「あり得る話だが…」でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男 まこりんさんの映画レビュー(感想・評価)
あり得る話だが…
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小学校で長く教員をしていました。実際の学校現場でもあり得る話だと思いながら見ましたが,実話を基にした映画で,実際にああいうことが起こったのですね。背筋が寒くなります。とは言いながらも,初動での管理職の対応,藪下先生の対応は現実的にはあり得るのかとも思います。保護者からクレームが入った場合,映画のように管理職は保護者の言い分を鵜呑みにしてとりあえず認めて謝罪するということはなく,まずは事実関係をしっかり調査するということを約束して,その日は帰ってもらうようにします。その上で,藪下先生の言い分をしっかり聞き,その裏付けを取る形で関係児童,第三者の児童からも事情聴取をし,今回の作品で言えば,藪下先生の体罰は学級内で確認されなかったということを保護者に言うでしょう。藪下先生も管理職に言われるまま体罰を認めて謝罪するということはなく,とことんそのときの状況を詳しく,具体的に話し,反論するはずです。
また,教育委員会は教師の処罰をするだけでなく,教師を守る立場でもあります。校長に対してもきちんと調査の上で報告書を上げさせた上で教員への処分を科すはずです。今回の映画では,管理職と教育委員会の対応は現実にはないかなと思いながら見ていました。
しかしながら,柴咲コウ演じる保護者のような人はどこの学校にもいて,そういう意味では,どうやって自分を守るかということを教員に考えさせるような作品になっていたと思います。光石研,小林薫をはじめとしたサブキャストの存在感があり,重厚な映画となっています。個人的には木村文乃さんが離婚せずに最後まで主人公に寄り添っていたのが救われました。
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