でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男のレビュー・感想・評価
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今回は(も?)しっかり外れ演出…
時間が許せば極力拾うようにしている三池崇史新作
ファーストカット、弁護団がメディアに囲まれながらこちらに向かってくる。タイトルからもうかがえるような、誤情報による私刑へのアンチテーゼは冒頭から見て取れる。
が、育児放棄からなるいわゆる毒親の系譜みたいなテーマが入ってきて2軸で物語を進めていこうとする。
これを三池は軽やかに料理はするが、味気ない。
柴咲コウの目線はまるっきり削ぎ落としても良かったかのしれない、いや、もっと言うと全て柴咲の目線で物語を進めたほうが面白かったかもしれないとさえ思う。
今作の流れからいけば、ある種のサイコパス的な演技は十分にできていたと感じるし、それだけに彼女目線のシーンが説明臭くなりいらない。であるならばいっそ振り切ってしまって、彼女の生い立ちをもっと丁寧に描くことによって見える親子が抱えている問題の方が、今を切り取る上で大事であるように思う。
主人公が彼女であり、あの境遇から明確な劣等感を持って成長し、富裕層になるも毒親の系譜を辿る軌跡のほうが個人的には観てみたかった。そちら側の都合に焦点を当ててみれば、思考を広げてくれる何かに触れる可能性もあったのでは?
原作は未見だが、冤罪を晴らす話だろうことは想像できる。それを観れる映画にしてしまう三池の手腕はあるにはあるが、原作という題材をどう料理するかは監督の力量であり、その点で今回は味気ないものになってしまったと感じる出来になっている。抜くときはしっかり手を抜く癖は相変わらずだなぁといつも思いながら、それでもたまに当たり引けるから追いかけるが、今回は残念。
あと、ラスト木村文乃が死んでいるという描写は必要だったんだろうか?原作(今作は事実に基づく)通りと言えばそれまでだが、作品としての必然性が感じられなかった。たとえ映画であっても無意味に人を殺してはいけないと常々思っていたが、今回の妻の死は作品の中での意味を見いだせなかった。この辺、わかる人がいれば是非教えて頂きたい。
原作があるものの映画化は原作をなぞるだけではどうしてもつまらなくなる(場合が圧倒的に多い)。それでも一応映画として成立させる三池崇史。
ホラー映画より怖い
予告から気になってた映画だったので鑑賞しました!
2003年
小学校教諭・薮下誠一は、保護者・氷室律子に 児童・氷室拓翔への体罰で告発された。 体罰とはものの言いようで、その内容は聞くに耐えない虐めだった。
これを嗅ぎつけた週刊春報の記者・鳴海三千彦が"実名報道"に踏み切る。
過激な言葉で飾られた記事は、瞬く間に世の中を震撼させ、薮下はマスコミの標的となった。
誹謗中傷、裏切り、停職、壊れていく日常。
次から次へと底なしの絶望が薮下をすり潰していく。
一方、律子を擁護する声は多く、"550人もの大弁護団"が結成され、前代未聞の民事訴訟へと発展。 誰もが律子側の勝利を切望し、確信していたのだが、法廷で薮下の口から語られたのは
「すべて事実無根の"でっちあげ"」だという完全否認だった。
これは真実に基づく、真実を疑う物語。
というのがあらすじ!
最初は氷室律子からの視点から始まり途中から薮下誠一の視点に変わります
綾野剛さんと柴咲コウの演技がすごかった…
1人で二役みたいな感じだったしそれに怖かったです…
特に柴咲コウさんが無表情で感情がない目つきでゾッとしました…
体罰をしているとか身に覚えなのないこと言ってくるしまさにモンペですよね
訴えてくるし550人弁護団って多すぎるって思ってしまいました笑
あと祖父がアメリカ出身ではないことがバレても言っていないと言ってシラを通すのがすごい…
そして子どもの一言で相手の話を聞かずにしかも思い込みでここまで人を追い詰めて攻撃するのは怖いし理解ができないですね
子どもが心配な気持ちは理解できますけどそんな感じじゃないように見えた気がします
しかも校長と教頭もとりあえず謝罪しろ、しとけばなんとかなるみたいな感じ
一方的すぎるし教育委員会も何で薮下の話に聞き耳を持たないのかも謎🤔
校長に関しては無事に定年退職したかったのが理由?
