「まさかの、タルコフスキーとキートンに出会う驚きの2時間‼」バレリーナ The World of John Wick alfredさんの映画レビュー(感想・評価)
まさかの、タルコフスキーとキートンに出会う驚きの2時間‼
てっきりアクション映画と思っていたのだが、なんと「タルコフスキー好き‼」映画だった。序盤で、映画館?に「タルコフスキー アンドレイ・ルブリョフ」とあるので(字幕翻訳が無ければ気づかなった。上映時間3時間20分の大作、未見)、ちょっとびっくり。なぜタルコフスキー?
タルコフスキー映画では、水と炎で物語が織られ、主人公はさ迷い歩くのが常だ。
イブが父殺しの手がかりを求めてホテルに侵入する場面では、しきりに雨が降り続いている。先ほどタルコフスキーの文字を見ているので、水が気になって仕方ない。
最終盤、敵側の火炎放射器に対抗するため、イブは消火用ホースの水で応じる。炎と水があり得ぬ形でぶつかる姿は圧巻だ。
さすがのタルコフスキーも想像していなかった場面ではなかろうか。
中盤ではキートンの映画(後に香港時代のジャッキー・チェン作品で見事に引用してみせているあれです。)がでてきて、おやおやどうした事だ。アクション映画じゃなかったの?と不思議な気持ちになる。
ワイズマン監督は、ダイ・ハードの主人公の台詞は全て覚えていると豪語し、それが幸いしてか「ダイ・ハード4.0」を監督している。どうもシネマディクトっぽい人のようだ。本作がシネフィルの感じがするのもそのせいかもしれない。
まさか「ジョン・ウィック」シリーズでタルコフスキーとキートンに出会うとは、驚きの二時間でした。
自己フォローです。
考えて見れば、キートン映画って、アクション映画の極みですね。ジャッキー・チェンは自分の映画について、余りにもキートン映画の影響かと聞かれるので、面倒くさくて? 「まあ、そうですね。」みたいに答えていたとか(真偽不明)。
いずれにせよ、アクション映画を極めるとキートン的世界になるのでしょう。個人的には「キートンの大列車強盗」なんか好きですね。
本作は、炎と水、静(タルコフスキー)と動(キートン)といった対比で描こうとしたのかもしれません。
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