ブラックバッグのレビュー・感想・評価
全14件を表示
中盤以降から見応えあり
前情報ゼロで、評価が高いとだけ知り
行ってきました✨
スパイものと認識していましたが
全編会話劇のようで中盤までは
少々退屈に感じましたが、
嘘発見器の件くらいから
どんどん引き込まれていきます。
イギリスのイメージのまま
男性はジェントルな感じで
女性はエレガントで美しい。
アガサ・クリスティの推理小説を
読んでいるような上品さを感じる作品でした。
700万ポンドは誰のもの?ブラックバッグは極秘任務。
2025年10月2日(木)
家内の指令を受け池袋TOBUへグレステンの包丁砥ぎに来る。グレステンは砥ぎのメンテナンス(有料)があり、切れ味が保てるのが良い。包丁砥ぎの待ち時間にTOHOシネマズ池袋で「ブラックバッグ」を。
ロンドン。国家サイバーセキュリティセンター(NCSC)の諜報員ジョージ(マイケル・ファスベンダー)は、上司から極秘開発されたソフト「セヴェルス」を外部に流出させた犯人捜しの指令を受ける。容疑者は5人、そのうちの一人はジョージの妻で敏腕諜報員のキャサリン(ケイト・ブランシェット)だった。
ジョージは4人の容疑者を家に招いて妻と6人で食事会を開く。そして色々な事が判って来るが、指令を出した上司は毒殺されてしまう。果たして犯人は5人のうちの誰なのか。
諜報員ものなら世界を股にかけて活躍する事が多いが、本作は部内の犯人捜しなので室内でのシーンが多い。本部内、ジョージの自宅等、屋外もジョージが釣りに行く湖位だ。
海外に行くのは仕事で出張するキャサリンだけだし、エクスプロージョンがドローンからの攻撃1回だけ。銃撃は、ラストの真犯人が1発で倒される一撃のみ。変わった諜報員ものである。
NCSCと言う組織がMI-6ほど馴染みがない?のと、アクションが少ない分知的推理に重きを置いているかと言うと、ジョージが容疑者を嘘発見器にかけての問答はあるものの深みが足りない。展開が早く(上映時間94分)観る側が頭の中で情報を整理する前に話が進む。
じっくり推理を展開できる深みが欲しかったかな。
NCSCの幹部がピアース・ブロスナン、容疑者の一人が007でマネペニーを演じていた ナオミ・ハリスなどキャスティングも遊んでいるか。
人を知るには怒りの尺度を図るのが肝心だが、ラリって痴話喧嘩させるのが一番手っ取り早いのだろう
2025.10.2 字幕 TOHOシネマズ二条
2025年のアメリカ映画(94分、G)
スパイの炙り出しを任された諜報員を描いたミステリー映画
監督はスティーヴン・ソダーバーグ
脚本はデヴィッド・コープ
原題の『Black Bag』には、「違法捜査」のほかに「流用された費用」という意味がある
物語の舞台は、イギリスのロンドン
イギリス国家サイバーセキュリティセンター(NCSC)のエージェントであるジョージ・ウッドハウス(マイケル・ファスベンダー)は、局長のフィリップ・ミーチャム(グスタフ・スカルスガルド)から、「NCSCの中にスパイがいる」と言われ、5人の容疑者を告げられた
ケースオフィサーのフレディ(トム・バーク)と彼の恋人でもある衛星画像抽出係のクラリサ(マリア・アベラ)、防諜担当の諜報員のジェームズ(レゲ=ジャン・ペイジ)と彼の恋人でもある局内カウンセラーのゾーイ(ナオミ・ハリス)、それに加えて、ジョージの妻キャスリン(ケイト・ブランシェット)の名前もあった
「妻が犯人でもできるか?」と問われたジョージは、頷き任務にあたることになった
ジョージは3組のカップルの食事会として彼らを自宅に招き、得意な料理を披露していく
妻にはチャナマサラを食べるなと言い、そこには「DZM5(ジアゼパム5mg)」という薬物が多量に盛り込まれていた
それを過剰に摂取することで興奮状態になり、隠しているものが露見すると考えられた
また、ジョージは「ゲーム」と称して「右隣の人の誓いを立てる」というものを始め、ピロートークを交えた過激な話題を振り撒いていく
ゾーイはジェームズに「相手の後でフィニッシュする」と誓いを立て、ジェームズはクラリサに「ジジイを好きになるな」と誓いを立てられてしまう
