「一体感」でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男 MARさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5一体感

2025年8月6日
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泣ける

悲しい

難しい

とある小学校にて児童に対し虐めをしていたとして教諭が訴えられるが、原告の保護者と教諭との供述は全く逆の内容であり…といった物語。

遅ればせながら、評価が高いため鑑賞!!

これは…本当に恐ろしい作品ですよ。
初っ端、体罰というより虐めと言うべき描写が見せられる。

…なんて教師だ。教師どころか、いち人間としてアウトだろ、と胸糞悪い展開。そして法廷へ。さて、この極悪人にどんな正義の鉄槌がくだされるのかと期待していたら…うん?これはどういうことだ!?

と、序盤から驚かせてくれる構成。この時点では、いうてこの人の言い分でしょ〜などと思っていたが、ここからの展開はもう目を背けたくなるほど。。

これは負の輪廻か、個人のつまらんプライドか…いずれにせよ何故人ってここまで他人を平然と壊せるのだろう…。

本当に怖いのは人間だと改めて痛感させられる作品だった。こんなことが現実でも起こっているだなんて。

しかし、映画作品としては本当に秀逸。どれだけ絶望に陥っても闘う勇気が必要なこと、そしてどんな状況でも自分を信じてくれる人が1人でもいるならば…。

私自身の話になりますが、職場で不当な扱いを受け続け、勇気を出して然るべき機関に駆け込み、紆余曲折の末状況を変えることができたことを思い出し、涙無しにはいられませんでした。

そしてワタクシ個人的な映画館での醍醐味というのが他の観客の皆様との「一体感」。

法廷で最後に意見を述べるシーン。この静かな長回しよ…。他の観客の息を呑む音すら聞こえてくる…。

この時に勝手に1人で、会場の皆様と同じ気持ちになっている!!…なんて感じているのですが(笑)これこそが映画館での醍醐味だと思っています。コメディで同じ場面で笑ったりとかね。

個人的経験も重ねながら、素晴らしき一体感を感じさせてくれた今年ベスト級の作品でした。

MAR
uzさんのコメント
2025年8月7日

最後の意見陳述は、客席が傍聴席になるような感覚でした。
派手ではないですが、クライマックスと呼んで差し支えない演技と演出だったかと。

uz