「サチの「幸せ」とは、。」ブルーボーイ事件 アベちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
サチの「幸せ」とは、。
主人公のサチが最後に法廷で証言するシーンにこの映画の全てが包み込まれていたと思う。
サチ役の中川未悠は演技そのものが初めてのトランスジェンダーであるが、このシーンはカット割なしの長台詞を自分自身のものにし、感情の昂まりと共に見事に吐露した。そして、それを受けた弁護人役の錦戸亮は、憲法13条は「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」と幸福追求権について涙ながらに話した。制止しようとする検察官役の安井順平との攻防も含め凄い場面を観せてくれた、。
1965年の事件だが、ブルーボーイというスラングも含め多くの人が全く知らない出来事にスポットを当て、しかも監督、出演者も当事者であるという画期的な映画を作り上げたことに拍手を送りたい。
この事件が軽微な有罪となったことにより性転換手術は違法の認識が出来上がり、その後30年近く日本はその医療行為が世界から遅れたとのことのようだ。そして現代。世界のLGBT割合は8%で日本は5%とも言われるようになった。「市民権」は得られたようにもみれるが、いわゆる「偏見」はまだまだ多い。更にアメリカでも欧州でも高市日本政府でも右傾化や自国第一主義が拡がるなかLGBTの権利の高まりは退潮してるように思う。
何がどうなることが正しいのかはよくわからないし正解そのものが見えないが、今を生きているすべての人間がすべからく「自由」であることが「幸せ」ってことなのかも知れない。
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