そしてヒートアップしつつある中で、クラリサはフレディに対して「彼女とヤルのをやめる」と突きつけた
クラリサはフレディが誰かと浮気をしていると睨んでいたのだが、フレディは身の潔白を主張したいがために語気が荒ぶってしまう
クラリサも我慢の限界が来てしまい、とうとう食事用のナイフでフレディの甲を突き刺してしまうのである
映画は、ほぼ会話劇となっていて、メインはジョージの家の食卓だったりする
ほとんど変わり映えのないところに、諜報員あるあるネタで内輪受け的な会話が展開されまくる
映画のタイトルにもなっている「Black Bag」は諜報員などが行う「違法な捜査」を意味し、会話の中にも何度も登場している
諜報員の抱える秘密を「ブラックバッグ」と言ったりするのだが、実はもう一つの意味が最後に明かされている
それは、「流用された資金」という意味があり、NCSCのスティーグリッツ(ピアース・ブロスナン)の思惑から生じている、「セヴェルス(メルトダウンを起こさせるプログラムの入ったデバイス)」をキャスリンがロシアの反政府組織のクリコフ(Orli Shuka)に売り払ったように見せかける700万ポンドのことを指している
ラストにて、まだ700万ポンドは口座の中にあるという会話があるのだが、スティーグリッツに辞職勧告をしつつ、黒幕を沈めることに成功した2人へのささやかな報酬のようになっていた
ジョージとキャスリンは、同じ目論見の中で別々の罠にハマっていて、それが補完しあう関係になっていた
ジョージに衛星切替のタイミングでキャスリンを監視させ、そのタイミングを図ってクリコフとパブリチュク将軍(Daniel Dow)を隠れ家から脱出させた
それを夫の失態だと思い込まされたキャスリンは、ドローンを使って逃げた2人を始末することになり、それが夫婦の枷になると考えられていた
それを看過したジョージはキャスリンと共に黒幕を表に引きずり出して、あるトラップを仕掛ける
それが「テーブルに置かれた銃」だったのである
かなりネタバレ部分がわかりにくくなっていて、人間関係も複雑なように思える
だが、ミーチャムが死んだことによって昇進できるスティーグリッツが、自分がコントロールできないキャスリンとジョージを始末しようとしたことは理解できる
フレディはスティーグリッツから直接的な指示を受けていて、そこで登場する「セヴェルス」のことを泥酔時にゾーイに話ししていた
ゾーイの正義感はフレディに密告するという形で伝わっていて、完全に蚊帳の外にいたのはクラリサだけだった
これらの思惑の連鎖を利用したものの、看過されて返り討ちにあっているのだが、それを可能にしたのが「2人が夫婦でいられる秘訣」であったとも言える
ジョージは「相手のことを知って、そこにふれないようにする」のだが、これは監視カメラを使わなくてもできることだったりする
より相手を理解するには「怒りの感情を引き出すこと」なのだが、それに一役買っていたのが薬入りのチャナマサラだった
また、激情を生みやすいのは痴話喧嘩の部分であり、ジョージはそれぞれの隠したいことをすでに入手していたのだろう
前半のテーブルでは「クラリサを焚き付けてフレディを刺す」という展開になっていたが、そこではフレディの密会相手がゾーイだったことはバラしていない
知り得た情報をどこまで出すかという話術のスキルが描かれていて、これが「相手のことを知りつつ、ふれてはいけないところにはふれない」につながっていたりする
ジョージにとっては、仕事も夫婦関係も根本は同じとなっていて、その対極にいるのが何も知らないクラリサだった
彼女の激情を利用して場をヒートアップさせていくやり口などは、かなり凝ったものではあるが、実に周りくどい展開をしていくなあと思った
いずれにせよ、ジョージとキャスリンには別々の罠が仕掛けていて、ジョージの失態をキャスリンは助けるだろうというところを看過していたところまでは黒幕の作戦通りだったのだろう
だが、お互いを知り尽くして信頼しあっている2人だからこそ、「嘘を効果的につく」ことができていて、それが「映画の半券問題」だったりする
おそらくは、キャスリンも誰かが映画の半券を仕込んだことを知っていて、夫の前では「それを知らないふりを貫いた」のだと思う
