「既にアイコン化している感のある歴史的な人物に血を通わせようとしたけれど」マリリン・モンロー 私の愛しかた Freddie3vさんの映画レビュー(感想・評価)
既にアイコン化している感のある歴史的な人物に血を通わせようとしたけれど
女優マリリン•モンローの生涯を追ったドキュメンタリー。本篇の最後のほうに出てくる墓銘碑にある彼女の生没年によれば、彼女は老境にさしかかっている私からみても親の世代で、早逝してるとは言え、私とこの世で重なって生きた期間はほんの数年、短かった全盛期が1950年代と来たら、もう過去の人、歴史上の人物と言っても過言ではありません。そんな人物を関係者の証言(当然のことながら、現在ではかなりの年配の方が若い頃、というか、場合によっては幼い頃に見聞きした話になります)やら昔のニュースフィルムやら彼女が出演した映画の抜粋やらで描いてゆこうとしたのが本作で、まあそこそこ面白い内容になっているとは思いました。
でも、マリリン•モンローに対して特に大きな思い入れもないけど、こういうのが紹介されていれば見に行くといったレベルの興味なら持っている私みたいな人たちに対して、何か斬新な視点で語るに足るべき内容を示してくれたかというと、答えは否といったところでしょう。
あと、気になったのは諸説ある彼女の死の真相に関して、俗耳に入りやすい陰謀論的な説をあたかも真相であるかのように伝えているところです。ここは複数の説をそれぞれの検証の内容も入れた上で並行して紹介すべきだったと思います。我々はあくまでもドキュメンタリーを観に来ているのであって、事実には基づいていても監督や脚本家の解釈の入った劇映画を観に来ていたわけではありませんので。
それにしても、全盛期の頃のマリリン•モンローさん、今なら、毎日大炎上必至の人生を歩まれていたようで、やはり、ある時代の象徴とされるような人物だったんでしょうね。