「怖いくらい生々しい」佐藤さんと佐藤さん コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
怖いくらい生々しい
上手いわ、この映画。
そして、怖い。
実力はあっても出しきれないで司法試験に落ちてしまうメンタル弱々男と、正しさや効率のよい動きや発言によって無意識のうちに弱々男を追い詰めてしまう筋の通った女性。
お互いを思いやる気持ちがあった二人が、心の弱った側の些細な言葉の受け取り方ですれ違っていく。
膨らむコンプレックス、有り難みが申し訳なさへと変わり、嫉妬にすら変貌していく。
そこに次々現れる、結婚による改姓の残酷さ、女性に押し付けられる旧来の価値観、仕事によって自分の時間がなくなる、相方の話を適当に頷いて聞いてない、子育ての難しさ、親の介護、実家の家業や相続問題……
二人に20〜30代夫婦あるあるの現実が押し寄せ、心の距離が開いていく。
ある日突然ではなく、一緒にいることがつらくなるほど、相手への嫌悪感が「積み重なっていくう」ことを見せていく手法が、残酷なほど生々しい。
岸井ゆきのと宮沢氷魚が本当にこんなことで別れるカップルいるよな、と思えた説得力溢れる演技をしていてよかった。
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