「劇場で観るべきなのか?」ブラックバッグ ipxqiさんの映画レビュー(感想・評価)
劇場で観るべきなのか?
映画で登場人物が何かを見た時、その対象が画面に写っていても、実際「そこに何を見たか」はわからない。
という、映画らしいトリックをうまく使ったミステリ的な小品。
脚本がM:Iの人でなく、監督がソダーバーグでなく、ケイト・ブランシェットも出てなかったら、マニアの間で話題になる程度で終わっていたかも…
とかくソダーバーグだ、という枠組みで見てるせいか?スタイリッシュを超えてわかりにくい。
とくに私のように役者の顔を覚えるのが苦手なタイプには、登場人物7人+αの苗字と名前と役職を覚えるのでまず手一杯。
次に、ギリギリ足りないレベルでカットされたセリフを字幕で読んで意味を把握するのにまた精一杯、となる。
「教皇選挙」を家のモニターで字幕で観てもどうにか追いつけた私にとってはやや不親切設計だったと思う。
専門的な用語はわかんなくてもストーリー把握できるっていうのは「ソーシャルネットワーク」や「マネー・ショート」で経験してるけど、やっぱりこれはちょっと呎足りないんじゃないのかなー。
スティーグリッツ氏が誰なのかしばらくわからなかったわ。
無茶とは思うけど吹替が欲しかった。
ただし今度は人名を音だけで覚えるという問題が…
それでいて、通常なら主人公が見ていないはずの場面もばっちりオンで描かれてたりして、妙なところで親切心を発揮する情緒不安定さ(オチまで行けば納得)。
そもそも、脚本家はM:Iの1本目のリサーチ期間に着想を得たそうだが、3組のカップルがシスジェンダーのみというのはちょっとかなり古い感じ。
なお700万ポンドは当日のレートで14億円弱でした。なるほどねぇ。確かに目の色が変わる金額ではある。
