キムズビデオのレビュー・感想・評価
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この作品に全力を捧げた愛すべき変態たちが報われる、そんな世の中であって欲しいと感じる。
ドキュメンタリーとして観ていると映画以上のアツい展開が繰り広げられる。愛すべき変態のストーリー。自治体側の対応も分からないこともないが、都合が良過ぎるとも感じる。
コンテンツを愛する気持ちとコンテンツを利用したい気持ちは相計れないが、共存することがコンテンツの発展に繋がっていくことを感じるアツい作品。
この作品に全力を捧げた愛すべき変態たちが報われる、そんな世の中であって欲しいと感じる。
驚愕のビデオ里帰り計画
かつてニューヨークにあった伝説のレンタルビデオショップ「キムズビデオ」を巡るドキュメンタリーでした。名作・珍作・海賊版を織り交ぜて5万5千本ものビデオを所蔵し、25万人の会員を抱えていた「キムズビデオ」でしたが、時代の流れには抗えず2008年に閉店。本作は、その膨大なコレクションが何処へ行ったのかを探すお話でした。
調べていくとイタリア・シチリア島に移設されていたことが分かり現地に飛ぶと、ビデオは現存したものの保管状態は劣悪。しかも一般に公開されることを条件に移管されたはずが、地元の政治も絡んで非公開の状態になっていることが分かりました。そのため監督はこれをニューヨークに里帰りさせることを思いつき、計画を実行するのでした。
そして本作の肝は全編に渡って挿入される数々の名作。流れに沿いつつ随所に過去作品が使われていて、この編集だけでも一見の価値がありました。
ただビデオをニューヨークに里帰りさせる方法は、映画撮影を装ったとは言え泥棒まがい。チラシには「この物語はフィクションではありません」と明記されているので、これを信ずるならば、よくまあ国際問題になることもなく丸く収めたものだと驚きました。というか、あまりにリアリティが欠如していて、モキュメンタリーを疑いたくなるほど劇的な流れではありました。
そんな訳で、本作の評価は★4.0とします。
創作入り混じり
他人事ではない
大量のビデオカセット(β、VHS)、レーザーディスク、DVD、HD-DVD、Blu-rayを保有し、ハイビジョンLDとHD-DVD以外は、まだ再生可能という環境を持つ立場とすると、他人ごとではない映画です。
テレビの映画番組を録画したテープの中には、例えば渡辺徹・大場久美子吹き替えの「スターウォーズ」や、レーザーディスクだと、MGMのライオンが出てくる「ニュー・シネマパラダイス」、ヒッチコック本人が自身の特徴ある演出について語るテレビ番組等、やはり現状ではBlu-rayも配信もないものが多数あります。ボチボチ個人的にデータ化はしていますが、何かのキッカケでデータが消えてしまったら、ということも考えてしまいます。
映画は元々映画館で見終わった後、それをコレクションするなんていうものではなかったのに、ビデオカセットやレーザーディスクによって、物理的に保有することができるようになったのが、私のような、またこの映画の監督のような、不幸な人を生み出してしまったのでしょう。
この映画は、フィクションなのか、ノンフィクションなのかと混乱するところがありますが、それは正直に全部見せたら、あまりにも真面目過ぎてつまらないからのようです。見せても面白くない部分は割愛して、面白い部分だけを面白く見せてくれているらしいです。
情報量が多いし、変なところも多いので、1回だけでは把握しづらい感じのためか、映画館では映画本編のVHSが本数限定で売っています。まだ再生できる人は、買って家で見直すのがいいかも知れません。私は買いました。
我が家のコレクションも、キムズビデオ向きのものが多いのではないかと思います。キムズビデオで引き取ってもらえないでしょうかね?
映画の神と恋愛
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