にしても理解不能でした
そして週刊誌やテレビも一方的な報道でしたね
先生が悪い前提でやってたし…
第三者の証言が得にくいからこうなったのか…
もうちょっと多角的な視点で見れなかったのか…
薮下があまりにも一方的に攻撃されててしかも理不尽すぎてみててつらかったですね
今のSNSと似たような感じでしたね
それに息子さんもいじめられたりしてないか心配でした…
裁判は勝ったみたいだけど体罰に関しては10年後になかったと認められたのは長かったですね
よかったですけど!
でも奥さんは亡くなってたみたいですよね
一緒に喜んでほしかったです😔
この映画は実を元にしてあるみたいでどこまでがほんとなのかわからないですが怖いですね
氷室律子が特に怖すぎました…
あの裁判後はあの親子がどうなったのか気になりますね
それと一方的な情報ばかりを鵜呑みにしないよう気をつけていきたいです
特に今の時代はSNSでたくさんの情報を見ることができますしどれが正しいのか見分けることができるようになりたいですね
いろいろ考えさせられました!
いい映画をありがとうございました!
柴咲コウがイメージぴったりで
ライン漫画で読んでハマって購入。綾野剛で映画化されると聞いて楽しみにしてました。どのキャストもイメージぴったりで映像化に成功してる。さすが三池監督。特に柴咲コウが虚言癖の母のイメージそのもの。息を吐くように嘘をつき、表情を変えない、お化けより不気味で怖いよ。PTSDの嘘が暴かれるところはもっと深掘りしても良かったし、もう一段どんでん返しが演出できるとより良かった。漫画を超えてないため、若干厳し目の評価です。
善人の罪の物語
職人芸のたまもの
これは昔原作を読んでいた。映画を見ていてディテールがちょっとだけ先行しながら頭に浮かんできた。それからするとかなりフィクションに、つまり、ドラマにしている感じがあった。描かれていることが、ではなく「役者のドラマ」になっている。キャラクターを作ってキャラクターを演じている。言ってみたら「巻き込まれ型気の弱い教師VSサイコパス型モンスターペアレンツ」でキョドってる綾野と瞬きしない柴咲コウの対決。三池崇史監督といえばサイコパスバイオレンス映画全盛期のその筆頭みたいなイメージがあるが、そのやり方に、実録ヒューマンを混ぜ込んだ形か。
三池以外のサイコパスでいうと『黒い家』というのもあったが実話ゆえにそういう振り切りはできないので割と丹念に職人技をまとめあげていく映画になっていて、更に役者陣も、もうすっかりベテランな綾野剛と柴咲コウと超ベテランの小林薫の安定感のある映画になっている。特に綾野剛は本当に達者だな、と思える作り込み。
とはいえメッチャ面白いかというとやはり三池崇史と綾野剛ならもっと別なフィクションをやった方が良さそうな気がした。こういうのは白石和彌監督とか吉田恵輔監督とかのほうが向いてる感じ。
ブルータス、お前もか!
