いて事実確認してから対応を考えると思うのですが、それもせずに、ただ謝れって……)
あ、これ、映画のレビューでしたね。私は三池崇史監督とはあまり相性がよくないと思っていました。露悪的なところとか、演出に品がないところとかが気になって。でも、この作品では程よく抑制された品のなさがうまく機能して、そこそこ面白いエンタメ作品になっていたように思いますし、事実に基づいた物語ということで、いろいろ考えさせられることも多かったです。
事実は小説よりも奇なり
実際にはもっと複雑で入り組んでいる事件なのだが、2時間の映画ですべてを描き切るのは難しい。だからこそ、物語の展開が分かりやすくまとめられている。結果として、映画としては十分に面白い作品になっていると思う。
演者の話。
綾野剛は二つの顔を見事に演じ分けており、その演技力には改めて感銘を受けた。
また、柴咲コウの演技には、ドラマWシリーズ『坂の上の家』での役柄が重なって見えた。感情がないサイコパス的な人物を演じさせると、彼女の表現力の高さが際立つ。あんな目をできる役者はなかなかいない気がする。
小林薫さんは言うまでもなく素晴らしい。役どころも一番いいポジションだったので、彼が演じたのは良かった。
まとめ
あんなセンセーショナルに訴えられると、たとえ冤罪だとしても二度とそれまでの日常に戻れない可能性さえある。メディアや報道のあり方を改めて考えさせられた。
これがフィクションなら…
抵抗できない独り歩きする言葉の怖さ
事実に基づく話
しかも描きようによっては本作に出てくるマスゴミと同じ穴の狢になってしまいかねない。
そのため、なんともすっきりしないラストになってしまったことは否めない。
この事件に発想を得て事実ではない話としての方が自由度が増したろう。
胸のすくような後味のいいラストにできたのではないかと惜しまれる。
とは言え、ずっと相性の良くない三池監督作品にしては違和感なく観賞できた。
モンスターペアレントはもちろん、
マスゴミや人権派を称する弁護士の恐ろしさが存分に感じられて戦慄した。
最近粗製濫造されているホラーより遥かに怖い。
学校や教育委員会の体質もよく表現されていた。
綾野剛の熱演や柴咲コウの素の姿も胸に迫った。
PTSDと聞いてずっとフジの中居騒動が頭から離れなかった。
場面は違えどこの状況酷似してない?
裁判で真相が争われることがない状況に追い込まれている分、さらに薄寒いけど。
事実に基づかない話としてどこか映画化しない?
本作同様マスゴミはできないだろうけれど。
平板すぎ
最初の二十分くらい、綾野剛が虐待してるところは不謹慎ながら、ちょっと面白かった。「いくらなんでもそんなことするか?」と心の中でツッコミつつ見ていた。
が、そこから冤罪話になると全然面白くない。というか見るべきものがなかった。キャラクターもシーン(隠蔽体質の校長とか保護者説明会での吊し上げとか)も是枝監督の「怪物」で見たようなものばかり。
途中からは何かと言えば綾野剛が泣いてた。
冤罪だけに話をふったのが失敗では? もっと別視点を加えて羅生門システムを徹底し、「あれ、これはどっち? ほんとに冤罪なの?」とこちらの心を揺さぶる展開にしたほうがよかったか。そうなると原作とは話が離れてしまうが。
いずれにしても三池監督の中では駄作の部類だろう。こちらの予想を1ミリたりとも超えてこない。監督には悪いがお仕事としてこなしたということなんだろうね。
追 綾野剛が追い詰められてるのに「悪手」ばかり指すのは原作のモデルがそういう人だからだ。ただ、モデルの人はあんなに泣かないだろう。鈍感すぎて危機意識が低く、ドツボにハマった感じの人だったので。
最初に答えありきの怖さ
私と勇気はあなたの味方
予告編で気になっていたので9:40から観ました。いやぁ~良かった。舞台は2003年の地方都市。小学校教諭薮下は、保護者の律子に息子の体罰で告発され、聞きつけた週刊誌記者の鳴海が実名報道をしたために、世間の格好の標的になる。律子が薮下を訴えた民事裁判の場では両者の主張は真っ向から対する。教師は叩いてもいいんだとなればメディアが作り上げる「真実」に乗っかってとにかく叩く時代。本作は、福岡での実話をもとに書かれた原作を映像化したもの。教員が対象となっていたが、どんな職業に就いている人にも起きうる可能性があることが恐ろしい。メディアリテラシー、教育、司法、医療の在り方までを問う作品に仕上がっている。キャスト陣の演技が良かった。綾野剛の演技が素晴らしかった。観て損しない作品です。日本中の教師は観るべき映画です。
祝・三池崇史、新境地作品で完全復活
生徒への体罰、自殺強要の疑いで社会的に破滅させられた小学校教師の裁判をめぐる社会派サスペンスの力作です。硬派な内容なんで、てっきり監督は藤井道人かと思ったら、なんと畑違いの三池崇史でさらに出来の良さに二度ビックリで嬉しくなりました。被害者児童の母親の視点から教師の非道振りを徹底的に描きながら,裁判の口頭弁論で教師が全面否認するところでタイトル画面、一転して教師の視点からお話しが展開する語り口のうまさが絶妙です。羅生門スタイルかと思ったら、一人の男が周囲によって極悪人に仕立て上げられると言う誰にでも起こり得る恐怖と絶望に焦点を絞っているのが、この作品の見どころです。役者では、綾野剛、柴咲コウの二人の演技の切り替えがうまく、引き込まれました。主人公を支える弁護士の小林薫も人情味溢れる名演でした。
娯楽作品と周知の狭間で
重いテーマの作品を見る度に思うことがあります。
「この作品を映画化して娯楽作品として昇華していいものか」
と思う自分
「いや、こういう題材だからこそ、皆に知ってもらうために映画化の意義がある」
と反論するもう1人の自分
果たして正義はどこでしょうか?
この映画は、"娯楽的な"作品ではありません。
消費されるために扱われるテーマではなく、
とてもとても真摯に受け止め、
丁寧に描かれている作品と言えるでしょう。
私は、この裁判も、小説も知りもしませんでした。
そういう意味では、知らしめられ教訓になったことを嬉しく思います。
ネタバレは書きませんが、
これだけは言いたい。
立場の上の者が守っていれば、
真っ向から証言する人がいれば、
マスメディアが真実を追求していれば、
このシナリオは、決して引き起こらなかった。
肝に銘じましょう。
明日は我が身です。
ここで、この映画を外側から見た人間として、
『腐れ外道とチョコレゐト』という曲のラストサビの歌詞を引用します。
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あることないことばっかの 甘い甘いチョコを舐める 嗚呼
真偽はどうあれ 添加物だらけ 美味い餌をあげる
銀紙の中身暴けば わかりやすく人は群れる 嗚呼
その裏こっそり 誰かが黒い雨を降らすのでしょう
綺麗ごとは嘘くさくて 下世話な蜜が真実でさ
あなたもかい? そりゃ私もそうだよ
なんか嫌だね
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是非、鑑賞後に聞いてみてください。
刺さりますよ。
全216件中、21~40件目を表示
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