「デモクラシーのみえ隠れ」能登デモクラシー てつさんの映画レビュー(感想・評価)
デモクラシーのみえ隠れ
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序盤は、穴水町長の経歴が無難に描かれる一方で、対抗軸としての滝井氏の経歴も縷々取り上げられていく。2024年元日の能登地震前から、それぞれの取材が進んでいて、地震後の復興未来づくり会議に滝井氏も含め、若い世代の人々が参画し、町長も参加して耳を傾けようとする姿勢に、確かに希望が感じられた。事後のトークにおいて、五百旗頭監督は、前作『裸のムラ』で警戒されていて、他の取材対象に断られた経緯があって、滝井氏に辿り着いたという事情、他作と比べて希望を描いた面が評価される一方で、妻との関係に懸念を感じて、そこも描き込んだことを述べていた。進行役の田村元彦氏は、『はりぼて』は富山だからそうだったけれど、他の都市ではどうか、福岡県大任町とは対照的だ、と問いかけていた。
発言の機会があり、『はりぼて』上映の時期に自分が広島に住んでいて河井夫妻問題が表面化していたので参考になったこと、福岡に住んでみると市のレベルと校区や町内のレベルとでは違うこと、NHKの取材では既存の自治会機能の衰退が描かれているが滝井氏の活動はそうした機能を補完するものとみてよいのか、と提起してみたが、五百旗頭監督は、滝井氏の活動について、補完を超えたものだと評価していた。他に、当地に知り合いがいて、町長や反対派の動きへの意見を紹介してくれる方もいた。
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