「〇〇ハラが自分たちの首を絞めていないか?」映画 おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか! Tofuさんの映画レビュー(感想・評価)
〇〇ハラが自分たちの首を絞めていないか?
テレビドラマは見ておらず、何の予備知識もなしに鑑賞。
タイトルだけ見てもっとおバカな作品なのかと思っていたら、沖田家の家族とそれを取り巻く人々のホームドラマで、ステレオタイプによるジェンダーロールの決めつけや、職場での話し方や人との接し方など、ハラスメント防止対策講座などで取り上げられるような事例がこれでもかというほど散りばめられていた。
その一方で、年齢や性別、性的指向などによって線引きをして、細分化された壁を作り、自らの社会的属性をどんどん狭めてしまうことで、返って生きづらい世の中を築いてしまっているのではないかというメッセージも読み取れる。その意味では『不適切にもほどがある!』にも通じるものがあるように思える。
壁を作り、社会の分断や対立を煽ることような政治家が人気を集め、選挙で得票を集めるような時代にこそ、思い込みを排除し、相手の立場を慮ることのできるような「優しい社会」の大切さを噛みしめるべきだろう。しかし、何が本当に大切なのかに気づくためには、残念ながら、一度この社会が完全に崩壊してみることも必要なのかも知れない。
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