「Summer Code」私たちのオカルティックサマー ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
Summer Code
タイトルやジャケットは気になっていたので、少し遅くなりましたが鑑賞。
特典は前田部長の名刺でした。
個人制作だからこそ好き放題やってる感じがひしひしと伝わってきて楽しかったです。
短い時間にギュッと詰め込んだオカルトと青春模様がたまらなく良かったです。
ストーリーは失踪した姉を探してオカルト研究部に訪れた清水と部長の前田とニューホープ花京院でお送りするオカルト物語でとてもシンプルでした。
キャラクターもメイン3人と絞られている中でそれぞれのキャラが確立されていたのが良かったです。
悩み多き主人公の清水、アクが強すぎるビビり部長の前田、めっちゃお嬢様な巫女の花京院とスッと入ってくるキャラ造形がとても良かったですし、小粋なトークもたくさん盛り込まれているので、学校でのパートはニヤニヤしながら観れましたし、限定的空間での青春模様がとても好みでした。
今作の特徴はなんといっても自由すぎるカメラワークです。
引きのショットがとても多いですし、斜めのカットも多いですし、一周ぐるっと回りながら登場人物たちを映したりと、撮り方がアニメっぽい、さらに踏み込んで言えばエヴァ味を感じる独特なものがあり、これを実写に落とし込むとこんな風になるんだという新発見がありました。
ほぼ全編に渡ってこの派手なカメラワークが続くので、若干くどくは感じてしまいますが、実写映画としては唯一無二な感じになっていて好きでしたし、チューニングされていくであろう次回作以降どうなるのかというところも気になるところです。
アニメから影響を受けた実写映画って面白いなと思いました。
姉を探して夜のプールのパートはシリアスしているはずなのにラスボス的立ち位置の奴がフラッと現れてごちゃごちゃしたままとんとん拍子で解決していったのは尺の短さもありますが、手探りしっぱなしな感じがしてうまく飲み込めなかったです。
個人制作だと自分の思想を強く反映させてしまうが故にグダグダ自分語りをしたり、中々に気色悪いシーンを入れる監督が邦画でも洋画でもよくいらっしゃるんですが、今作ではそういうのがほとんどなく、楽しそうな過程が伝わってくるのも観終わった後にスッキリした気分になっていた要因だと思います。
アニメや漫画としての展開とかあったら面白そうだなと思いましたし、今作の続編もあったら良いなと思いましたし、樋口監督のこれからの作品にも期待してしまいます。
エンタメ全振りなの気持ちいい。
鑑賞日 8/4
鑑賞時間 18:40〜19:50