「腰の据わった語り口」ブルーボーイ事件 タカシさんの映画レビュー(感想・評価)
腰の据わった語り口
この監督の長編はずっと見てきて、確か最初はbunkamuraで上映された。それ自体が日本映画の新人では珍しいのでどんなもんじゃと思ってみると腰の据わった語り口がグッド。そこからずっと追いかけてるが、ホップ・ステップ・ジャンプのジャンプにあたるこの作品。製作もkddiと日活なのでメジャーとしてはバッチリ。しかも歴史を取り扱うと聞いて野心を受け取りました。結果、腰の据わり方はそのままに重厚な人の層を描くのに成功している。これと少し似て大作で社会課題を描いたのが宝島だが、宝島よりも説教成分は薄いのにちゃんと地に足ついている。当事者キャスティングもちゃんとハマって分厚い魅力になっている。アイデンティティを問い直す映画の中では、日本で一番いいかもしれない。当事者と歴史を完全に味方につけて、ちゃんとベタな上手い演出をしている。場内ではすすり泣く声も聞こえた。ガッツリしたオネエ言葉がどこか気持ちよく、今どきなかなか聞けない。小道具の歴史考証もとてもうまくいっている。
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