その稚拙さを「侮辱的」と評するキャスリンだったが、ジョージのこととなると上手くはコントロールできなかったようだ
ここにスティーグリッツの言うキャスリンの弱点があったのだが、それを見破れても、程度の低い罠を張ったせいで全てが台無しになっているのだろう
その辺りがストーリーの根幹になると思うのだが、実に「わかりにくい」と言う一言で片付いてしまう映画だったように思えた
アクションシーンは全くありません
スパイモノと言えばアクション。ですが、ケイト・ブランシェットですもの。そんなの、ありませんことよ。途中でハメられてる!!と思うけれど、皆が怪しいの。あの湖に何個沈んでいるのかなぁ。
映画館で拍手が鳴ってました。(外国の方かも)
私も、拍手すれば良かったー!それくらい満足。
追伸
海外出張に行く妻を見送る夫が、あれこれ言うけれどLove you.の、ひとことを送る妻。このシーンが一番印象に残りました。何もかも曖昧な内容なのに、これだけはハッキリしていて素敵なのよ。
脇の甘いスパイ
職場内での浮気や飲酒時の情報漏洩など、諜報機関の職員の割には迂闊な行動が目立つ。そのせいで序盤の「我々にとって浮気は簡単すぎる亅という台詞に説得力がなくなっている。
また、セキュリティに関わる規則を破る点や、(映像作品の性質上やむを得ないものの)感情がすぐに顔に出る点など、主人公夫婦以外の登場人物の精神面の脆さに少し違和感を覚える。
人物像の設定にやや粗があるものの、90分程度の比較的短い上映時間で複雑なストーリーをうまくまとめた良作であり、スパイや内部の裏切り者といったテーマが好きな人は十分満足できると思う。
Bland
90分台と観やすい尺なのが大助かりで、頭脳戦ミステリーなのも面白そうと思って観たんですが、べらぼうに地味かつ動きがなさすぎる展開であまり好みではありませんでした。
諜報員のジョージが取引やらなんやらで自分の奥さんが怪しいと言われ、なんとかして真犯人を見つけたろうと躍起になる話で、容疑者候補を自宅へ招集→外での諜報活動→嘘発見器で嘘つきを探す→再度自宅へ招集という進み方自体はシンプルなんですが、展開がどうなっているとか、登場人物の感情だとか、何もかも言葉にも仕草にも出てこないので非常にわかりづらかったです。
夫婦がカッコつけながらイチャイチャし、付属としてミステリーがついてくるといった感じなので、そっちがおまけなんだと呆気を取られたのは確かです。
ジョージが優秀なのかおとぼけさんなのか分からない微妙なラインを突きまくるのも悩ましいところで、決めるところ決めたなーと思ったらボロが出たりしつつも、なんとか表情だけ保っている状態でやっているのでカッコよさを感じられなかったのは残念でした。
全体的に動機が色恋沙汰多めなのも気になったところで、そんな狭いサークルの中でわちゃわちゃした色々ともつれていっちゃうでしょう…と頭の良い連中のはずなのにバカっぽさが出てしまっていたなと思いました。
ラストのゲームのシーンの駆け引きもそんなに捻りが無いなぁと盛り上がりきれず、そしてあっさり終わってしまったので、スタイリッシュではあるんですが胸につかえたモヤモヤは結局取れずじまいでした。
スパイ映画と銘打っていながら、ガッツリ室内での出来事をメインに展開していき、多少の爆発が添えられてはいますが、スピーディーなアクションもあるんじゃない?と微かに期待していたものは華麗にぶち壊されました。
食べたことがないのでアレなんですが、魚の活け造りってあんなビチビチ動くの?というところが衝撃的でした。誰か連れていってください。
究極の雰囲気映画じゃないかなと思いました。
好みではありませんでしたが、好きな人は凄い好きだろうなーというタイプの作品でした。
鑑賞日 9/27
鑑賞時間 18:25〜20:05
アンチ・ボンド‼️
