劇場公開日 2025年5月17日

「この後どうなって行くのか、続編を待ちたい」能登デモクラシー コショワイさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0この後どうなって行くのか、続編を待ちたい

2025年8月27日
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鑑賞方法:映画館

1 能登の小さな町の点景とともに町政のタブーに切り込むドキュメント。

2 この作品は、能登地震前後の穴水町を舞
台に町政と町民に焦点をあてている。
  映画では、行政とべったりでチェック機
能を果たしてない議会や高齢で活動が消極
的な議員の姿を捉える。そして、町長の利
益誘導の疑いのある町事業の推進に疑問を
呈する。カメラが捉える議員の姿は緩み、
町長の表情からは狡猾な印象を受ける。

3 本作品には、町のことを憂い行動する一
人の町民が出てくる。彼は妻と二人で互い
を気遣い、厳しい自然条件に順応して山間
で暮らしている。良い家庭人である。そし
て、彼は良い町にしたい思いで、町政の課
題を取り上げ、自費で新聞を発行し続け、
 支援者も増えている。草の根的なジャーナ
リストでもある。加えて、地域の子供達に
運動指導し、震災後は自主的に被災者に寄
り添い、町が取り組む復興計画にも参画す
る。黙々とそして時には雄弁に物申す姿
は、社会運動家でもある。

4 この町民の行動に感化されたかのよう
に、一部の議員は仮設住宅を回り、町長は
町民とともに復興計画づくりに熱心に取り
組む。変化の兆しは感じるもののまだ信用
はできない。今後、町の復興や町政はより
良い方向で進んでいくのか?そして、かの
町民夫婦は元気に暮らしているのか?気に
なるところであり、続編を待ちたい。

5 監督は、政治と金の問題で注目された旧
作「はりぼて」と同様、しがらみと古い体
質に満ちた田舎町の体制を浮き彫りする姿
勢に報道マンの気概を感じた。が、描写は
抑え気味であった。恐らく、取材の過程で
かの町民の存在に気付くとともに共感し、
彼の行動を主に描写することでリーダーた
るものの姿を示すことができると感じたた
めであろう。

コショワイ