「三池監督の次回作も期待する社会派ドラマの良作」でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男 minavoさんの映画レビュー(感想・評価)
三池監督の次回作も期待する社会派ドラマの良作
予告は体罰教師が、やったのかやってないのかに終始してたためフワッとした話かなとあまり期待せずにいきましたが、骨太の法廷サスペンスが繰り広げられ、社会派ドラマがしっかりと描かれた傑作でした。
本件が発生して週刊誌やワイドショーが騒いでたのは何となく記憶にありますが、報じられるのが先生が子供に自殺を強要したということばかりで、先生がそんなことしてもメリットないはずだけどホントかなあ、くらいの感覚でした。その後、裁判になってたことやこの映画の原作本が出ていたことも知らなかったです。
体罰があったことを認める認めないという以上に、得体のしれないモノがマスコミや風評によって形成され、家族や仕事など全てを失う恐怖。
おそらく映画用にかなりの脚色、構成の練り直しをしたのだろうと推測。冒頭から体罰を受けた側の母親の陳述内容を再現したドラマから始まるオープニングシークエンスの衝撃。
その後、体罰教師、綾野剛の目線で物語が始まるのですが、裁判に至る過程をじっくりと描き、胸が締め付けられる展開に。
それぞれの登場人物の行動や発言などの動機が、裁判の証言や、インサート映像で徐々に解き明かされ、真実が浮き彫りになる。
鑑賞後、リアルのあの事件のその後を知って驚愕。だからこそ善悪を強調した表現をせず、安っぽい感動描写も削ぎ落とした抑えめの演出かと納得。
三池監督の次回作も実話事件ものが観たい!観たい!
原作は青木理さんの「誘蛾灯」、鳥取連続不審死事件でお願いします🤲
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