今作はソダーバーグ監督による「男女6人スパイ物語」‼️諜報員マイケル・ファスベンダーに課せられた任務は二重スパイをあぶり出す事。容疑者は組織内のカウンセラー女医、女性情報分析官、そして3人の諜報員。しかも諜報員の一人は愛する妻ケイト・ブランシェットである。そんな6人はそれぞれ複雑な人間関係にあり、夫婦をはじめとする3組のカップルで成り立ってる。そんな人間関係の中で繰り広げられる頭脳戦と心理戦‼️まるでソダーバーグ監督の「セックスと嘘とビデオテープ」のスパイ版とでも言いましょうか⁉️本作にはハリウッドの他のスパイ映画みたいな派手なアクション・シーンは一切ナシ‼️どちらかと言えば「国際諜報局」や「パーマーの危機脱出」みたいな、アンチ・ボンドな作風‼️そういう意味ではイギリス的な感じがします‼️そんなアンチ・ボンドな作品にピアース・ブロスナンがキャスティングされてるのもナイスですね‼️冒頭、ファスベンダーが指令を受けにバーへ赴くシーンの背中のショットからワクワクするし、男女6人が揃う二つの夕食のシーンの会話劇の面白さもゾクゾクさせられる‼️この夕食シーンの会話劇が見せ場のスパイ映画だなんて、なんて素晴らしいんでしょう‼️そして主人公と、容疑者である妻との関係が、偽りの夫婦関係ではなく、真実の愛に満ちてるのも映画の風格を高めてると思うし、鑑賞後の幸福感も高い‼️
小説か解説本希望
ケイト・ブランシェット夫妻が勝ちましたってことで良いんだよね。
旦那さんが人智を超えた洞察力で解決したね。
何が起きたのかは分からなかった。
ここまで事件についてが描かれないってことは、そこは重要度低いんだろなと判断して、深く考えないことにしたよ。
ケイト・ブランシェットの赤いジャケットかっこよかったね。
集中して観れば大筋は理解可能だけど・・・
監督スティーブン・ソダーバーグ、脚本マイケル・コープの二重スパイを炙り出すミステリードラマ。
英国諜報部員の破格の年収を思わせるような優雅でスタイリッシュでクールなシャレオツ仕様。
マイケル・ファスベンダー主演の難解な映画と言うと説明されない暗喩がたくさん散りばめられた「悪の法則」を思い出すが、本作は短い尺にもかかわらず、直接本筋とは関係ないが如何にも意味ありげな会話ややり取りで必要な情報を迷彩的に隠し、説明も少なく、コードネームを交えた会話などで鑑賞者の情報処理能力を問うような内容。
さらにファスベンダーやケイト・ブランシェットが全く表情を変えない事も視覚的な情報を得ることができず難解度合いを上げている(ように思う)。
極端に言えば実際は何も起こっておらず、ほぼダイニングや会議室等の屋内での心理的な会話劇なので、頭を使う割には退屈でレビューが低い理由はわかる。
当然頭の悪い自分自身も拾いきれていない情報が山ほどあるはずだが、全て拾えたとしても観終わった後の爽快感や納得感は薄そうなのでもう一度観たいとは思わない。
ストーリーそのものについてレビューするとどうしてもネタバレに繋がってしまうので難しいが、あの夫婦は自分達が嵌められた事以外は基本全て気付いていると思って観るとある程度は整理しやすいのではないかと思う。
特に映画の半券を誰が捨てたかなんか途中からお互いがわかってたように思うしw
英国では「活け造り」がイリーガルってはじめて知った。
一度ちゃんとシメるか、元の姿に戻さなければ良いってことかな?
おもしろいけど
導入が薄くて入り込みづらかったかもしれない。
まずなんでこの5人が疑われたのかとか
そもそもセヴェルスって何?とか
大勢の人が死ぬのは分かったけど
それがなんなのか分かるのはだいぶ後半だし
最初の晩餐会も、誰が諜報員で
誰がカウンセラーで、誰と誰が同僚で部下で……
みたいな関係性がほぼ出ないまま、
本人達からしてもこれは謎メンなんだな〜って
ことくらいしか分からず、
ただもう既に腹の探り合いはされていて
伏線とかももしかしたらあったのかもしれないけど
ふわっとしたままなんか進んでっちゃって
これ妻が一番怪しいんじゃね?ってなりつつも
それも罠で、結局はただの最強夫婦でしたっていう。
キャストはみんなかっこいい&綺麗だし
スパイものにアクションシーンがなくても
全然いいと思うんだけど、
120分くらいあってもいいので
だからこそもう少し導入とか人間関係を
濃いめにしてほしかったな〜と思いました!
なんかちょっと物足りなさが残るというか
もう少し浸かりたかったな。
嘘発見器のシーンとかも
なんとなく置いてけぼりになってしまったので
配信されたらまた観たいと思います。
夫婦のブラックバックを探るな!
