「Rental」キムズビデオ ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
Rental
レンタルショップに足繁く通っては同じ映画を借りたり、8時だよ全員集合を借りまくった頃がとても懐かしいなと思うくらいには歳を重ねました。
コロナ禍を機により配信の媒体が強くなり、レンタルショップが弱くなってしまった昨今ですが、アメリカに存在したマニアックな映画を多く集めるレンタルショップ"キムズビデオ"の行方を追うドキュメンタリーで、元々会員でもあった監督が駆け回るといった感じの作品です。
キムズビデオのビデオはイタリアに移っているはずなのに情報が会員にも明かされずのままなのがウズウズしてしまう監督が現地に行って、なんなら乗り込んで中を確認したらあら大変、ガッツリ不法侵入なのはこの際目を瞑るとして、中を見たら杜撰に放置されたVHSが散乱している状態でこれには思わずパニック。
ほいでもって普通にアラートが鳴って住人もやってきてとドッタンバッタンしながら、警察も介入してきたりとでもう大変な状況が監督の慌てっぷりからも伝わってきました。
監督が一向にイタリアの現地語を喋らず英語で喋り倒していたのにはイラッとしました(接客業で日本語を喋らない観光客をたくさん見てきたので)が、現実と空想の境目が分からなくなるほどのめり込んでいると言われたらしゃーないかと思ってしまいました。
そこからは政治問題だったりがガンガン絡んでいきながらも、名作傑作の映画のオマージュも入ったり、キムズビデオの再建に向けた動きだったりと駆け抜けまくっていくのがドキュメンタリーとは思えないスピード感がありました。
ただ作中の映画の大半を知らないというのが致命的でイマイチ感動や感激に乗り切れなかった感じはありました。
ゴダールとかも有名な監督なんですけどリアルタイムで追えてない&そこまで自分はハマってないというのもあって、神格化されてもピンとこないというのが正直ありました。
実際気になった作品もあったのでそれは収穫なんですが、既存の映画頼りの映画という枠は抜け出せなかったかなとは思いました。
しかしレンタルショップというものを風化させないという強い意志を感じましたし、やはりレンタルショップだからこそ感じられるあのワクワク感はいつまで経っても忘れられないのでより長く続いてくれればなと思いました。
自分もあんな感じで棚にDVDを並べてみたいなぁと改めて思いました。
新生キムズビデオにも行ってみて〜。
鑑賞日 8/12
鑑賞時間 14:00〜15:35