「怖い」でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男 こしひかりさんの映画レビュー(感想・評価)
怖い
これが実際に起きた事件だったとは?!
存じ上げなくて。
どれだけの人が、こんな事件があったことを日本中の人々の記憶に残ってるのだろうか。
当事者の方からすると
知らなかったということもそれは怖いことです。
ほんとに
信じられない。
怖い。
まさかこんなことになっていくなんて。
綾野剛 柴咲コウのサイコな演技も怖い。すごい。
個人的にはこの内容が真実だったことが
強烈なことでした。
もちろん『怪物』を思い出しました。
ん?もしやあの『怪物』は先にこの事件をモチーフに作られていたのだろうかと浮かびました。
双方の意見の食い違いや校長、教育委員会の事なかれ主義の体裁で、弱い立場になってしまった教師を追い込む。
片方(父兄側)の主張のみが一人歩きしてしまう。
ある意味子供が怖い。
親の顔色や親の解釈通りに行動を寄せていく。平気で嘘をつける。
実際 教師側の主張が虚偽であることも現在教師による不祥事も多くあることは確かだけれど
あたかも真実のように捏造された親子の主張で陥れられていく。
どうやら信じられないけれど
世の中には平気で嘘をつける、捏造できる人間もいるのだ。
そしてなにより世界中さえ敵にしてしまうマスコミからの攻撃が世間を煽っていく。
責任のない誹謗中傷
そして教師の主張が奇跡的に
認められるまで時間かかりすぎでした。
子供好きで教育熱心なこの教師の生きがいである教職生活、人生のほとんどはもうすでに過ぎてしまっていました。
時間は戻らない。
人々の記憶からも遠くなっていっていました。
教師の家族が信じてくれていたことだけが救いでした。
彼を救ってくれた老弁護士は神でした。
綾野剛はおおかた
ヤクザ役がハマりですが逆に印象が変わる教育熱心な真面目で優しい真摯な教師役がまたギャップなく演じれるからすばらしい。
こうして事件は真実のように報道され
その力に対してどうしようもない無力さのまま
冤罪は起きるのだろう。
怖くてつらい。
ずっと考えさせられました。