ブラックバッグ Black Bag
諜報活動組織ではよくある事なのだろう。それ故に社内にカウンセラーが常駐し、定期にストレス健診が行われ、今回の内部調査が敢行された。
その調査は最重要任務で、期間は1週間のうちに組織内部の裏切り者候補5名男女が指名され、その中に彼(ジョージ)の妻も含まれ、「black bag job」(ブラックバッグ・ジョブ)することだ。
ジョージ夫婦共にベテラン諜報部員で、夫婦関係は組織公認であり、互いに一瞬たりとも気の置けない、かつ気の置かない微妙な信頼関係が刺さる。
詰まるところ、この在り方をブラックバックと言うのであろう。
さて、裏切り者探しには、
薬物入り食事会、相互密告ゲーム、嘘発見器、同僚暗殺、社内不倫、密告呼び出し尋問、内部違法捜査、衛星透視などのブラックバッグ・ジョブが満載なのだ。
そして、捜査期限の日に、最後の晩餐会が自宅で行われる。
誰一人遅刻もなく、ジョージを含め6人は、重厚なテーブルに拳銃が徐ろに載せられた食堂で自白を迫られるのだが…
ここからの展開は詰まらないが、気になる点がある。
絨毯を何故、新しく変えられていたのか?
既に犯人が分かっていたのにこんな晩餐会を何故したのか?
妻はあの映画を見たか?
あの700万ポンドはどうしたのか?
この周到な裏切り者処分はこれが初めてか?
あの釣り小屋と池は誰の所有だろうか?
それにしても、
今回のケイト・ブランシェットは、諜報部員らしからぬキレのなさ、趣味悪さ、集中力の欠如を感じてしまった。
それ故に、ラストがオバハン臭く、旬を超えたかなぁ
レビュー31
(о´∀`о)
ブラックバッグ Black Bag
「オーシャンズ」シリーズのスティーブン・ソダーバーグ監督と「ミッション:インポッシブル」の脚本家デビッド・コープがタッグを組み、
エリート諜報員と二重スパイが最重要機密をめぐり繰り広げる頭脳戦を描いたミステリーサスペンス。
イギリスの国家サイバーセキュリティセンター(NCSC)のエリート諜報員ジョージは、
世界を揺るがす不正プログラム「セヴェルス」を盗み出した組織内部の裏切り者を見つける極秘任務に乗り出す。
容疑者は諜報員のフレディ、ジミー、情報分析官のクラリサ、局内カウンセラーのゾーイ、そしてジョージの愛妻である凄腕諜報員キャスリンの5人。
ある夜、ジョージは裏切り者の動向を探るべく、容疑者全員をディナーに招待する。
食事に仕込まれた薬とアルコールの効果で、容疑者たちの意外な関係性が浮かび上がるなか、
ジョージは彼らにあるゲームを仕掛ける。
諜報員ジョージをマイケル・ファスベンダー、
彼の妻で容疑者でもあるキャスリンをケイト・ブランシェット、
4人の容疑者を「マッドマックス フュリオサ」のトム・バーク、「Back to Black エイミーのすべて」のマリサ・アベラ、
「ダンジョンズ&ドラゴンズ アウトローたちの誇り」のレゲ=ジャン・ペイジ、
「007」シリーズのナオミ・ハリスが演じた。
ブラックバッグ
Black Bag
2025/アメリカ
「ブラックバック」という言葉は、劇中でスパイや諜報活動の文脈で使われている隠語で、**極秘の作戦や情報を指すスラング**
英語の「black bag job」(ブラックバッグ・ジョブ)を基にしたもので、FBIや諜報機関が令状なしの違法な侵入捜索(例: 家宅捜索や盗聴)を行う秘密の活動を意味します。
「夫婦の話」という設定を、活かしきれているようには思えない。
マイケル・ファスベンダーが演じる、同僚の中から裏切り者を見つけ出そうとする諜報員が、血も涙もないような嫌な奴で、これで、本当に友人がいるのだろうかとか、夫婦仲は良いのだろうかと勘ぐりたくなる。
序盤で、彼と、彼の妻を含む6人の男女(3組のカップル)が晩餐会に集められて、このまま、犯人探しの密室劇が繰り広げられるのかと思っていると、セックスだの、浮気だのといった下賤な話と痴話喧嘩に終始して、その日が終わってしまったことには拍子抜けしてしまった。
やがて、主人公の妻が、隠し口座を持っているとか、チューリッヒで怪しい男と接触しているとかといったことが明らかになって、彼女に対する疑念が一気に高まるのだが、こういう展開ならば、逆に、彼女は裏切り者ではないのだろうと容易に予想できてしまい、ミステリーとしてはお粗末であると言わざるを得ない。