『福田ますみ』による原作は既読。
単行本のタイトルは〔でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相〕。
2010年の文庫化にあたり「でっちあげ事件、その後」の章が追加されており、
映画でもほぼそこまではカバーされている。
「モンスターペアレント」との呼称がまだない時代。
しかし、その萌芽は1990年代頃からと聞く。
イマイマでは様々な対策が取られるようになったとはいえ、
教師の側を守る手段としては十分ではないだろう。
それが2003年時点では、いかばかりのものだったか。
きっかけは「朝日新聞」の報道で、
それに「週刊文春」が追随する。
片や社会の公器を標榜し、
一方は「文春砲」とそやされながら、
両者の言い分をきちんと聞かず、
丁寧な取材無しにセンセーショナリズムに奔ったのがこの結果。
とりわけ後者が自社の方向性とは異なる報道に対して
徹底した弾劾姿勢を執ったのは書籍でも書かれているところ。
他のメディアも流れに乗る。
部数がはけて数字を取るために人権を無視するのは
何時から始まったのか。
学校というヒエラルキー社会の中で、
校長や教頭の事なかれ主義は昔からあり、
謝って嵐が通り過ぎるのを待てば、
自己の地位も安泰との考えは、相手を軽く観ているから。
時としてしっぺ返しも喰らうのは世の常。
教育委員会についてもそれは同様。
結論が先にありきで、一教員の言い分など鼻から聞く耳を持っていない。
勝ち馬に乗ることを優先したのはメディアだけではない。
大掛かりに組織された原告の弁護団とて同罪。
主任弁護士は依頼人の利益の為に働くのは当然も、
社会正義を成す立場の者が
虚偽の履歴を述べていることすら検証しないのは罪が重い。
また精神鑑定医にしたところで、
正しい面談が行われていないのは明らかで
結果が一人の人間を破滅に追いやる可能性など顧みもしない。
こうしてみると、
社会的な権威とされるもの全てが
間違った拙速な判断を下した故の免罪と取れる。
2008年の控訴審が結審した後でも、
(とりわけ)メディアの側からは何の検証もされていないと
記憶している。
被告となる教師を演じた『綾野剛』は
自信無さげに過ぎるように感じたが、
改めて原作を読み返すと
そうでもなさそう。
そして「サイコ」とも見える母親を演じた『柴咲コウ』が嵌っている。
〔蛇の道(2024年)〕に次いでのダークな役柄。
ただでさえ白目勝ちの大きな目を見開き瞬きもしない。
表情を消した面立ちは爬虫類をも思わせ、
観る者の心胆を寒からしめる。
『三池崇史』は、よくぞこの二人をキャスティングした。
映画を超越した衝撃
映画の質は・・・まぁ非常に良かったんじゃあ・・・というかそんなことを気にする余裕のないくらいにこの衝撃的な内容にどっぷり─それぐらいナチュラルでごく自然なパフォーンマンスと作り込みだったということは確実です。
実話がもととはいえ、ドラマだとはっきり認識できる劇場作品でしたが、迫り来る感じは半端なかったので、柴咲コウさんや光石研さんが理不尽なコメントで溢れかえる心配すらしてしまいます。とはいえ、この作品をしっかり見ていればそんな不当なことをするはずもないのですが、逆にこの作品から感じる怖さもまた大きかったりします。
ひとつひとつ、細かいところで違和感だったり嘘っぽさを感じても、それらが積み重なって確固たる現実を作り上げてしまう・・・ということは結構あるんじゃないかと思います。その極端で悲惨な例がこれなんだなぁと他人事のように眺めながら恐怖や悲しみをもって見続けていました。そして同時に日々の溢れかえる情報は果たしてどうなんだろうと色んな出来事をアタマに浮かべながら、ヤバイなこれ・・・としみじみ思いながら、それら出来事に一喜一憂してお金や人が蠢いているやるせなさ・・・考えすぎるともう生きていけない気がするのでとりあえずは冤罪は決してないようにということだけを思いながら生きていこうと思った次第です。めっちゃ引き込まれて色々と考えさせられた作品でした。
キャストが正解だと思う
基の事件は全く知らなかったけど学校の対応(校長・教頭・教育委員会)や週刊誌、マスコミが容易に想像つく描かれ方だったから本当に観ていて気分が悪かった。
どこまでが実話でどこがフィクションなのかわからないけど作品では描かれなかった薮下先生の奥さんや息子の辛さや大変さは相当だっただろうなと思う。