その後、人工衛星を勝手に使ったせいで窮地に陥った主人公と、裏切り者と疑われた妻が、力を合わせて真犯人を見つけ出すような展開になるのかと期待していると、結局、主人公が、ウソ発見器を使った尋問を行っただけで、ここでも、何だか肩透かしを食ってしまった。
おまけに、裏切り者が明らかになる前に、事件の黒幕が分かってしまったり、ロシアの反体制派がドローンで吹き飛ばされるという派手なシーンがあったりして、「これは、最後に描くべきだったのでは?」と思ってしまう。
ラストは、探偵映画さながらに、再び6人を一堂に集めて、「裏切り者はお前だ!」という展開になるのだが、おそらく、推理の決め手となったのは心理カウンセラーの証言で、だとしたら、その直前に明らかになった白人の諜報員と心理カウンセラーの浮気の話とか、冒頭の晩餐会におけるやり取りとかは、一体何だったのだろうという違和感が残った。
それに続くエンディングも、夫婦の愛の勝利みたいな終わり方になっているのだが、そもそも、同じ職場で働きながら、互いに職務上の秘密を抱えている者同士が、仕事とプライベートを完全に切り離して、真実の愛を育むことなどできるのだろうかという素朴な疑問を抱かざるを得なかった。
金曜日からが
私の理解力が乏しいのと金曜仕事帰りのレイト鑑賞でボケ〜っとしてたのもあり、二重スパイが誰かはわかったけど所々?となりました。
そもそもブラックバッグとは?って感じだったし、パンフ読んで「最高機密・極秘任務」だと知った。そうだったのか!セヴェルスも途中まで何なのかよくわからず。
最初のディナーシーンはとても重要なのでしょうが、まだ人間関係も掴めていないのに会話が進むので、ちょっと待って!状態。
金曜日からが解決編って感じで一気に動き出す。それまではひたすら淡々と
二度目のダイニングシーン(あの家はセットで本物のレンガ造りの家を建てたらしい!)での何気に怖いセリフ「カーペットが新しくなってる」なんか2回言ってた気がする。
ミーチャムは何で殺されたんだろう?ジョージ殺せばいいのでは?と思ったり。話終わっちゃうか。
私なら絶対あのテーブルに投げ出された銃使わないな〜。
色々謎が残ったけど、ジョージとキャスリン夫婦描写がとても良かったです。
ポーカーフェイスなジョージが妻の前ではデレる?のが良い。二人の愛の物語だったんだな。
リアル系スパイ物ならやっぱり裏切りのサーカスの方が見応えありです。
人間くさいリアルスパイ
マイケル・ファスベンダー×ケイト・ブランシェット×スティーヴン・ソダーバーグ
という座組のスパイ映画とあっては、観ずにはおれない。
マイケル・ファスベンダー演じるジョージと、
その妻キャスリンを演じるケイト・ブランシェットの演技が醸し出す本物感及び
緊迫感がスクリーンからビシビシ伝わってくる。
このふたりの対決なのか!?と冒頭から引き込まれていった。
裏切り者の疑いがある4 人+ジョージ夫妻の6人での夕食シーンの
会話が実にリアルだし、人間のイヤなところも浮き彫りになったりと、
当人たちも驚いた様子で、ジョージが仕掛けたゲームも裏切り者を特定するための
布石だったのだろう。ここは見応えがあった。
そこから妻に疑いをかけるジョージ、妻にも罠を仕掛けて、
キレ者の妻がそれに気づかないなんてことあるんだろうか・・・と思いながら
ハラハラして観ていた。
NCSCの建物内におけるジョージの動きは特に緊張が走る。
マリサ・アベラ演じるクラリサに監視カメラの映像をジャックさせるシーンや
この布石となる、クラリサ宅に侵入するシーン等、その尋常ならざる行動が
実に効いていると思う。
ラスト近くのキャスリンが特定された裏切り者を銃で撃ち抜くシーンは、
本作最大の見どころだろうし、これを見るために本作を鑑賞したと言っても過言ではないほど
ケイト・ブランシェットの所作や表情が抜群に素晴らしかった。
実にマジメというか淡々としている作品だが、
リアルなスパイ映画としてオススメしたい。
私は満足した。
全14件を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。