湯上谷先生のリアクションと薮下先生の腑に落ちてない感じはもう本当に司法に携わる人間と一般人のギャップを上手く出せていて良かった。
一般人からしたらこの結果は本当に喜ぶことなのか?と思うようなことも司法関係者はこれはすごくいい結果ですよみたいな感じだったりすることは本当に現実ではよくある。
光石さん、大倉さん上手すぎて本当に腹立たしかったし小林薫さんは改めて言うまでもなく上手いし小林さんじゃなかったらこの映画こんな風に仕上がらなかったんじゃないかと思う。
柴咲コウさんはいつもの演技って感じだけどまあ役的に合っていたので適役の人で良かったなというのと、綾野さんもそこまで演技の幅が広い方ではない方だと思っているけどこの役は綾野剛でこそという役でとても良かったので全体的にキャストが良かったから成功した映画という感じで題材が題材なだけにキャスト失敗しなくて本当に良かった。
実は三池監督作品と知らずに観てエンドロールで驚いた。
三池作品はそれほどたくさん観てはないのであくまで個人的な印象だと、こういう作品も撮るんだなという感想だったけど知ってみれば確かに三池作品らしい描かれ方だったなと納得。
なんか責任取ってない奴ら多すぎる
2025年劇場鑑賞190本目。
エンドロール後映像無し。
予告の時点で先生が生徒の前でめちゃくちゃ暴行や暴言をしていて、その後やってない、と言っているので、偽りの証言を映像化した羅生門方式なんだな、というのは分かったのですが、じゃあ見ていたはずの子供たちに聞けば簡単に真実が分かるのに、裁判にまでなったということは、クラスの子供たちが全員グルになって先生を陥れようとする話なのかなと思っていました。
実際はとんでもない適当さでどんどん無実の人間を周りが社会的に抹殺しようとしていて、そいつらが全然責任取っていないのに吐き気がしました。
そうは言っても多少映画だから先生側に有利な展開に脚色しているのかな、と実際の事件の裁判記録や当時の様子を調べたらほとんど映画の通りで、500人の無能な弁護士団とか、適当な医師、クズ校長、サイコパスペアレント、クソ文春、バカテレビ、全部実在したと思うと怖すぎました。
もう途中まで先生が明らかな悪手を打っていくのをダメだって!と心の中で思ってしんどかったですが、小林薫演じる弁護士出てきてからはホッとしました。ちなみにこの弁護士さんは実際には2人の方らしいです。1人に信じられるより2人に信じられた方が心強いと思うので、ここは2人のままにして欲しかったとは思いました。
⭐︎3.8 / 5.0
やっぱり人間が一番怖い。
木村文乃さんで泣いた
原作を知りませんでした。最初1分でも見逃すと内容がわからなくなるかもしれないです。ん?ここから?でした。綾野剛さんの表現の仕方が豊かで緊張感が伝わりました。そうだよ、しょうがない、いらつくよねーって言いたくなりました。はじめの方は辛くて目を伏せてしまうこともありました。親目線では大弁護団もいるしコウさん一家に味方したくなるし、週刊誌も信じるし、何が正解なのかわからなくなりました。
そんな時に木村文乃さん…。泣きました。
個人的にじゅんやくん一家の伏線回収してほしかったのと、コウさん一家の旦那さんなのか弁護士なのか途中どっちなのかわからなくなりました。(うるさい方が旦那さん笑)
真実はさておき
実話ベースでありながら、現代の私刑社会に対する悲痛な叫び
監督が三池崇史さんなので
結構えげつない展開もあるかと勘ぐったが
さすがに実話ベースの作品なので
めちゃくちゃ忠実に作られていた。
ベースとなった事件は調べれば出てくるので
この映画を鑑賞したあとにぜひ見てもらいたい所。
それでも供述パートで見せる演出は
見ているだけでも反吐が出るくらい見てられない。
それというのも
とにかくキャスト全員の演技力が高いので
ムナクソ悪いシーンは本当にムカムカするぐらい
おもいっきりムナクソ悪い。
特筆すべきはやはり綾野剛と柴咲コウで、
感加害シーンを見て嫌悪感が芽生えたかと思えば
被害シーンで一気に同情する。
あまりに演技がうますぎる。
マスコミなどによって
面白おかしく書かれた情報を盲信し、
誰かを世間が一斉につるし上げるという現状は
20年前と何一つ変わっていない。
むしろ今はSNSという文化が広まったことで
あの頃よりも正義という名の私刑は
タチが悪くなっている。
最後の意見陳述は
そんな世の中への皮肉なのかもしれない。
ホラーよりリアルに身近な人の怖さ体感@@!
土曜レイトショー『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』
原告目線と被告目線の描写予告が気になり劇場へ
いやぁ〜柴咲コウの表情の使い分けも見事でしたが・・・
綾野剛にサイコパス演じさせたらもう目つきが本物のモンスター
年明けの賞レース参戦決定の凄さでした!
自身も一つのミスから同じようなモンスター裁判経験した事ありますが・・・
書類のやり取りより意見陳述って大事なんですよね
この時代、スマホで盗聴・盗撮人を陥れるの簡単なんでホント怖い世の中です
まぁゴシップ誌の利の目的を考えたら信用出来ないメディアである事は間違いない
終盤の年月の流れ見るとNetflixなどでドラマ化の方が良かったのかもですが・・・
コレ見たら先生になりたいっていう人益々減りそう^^;
原告と被告、及び被告弁護人の演技を観る映画だった。
高評価のレビューが多いので、鑑賞してみた。
実話に基づいた映画だか、20年程前にそんな事件があった事を全く記憶していない。裏取りもせず、センセーショナルな話題に飛びついたマスコミ報道に呆れる。現在、SNS上では裏取りなど端からせず、噂だけが飛び交っていて、前より酷いかも。
綾野剛の演技力は当然で、難しい役を演じた柴咲コウを褒めてあげたい。法廷を離れた小林薫は、観客の緊張を和らげ、ホッとさせてくれる。
どうして、こんな虚言症の母親が生まれたのか興味があるが、それは原作を読めと言うことかな。
私の小中学校時代(55年以上前)、悪い事をすれば先生から体罰を受けても普通だった。特に男子は。さすがに女子は無かった(でこピンはあったかも?)と思う。
フラストレーションばかりが募る映画
早い話、異常なモンスターペアレントに教師人生を壊される話で
主人公はとんでもない思いすることになりますが、なんとこれは実話だそうです。
主人公と共に、視聴者側はひたすらフラストレーションを溜め込みます。
何とかして虚言癖と被害妄想を持つモンスターな氷室親子への復讐を果たして
ほしいと願うが、ラストはあっさりと「あの親子が今どうしているかわからない」
だけで終わっていて、10年以上の人生を滅茶苦茶にされているのに
「え?それだけ?!」って思ってしまった。
あの週刊誌記者含むマスコミや校長、氷室親子3人への復讐が全く終わっておらず
実話ゆえの副作用というか、圧倒的にカタルシスが足りない。
自分はこれから、実際の事件とやらをググってみようと思いますが
なんでしょう、、映画としては消化不良。
すごく不快なドキュメンタリーだと思ってほしい。
「でっちあげ」は誰がやったのか。実際に有った冤罪事件が元になっている事を知ると、世の中にまき散らされた情報を正確に収集する事の大切さが理解できるはず。
まず悪口ではないのですが、様々な役を上手に演じるこの作品のキャストの中で、特に悪役に関しての演技力の高い「柴咲コウ」「亀梨和也」「北村一輝」の名前を見つけた時、大体の方向性は予見できたのですが、第六感が大当たりして想像通りの結果になったことに驚きました。それを隠すキャストを探したところで、演技力はともかく年齢や容貌を満足させるキャストが思い当たらないので、この配役は良かったと思います。
何パターンかある予告編の中で、綾野剛も柴咲コウも優しい面と狂気の面の両面を、これでもかといった感じで渾身の力を込めて演じているので、これもまた作品の本筋が何かをラスト間際まで隠すのに良い効果をもたらしていると思いました。混沌とした話の流れの中で、小林薫の演じる弁護士の登場で心が落ち着いたのが唯一の救いでした。やはり架空ではない原作があると、脚本もそれに引っ張られて力強い構成になるのだと実感できました。
この作品では死者は出ませんでしたが、実社会では親も子供も教師も邪悪な面をもった人間がいて、悲しくも犠牲者の出る事件が頻発しているのも事実です。終わり近くに短く挿入された、校長が退任するワンシーンで理解した方も多いと思いますが、現実でもつまらない自己都合の保身のために、多くの人を悲しませて犠牲者まで出しているという事を考えれば、ドキュメントの名を借りたホラーがある現実世界に我々が暮らしているという事に恐怖を感じます。
全426件中、301~320件目を表示










